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第8話 誕生日とはじめての…(6)★

「やっ、ん! い、いきなりっ」  突然の激しい抽送に、諒太は堪らず声を上げる。しかし、橘は聞く耳持たずといったふうで、不敵に口角を持ち上げるだけだ。 「諒太さん、どうされるのが気持ちいい? 教えて」  甘い声が鼓膜を揺すって、諒太の口から「ひんっ」という甲高い声が出た。  その反応に気をよくしたのか、橘が耳朶に舌を這わせてくる。ぴちゃ、くちゅ、と唾液が絡む音がダイレクトに響き、諒太は身震いが止まらなかった。 「あっあ、み……耳、やあっ」 「『やだ』じゃないでしょ。ちゃんと答えてよ、“先生”」  授業でわからないところを訊くかのように、橘が答えを求めてくる。  わざわざ「先生」と口にするなんて、文句の一つも言いたくなったけれど、さらに激しく腰を打ちつけられて、うやむやになってしまった。ただひたすら与えられる快楽に頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなる。 「お、奥がいいっ――大地のおっきいのでっ、おく、突いてほしい……ッ」  情欲に突き動かされ、諒太は熱に浮かされたように懇願していた。  橘がフッと笑う気配がして、先ほどの意地悪っぷりとは裏腹に、「こうですか?」と優しく囁いてくる。そして次の瞬間、 「ひっ、あぁ!」  勢いよく最奥を穿たれて、あまりの快感に目の前がスパークしたみたいになる。  それでも橘は構わず――加減がわかっていないのか――、乱暴なまでの力強い抽挿を繰り返した。パンッ、と肌同士がぶつかる音が大きく響き渡り、そのたびに諒太の体が弓なりにしなる。 「あ、あんっ……ン、ああッ!」 「諒太さんの奥、俺に吸い付いてくる――気持ちいい?」 「い……いいっ、きもちいっ、奥、すごいのっ」 「じゃあ、こんなふうに擦るのは?」  言って、橘がさらに深くへと腰を押し付けてきた。結腸の入り口を亀頭でぐりぐりとされれば、痺れるような快感が脳天を突き抜けていく。 「っあ! んっ、うそ、なにこれっ……あぁ、ンっ」  まるで脳髄が溶かされるような感覚だった。ただでさえ気持ちがいいというのに、大きな手が頭を撫でてきたり、頬を優しく包んできたりするものだから、身も心もなんだかいっぱいになってしまう。  もちろんのこと、このようなセックスは知らない。幸福感に満ち溢れ、愛されているという強い実感にくらくらとしてくる。 「も、なんか……ヘンだよぉ、きもち、よすぎちゃう……っ」 「……俺もすげー気持ちいい」  見つめ合ったあと、小鳥が啄むような甘いキスを交わす。  その間も橘の腰使いは止まらず、敏感な箇所を執拗に責められた。こんなふうに抱かれていたらおかしくなる――そう思う一方、「もっと」とねだるように、諒太は橘のものを締めつけてしまっていた。 「諒太さん、もたないって……のっ」  橘が苦しげな吐息を漏らす。眉根を寄せて堪えるような表情をされてしまっては、諒太だってもう辛抱ならなかった。 「いい、いいからあ、大地の好きにうごいて……もっとめちゃくちゃにしてっ――」 「っ、ああもう――あんたって人はっ」  容易く煽られた橘は、がむしゃらに腰を振り始める。  抜け落ちるギリギリまで屹立を引き抜かれ、ズンッと勢いづけて貫かれ――腰が砕けてしまいそうなほどの快感に、諒太は意識が飛びそうになった。 「あっ、ン! はげし……あ、あぁッ」  ぐちゅっ、ずぶっ、と音を響かせながら肉棒が荒々しく出入りする。  激しく揺さぶられながらも目線を上げれば、そこには余裕のない橘の顔があった。  いつも涼しげな顔をしている彼が、今はこんなにも必死になって自分を求めてくれている。その事実が嬉しくて堪らない。

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