45 / 91

第45話 大好きが溢れる

 本当に、本当に、楽しくて。  生まれて初めてのデートは夢みたいな一日で。  今日が終わって欲しくない、なんて思ったこと今までなかったけど。 「やぁ……ン」  終わって欲しくない、よ。  ベッドのシーツのしがみつくように、ぎゅっと手で握りながら、背後に覆い被さる義信さんの乱れた呼吸に中が切なげにしゃぶりつく。 「汰由……」 「あ、あ、あ、や……またイッちゃう」  寝てる状態で、義信さんの重みで気持ちいいのを身体の奥から逃せないまま、瞼の裏で星がチカチカ点滅する。  王道のデート、だった。  一日テーマパークで楽しんで。乗り物はジェットコースター系を二つ。シューティング系のを二つ。それからのんびりボートに乗って異世界を見物旅行、みたいなアトラクションにも二つ。  休日で混んでたわりには、満喫できたと思う。普通はどのくらい乗れるのかなんてわからないけれど。 「汰由」 「あ、ひゃっ……ン」  くん、って、奥を義信さんの硬いので押し付けるように貫かれながら、肩に歯を立てられて、甘ったるい悲鳴が唇から零れ落ちた。 「中、気持ちいいよ」 「あ、あぁ、ン」  俺も気持ちいい。奥まで義信さんでいっぱいになるの気持ちいい。 「ご飯、美味しかった?」 「あ、あぁ……ン」 「いっぱい食べてたね」 「あ、ン」  すごいレストランでびっくりしちゃった。 「この前は、足元に夜景が見えて、喜んでいたから、今日はちょっと変えたんだ」  そう、夜景が見たいって言ったの俺だったけど、経験も知識も乏しい俺はあの晩の夜景をイメージしていて。 「でも少し寒かったね。汰由がTシャツだったから、それだけ失敗した。室内のテラス席にすればよかったね」  けれど義信さんが連れていってくれたのは対岸のバルコニー席で食事をしながら、遠くの綺麗な夜景を眺められるようなレストランだった。そこでパスタとピザ、お酒は車だったから飲まずに。あ、あと、サラダもすごく美味しくて。ちょっと食べ過ぎちゃった気がするくらい。 「ぅ、うん……へ、き……寒く、なかった、から」 「そう? 汰由は体温高いね」  そこでたくさん食べて、その夜景を眺めながら夜のドライブをして、義信さんのおうちに。 「今も、汰由の中、すごく熱くなってて、気持ちいいよ」 「あ、ン」  熱い? すごく? 今、すごく興奮しているから熱いのかも。今朝、義信さんが眠っていたベッドで、夜、可愛がってもらえるなんて、ゾクゾクして、さっきからずっとイッちゃってる。 「また締まった」 「あ、やぁ……ン」 「感じてる」 「あ、ン」  だって、今日、一日一緒にいたんだもの。  今日、一日でたくさんの義信さんを見られたんだもの。  手をずっと繋いで、ずっと貴方に触れていたんだもの。  だから、ずっと、こうして、セックスしたくてたまらなかった。  しゃぶりついて、その硬く、いきり立つ熱にすごくすごく感じちゃうくらい。 「汰由」 「あ、や、そこ、好きぃ」  順番待ちしながら楽しくお話ししてくれる義信さん。ジェットコースター系も怖そうなのも、シューテング系のも全部わずかに微笑みながらする大人の余裕があるのに。 「腰、揺れてる」 「あ、だって、気持ち、ぃ」 「っ」 「好、き……ぃ」  俺と目が合うとはにかんで微笑んでくれるんだもの。  ほら、今みたいに。背中を捩って見つめると、少し困ったように、はにかんで笑って、後ろから射抜いてくれる。太くて硬いので奥まで全部抉じ開けてくれる。  俺の頭上にキスをくれた。小さく、俺の名前を呼んで。その硬いので、俺のこと溶かしちゃう。  一日、楽しかったけれど、ずっとおあずけされていたみたいな一日だった。  貴方とこうしたくて仕方がなかった。 「っ、あぁ、や、ンっ」  そんなの感じちゃうでしょ?  そんな一日中我慢していたから、したくてたまらないでしょ? 「たくさん食べてて可愛かった」 「あ、あ、ぁ」 「汰由は細いから」 「ひゃぁ……」  腰を撫でられて、背中を反らせて喘ぐと、義信さんの両手が俺のお尻をキュって寄せて。 「あ、あ、あ、あ」 「やっぱり細い」  その寄せたお尻の隙間を激しく乱暴なくらいに義信さんのが行き来する。肌と肌の間を激しく擦り上げられるいやらしい音がすごく、興奮する。 「義信、さんも? たくさん、食べた?」 「? もちろん」 「あ、よか……った。楽し、かった?」 「あぁ……」 「嬉し、い。あ、ンっ、俺、初めてのデート、だから、わかんなくて。俺は、ぁ……ン、楽しかった、けど、どぅだった……かなって」 「……はぁ」 「? 義信、さん?」 「もう少し、抱いていてもいい?」 「え? あっ……ン」  ずるりと抜け、ちゃった。 「……ぁ」  今すごくすごくすごく、興奮してたのに。すごく、気持ちよかったのに。 「ごめんね。イキたかったよね。汰由」 「ぅ、ん」 「顔見たくなった」 「あっ」  抱き締められてそのまま仰向けに。  恥ずかしいくらいに足を左右に割り開かれて、頬、蒸発しそうに熱くなった。だって、見えちゃう。 「汰由は本当に……」 「あ、あっ」  何度もイっちゃってドロドロな身体を。奥が貴方のことを欲しいって、今、恋しそうに、待ちきれないから、早くちょうだいって、キュンキュンしてる。 「困った子だ」 「あっ……早く、ぅ……あ、あ、あ、おっき、ぃ」 「大人の余裕なんて、汰由の可愛さの前じゃ、無理そうなんだ」 「あ、あぁぁぁぁぁっ!」  早く、奥で義信さんのを感じたくて。 「まだ汰由とこうしていたい」 「あ、俺、もぉっ」  パチュンって、孔を可愛がってくれる音に身震いして感じちゃう。 「楽しかったよ」  もっと、していたい。 「すごく」  もっと、繋がっていたい。 「今日一日が」  今日が終わらなかったらいいのに。 「終わって欲しくないなんて、子どもみたいなことを考えるくらい」 「あ、あ、あ、あ、ダメ、そこ、しちゃうの、イっちゃ、うっ」  まだ貴方とこうしていたいんだもの。 「僕は子どもなんだ」 「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!」  大好き。 「あっ……ん、義信、さんっ」 「うん」 「また、デート、したい」  貴方のことが大好きって、それが溢れた一日。 「もちろんだ」  その終わりに、おもちみたいと昼間言われたほっぺたにそっと。 「やった。嬉しい」  キスをくれた。

ともだちにシェアしよう!