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第89話
「ああっ」
少し痛いのが好みの朝霧の屹立はそれだけで硬くなる。
「後ろ向いて」
朝霧はもう抵抗する気はなかった。
夏川に抱かれるのは久々だ。
思いが通じ合った今、例え野外であっても朝霧の熱は冷めなかった。
夏川は朝霧の背中にぴったりと覆いかぶさると、その耳を柔らかく食んだ。
いつ用意したのか。夏川は携帯用のローションパウチを取り出すと、それを掌に落とした。
夏川が朝霧の蕾を指で犯し始める。
「あっ、あっ、あっ」
外だからと控えめな朝霧の喘ぎが木々の間の闇に吸いこまれていく。
三本の指を激しく出し入れされて、朝霧は下唇を噛みながら、恍惚の表情を浮かべた。
「んっ、んー」
朝霧はぶるりと腰を震わせると目の前の木に向かって白濁を吐いた。
「ずいぶん早いんじゃない? 」
夏川にくすりと笑われ、朝霧は真っ赤になった。
「だって、久々だから」
「それに外って初めてだもんね。帝、いつもと違うシュチエーションに興奮してるでしょ」
「ちっ、違っ…ああっ」
ふいに体内に挿入された長大な熱に、朝霧は背中を反らせた。
ゆっくりと動くそれは、いつもよりずっと熱くて硬かった。
「リョウだって興奮してる」
指摘する朝霧の髪を夏川が鷲掴みにする。
軽く引っ張るだけだが、朝霧は被虐的な気分になり、余計に興奮が増した。
「俺も久々……だからねっ。たまらないわけですよ」
夏川がぱんぱんと腰を打ちつける度、朝霧は白濁をまた少しづつ漏らす。
「んっ、んくっ、イイ。イイよぅ」
素直な朝霧が可愛くて、夏川は頭を撫でると、うなじに何度もキスを落とした。
星空の下で、朝霧の真っ白な肌は自ら発光しているようにほの白かった。
「ねえ、これめっちゃ綺麗じゃない」
朝霧の耳にふいに山田の甲高い声が響いた。
「意外と近くにいたんだね。あいつら」
夏川が朝霧の耳元で囁く。
煙の匂いが朝霧の鼻をついた。
「花火やるって言ってたから、こっちのほう来たのかな? 」
「リョウ」
焦って、朝霧は夏川を見上げた。
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