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「痕、残っちゃっているね」
激しい行為の末、果ててしまった葵人の首にそっと触る。
息もまともにできなく、見るからに苦しそうに口を半開きにしていながらも、その表情は溢れんばかりの悦びだった。
また葵人を悦ばせることが増えたと嬉しくなりつつ、自身の手で葵人を終わらせたくはなかったため、突いて、絶頂させた。
「こんな首じゃ、さすがに二人のことを誤魔化せないんじゃないの? 本当、悪い子だな、葵は」
思わず笑みを零し、不意に近くに放ったマフラーを見やる。
そして、おもむろにマフラーを手に取ると、首の痕を隠すように巻いてあげた。
「これで僕だけしか見れないね。僕だけしか外しちゃだめだから。······もし、外そうっていうなら」
静かに眠る葵人に対し、不敵に笑った。
それから葵人を抱き上げると、その足で寝室へと向かった。
少しでも愛しい人の眠る姿を一人で堪能するために。
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