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「ん、んー······」
「おかー······さま······」
のろのろと眠たい目を擦りながら起き上がった。
二人はもう片方の手で、間に一緒に寝ている母親に触れようとした。
が、すぐに触れられるはずの存在がどんなに探ろうが、布団の感触しか感じられなかった。
二人はそこで一気に目が覚め、顔を見合わせた後、再度布団を見、そして、また互いを見た。
「「おかーさまが、いない!!」」
両手で布団を滅茶苦茶に探り、辺りを忙しなく見回した。
しかし、どこを見ても母親の姿はなかった。
どこに行ってしまったのだろうか。
二人は不安に駆られ、涙が薄らと出てくる。
寝る前、子守唄を歌ってくれて、一緒に寝たはずなのに。
「おとーさま!」
「おきて!」
二人は父親を揺すり起こした。
すると、すぐに小さく呻き、目を開いた。
「どうしたの······」
「おかーさまがいない!」
「どっかにいっちゃった!」
堪えきれず、ついには揃って泣いた。
起き上がった父親は、よしよしと頭を撫でて慰めてくれた。
父親でも嬉しいけど、やっぱり一番は母にしてもらいたい。
母の暖かな笑みを向ける姿が浮かび、寂しさが募り、さらに大声を上げる。
「新、真、聞いて。お母さまはかくれんぼをしているんだよ」
「「かくれんぼ······?」」
ひゃっくり声を上げ、揃って言うと、父親は母親とは違う穏やかな笑みをして、頷いた。
なんでも、二人をびっくりさせたくて、寝ている間にこっそりとかくれたらしく、見つけることが出来たら、いつもよりもたくさんいい子いい子して、ぎゅうぎゅうに抱きしめてくれるのだという。
優しくそう説明してくれた父親の話を半ば聞きながら二人は、大好きな母親がいい子いい子してくれて、優しくぎゅっとしてくれていることを想像し、純粋な瞳を輝かせていた。
「おかーさまをみつける!」
「いっぱいいいこいいこしてもらう!」
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