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第1話
高橋謙也(タカハシ ケンヤ)は最近とても調子が悪い。
全寮制男子高であるA高校、2年D組所属、身長は170センチ。顔は良くも悪くもない。勉強もクラスの真ん中あたりを行ったり来たりしている。
いわゆる平々凡々の少年である。
彼は陸上部に所属しており、400m種目の選手として日々練習に励んでいるが、近頃はなかなか記録が伸びない。
毎日3食、寮の食堂で提供される、栄養たっぷりの食事を食べ、朝6時起床、学業も部活も真面目にこなし、夜10時にはベッドに入るという、清く正しい学生生活をおくっている。
そんな彼だが、最近なぜか調子が良くない。
いつもより多く寝ようとベッドに入るものの、なかなか寝付けない。
気晴らしに走りにいっても、全然気分が晴れない。疲れるだけだった。
実は原因は、はっきりとしている。
ただ、謙也が目を逸らしていただけだ。しかし、それももう限界だった……。
「んんっ♡ ぅん……はぅん……♡」
「(まただ……)」
寮の部屋は二人1部屋で使用している。
謙也の部屋は801号室。勉強机と2段ベッド、小さなユニットバスが付いている。
「ふっ、あぁ…………ん♡」
朝7時半。爽やかな朝だ。
カーテンから差し込む光が清々しい。
しかし、801号室ではそんな清々しさには相応しくない甘い声が上がっていた。
「ゃあ…んぅ♡」
「……おい、真礼(まひろ)、起きろよ、もう朝だぞ」
「んんぅ、やぁ……♡」
2段ベッドの上の段、謙也は同室の真礼斗真(まひろ とうま)を揺り起こす。
真礼は寝起きが悪い。毎日早寝早起きをしている謙也とは真逆で、毎日夜中まで起きて、遅刻ギリギリまで眠っている。そしてたまに遅刻している。
真礼が遅刻するたびに、なぜか同室の謙也も教師に愚痴愚痴と言われるので、毎日こうやって起こすようにしている。
「おい、ほら起きろよ。朝飯食いっぱぐれるぞ」
「ううん♡ やぁだぁ…………もう少しだけ♡」
「…………」
これである。この寝起きの悪い真礼斗真こそ、謙也の不調の原因である。
「ふぅ……ん♡」
これは真礼の寝息である。妙に鼻にかかった声が艶かしく、語尾にハートマークが飛んでいそうな声をあげていた。
これを毎日聞かされている謙也は、寝息と分かっていながらも、なんだか妙な気持ちにさせられるのである。
しかし、今はまだ朝だ。下腹部の熱から意識を逸らし、無慈悲な心で目の前のミノムシの外装(布団)を剥がした。
「ほらっ! 起きろ!」
「やぁぁんっ!」
布団の下から現れた真礼斗真は、その華奢な体をぷるぷると震わせて、恨みがましい視線を謙也に投げていた。
大きな瞳が潤んで可愛らしい。
「謙也ぁ……ひどいよぉ……」
「ひどくない、ほっといたらお前また遅刻するだろ」
素っ気なく答えて、謙也はベッドの階段を降りる。
寝起きの真礼は予想外に刺激が強くて、あまり直視していたらどうにかなりそうだったのだ。
「わかったよぉ〜……んしょ」
渋々といった体で真礼はベッドの梯子を降りてくる。
裸足の指先で梯子を確認し、尻をフリフリと振りながら降りてくる姿は、こちらの劣情を誘っているとしか思えなかった。
ほっそりとした色白の脚には、ムダ毛など一切生えていない。足首や膝などはキュッと締まっているが、太ももからお尻にかけては程よく肉がついており、触ったらむっちりとした感触が楽しめそうだった。
「(あ〜、だめだ、あんま見ないようにしよ)」
謙也は再び自分の股間に熱が集まってきそうなのを自覚したので、視線を慌てて明るい窓際へ向ける。
こんなにもいい天気なのに、俺はなんてことを考えているんだ…という罪悪感でいっぱいだった。
「よいしょ、ぅーん♡ 謙也、おはよぉ♡」
梯子を降り切った真礼は、伸びを一つしたあと、独特ののんびりとした甘い声で謙也に朝の挨拶をした。
「うん、はよ……」
謙也はチラリと真礼を見やる。
真礼はオーバーサイズのTシャツに、太ももがあらわなショートパンツを身につけている。
Tシャツの首回りは大きく空いており、そこから右の肩先が覗いていた。
ショートパンツは真礼の細い腰にフィットしており、ムチムチした太ももから尻にかけてのラインを艶かしく強調している。
丈がショートすぎて、陰部が溢れてしまわないか心配になるが、遠目から見なくても女子のように可愛らしい顔の真礼には、よく似合っていた。
寝起きの真礼はまだぼんやりとしており、艶やかな黒髪はいくつか寝癖でぴょこりと跳ねていた。
「顔洗って、早く着替えろよ。寝癖も直せよ」
「うぅーん、面倒臭いよぉ……謙也手伝ってぇ」
甘えるように抱きついてくる真礼に、謙也は慌てた。まだ下腹部の昂りは治っていなかったのだ。
「おい、離れろ! 遅刻するぞ」
「ん〜だから手伝ってほし……あれぇ? 謙也ぁ、」
そこで言葉を止めた真礼は、不意に自分の腹を謙也の腰に押し付けた。ゆるく立ち上がった謙也のペニスが、ゴリっと真礼の腹を押し返した。
「……っ! おい!」
「謙也ぁ……朝勃ちまだ治ってないじゃ〜ん♡」
真礼は嬉しそうににっこりと笑う。新しいおもちゃを見つけた子供のようだ。
謙也は中途半端に勃起した自分のペニスを、服の上から撫で回す真礼を引き剥がそうとするが、的確に官能を高める触り方をしてくるので、力が抜けてしまう。
「僕に構わず抜いちゃえばいいのにぃ、僕は全然気にしないよ♡」
「違う! これは……」
素直に真礼に欲情した、なんて言えない。実際はすでに朝勃ちはトイレで処理済みだ。
戸惑っているうちに、真礼はかちゃかちゃと謙也のベルトを外しにかかる。
その手つきは妙に手慣れていて、謙也はなんだかモヤモヤした。
「真礼、やめろよ……! もう食堂行かねぇと……」
「僕、朝ごはん食べなくても大丈夫だもん」
静止も聞かずに、真礼はすっかりベルトを外し終え、続いてきっちり着込んだ謙也のスラックスのフロントを寛ぎ始めた。
謙也のペニスは制服越しでもわかるくらい、すっかり立ち上がっていた。
「ふふ♡ 僕が治して上げるね?」
そういうと、真礼は謙也の足元にひざまづく。
前を寛げたスラックスから、謙也の黒いボクサーブリーフ越しのペニスに触れる。すでに先走りで色が濃くなっていた。
真礼は楽しそうな表情で、そこから熱く猛ったペニスを取り出した。
「わぁ! 謙也のおちんちんおっきぃねぇ♡」
「あっ……おい……! 何すんだ」
「えぇ〜〜? わかってるくせにぃ♡ ……こうするんだよ♡」
悪戯っぽく笑うと、真礼は躊躇いなく謙也の熱いペニスを頬張った。
真礼の小さな口では収まり切らないようで、はみ出した根本部分は、細い指が絡みつく。
「!! ま、真礼! 何すんだよ……ぅあっ」
「ん゛ん゛? ふ゛ぇ゛あ゛あ゛お」
「あっ! ばか、喋んな……! くっ!」
「〜♡」
謙也は突然の事態に頭が追いついていなかった。
生まれてこの方彼女なんていなかったし、ましてやフェラなんて、たまにオカズとして読むエロ漫画でくらいしか見たことなかった。
まさか自分が、しかも同室の男に咥えられるとは思ってもいなかった。
謙也はただ未知の快感によって漏れ出す声を、唇を噛んで抑えることしかできない。
真礼の舌は別の生き物のように謙也の砲身に纏わりつき、裏筋から亀頭のくびれをねっとりと刺激する。
さらには先端の尿道口を舌先で器用にくすぐり、謙也の射精感を確実に高めてくる。
「っは……も、はなせよ……」
「ん゛ー!」
「あ゛! だから……しゃべん、な!」
謙也の位置からは、真礼の小さな黒い頭しか見えない。
しかし、その艶やかな黒い頭が前後するたびに、強烈な快感と、じゅぼじゅぼという卑猥な水音が響くことで、自分が真礼にフェラチオをされているのだと理解してしまう。
「(くっそ…やばいくらい気持ちいい…!)」
数十分前にすでに一度吐精しているが、その時とは段違いな強い快感に、謙也はもう押し寄せる射精への欲を我慢できそうになかった。
「(このままだと、真礼の口の中に出してしまう!)」
謙也は慌てて真礼を引き剥がそうとするが、急所を咥えられているため、乱暴にするのも恐ろしい。
仕方なく小さな頭の左右、耳のあたりを両手で押さえるようにもつ姿は、側から見ると謙也が真礼の口をオナホのように使っているようにも見えた。
「んっ……まひろ……! もう、いっ、イクから……!」
「ん゛♡」
そういうと、真礼の口淫は激しさを増した。裏筋に舌をぴとりと当てながら、先端を喉奥で飲み込むように撫でられた瞬間、謙也の頭は白くスパークした。
ペニスもびくっと大きく跳ねながら、真礼の喉奥へびゅーびゅーと精液を叩きつける。
「う゛っ…あぁっ!」
「っ♡ う゛んっ♡ んくっ♡」
謙也はゼェハァと息を整えていると、真礼はようやく謙也の股間から顔を離した。
彼の桃色の唇端からは、飲み込みきれなかった精液が垂れており、真礼が“ごっくん”をしたのだと謙也はぼんやりとした頭で理解した。
「ん♡ はぁ、謙也ぁ、いっぱい出たねぇ♡ 」
「……っお前、飲んだのか?」
「うん♡ だってその方が楽だし、僕も飲むの好きだし♡」
おいしかったよぉ♡と、いやらしく微笑む真礼は、心からそう思っているように見えた。
謙也が吐精後の倦怠感と、ルームメイトからの唐突な蛮行に呆然としていると、真礼はぺたりと床に座り込んだ。
両手を後ろ手につき、足をアヒル座りにした真礼は、何やら両膝を擦り合わせてモジモジとしている。
ふぅふぅと呼吸を荒くしており、謙也はまさか自業自得とはいえ、精液を飲んだことで気分が悪くなったのではないかと心配した。
「おい、真礼、大丈夫か……?」
「っん……♡」
真礼は紅潮した顔で謙也を見上げる。
元々タレ目の瞳は、さらに目尻が下がり、とろんと潤んでいる。唇からは先ほど飲んだ白濁の残滓が溢れ、なんとも扇情的だ。
真礼の艶やかな黒髪は、ところどころ寝癖で跳ねているが、それ以上に先ほど謙也が無遠慮に掴んでいた箇所がボサボサになっていた。
ゆるいTシャツからは右肩が完全にのぞいている。荒い息遣いに合わせて小さく上下するそこから、真礼の顔だけではなく全身が、桃色に色づいていることが容易に想像できた。
そして、擦り合わせている両膝から視線を上に辿ると、真礼の短すぎるショートパンツの裾から覗くなまっ白い太ももを、何かの液体がテラテラと濡らしている。
ショートパンツの中心は、こんもりと小山ができていた。
「っ、真礼、お前……」
「えへへ、謙也のしゃぶってたら、僕もムラムラしてきちゃったぁ♡」
恥じらうこともなく告白する真礼は、擦り合わせていた両膝を解き、ぱかりと左右に割り開く。
いわゆるM字開脚のポーズを取ると、謙也を見上げる。
そして真礼は後ろについていた右腕を持ち上げ、徐にTシャツの裾をたくし上げる。今まで見えなかった小さなヘソや、薄い腹が少しずつ露わになる。
謙也は何も言葉が出ず、ただ熱い視線を送ることしかできない。
そのあまりにも艶かしい痴態に、思わずゴクリ、と喉を鳴らした。
あと少しで乳輪が見えそう、というあたりで、真礼は手を止める。
「ねぇ♡ 謙也ぁ、僕のオナニー、手伝ってよ♡」
舌なめずりをしながら、今日一番のいやらしい顔で、謙也を誘った。
********
ベッドの軋む音が、801号室に響く。
そしてそれ以上に、激しい息遣いと甘い嬌声、そしてぬちゃぬちゃとイヤらしい水音が、謙也の耳を支配していた。
「あっ♡ あん♡ 気持ちぃよぉ♡」
「っはぁ……声、もう少し抑えろよ」
謙也は真礼に覆い被さり、彼の濃いピンク色の乳首を舐めしゃぶる。左手でもう片方の乳首を捏ね回し、さらに右手で真礼のやや小ぶりなペニスを攻め立てていた。
これは全部真礼のリクエストでしていることだ。童貞の謙也は、前戯を器用にこなせるわけもなく、真礼の指示通りに乳首とペニスの同時攻めをしていた。
「んんぅ〜、むぃだよぉ、きもちいんだもん♡ ね、もっとしてぇ、謙也ぁ」
「…っ」
ねっとりとした声色でねだられると、脳みそが蕩けそうになる。
求められるまま口淫と手淫を激しくすると、真礼は謙也の体を抱え込むように抱きしめる。
「ぁああっ! ぅんっ! はぁ♡ いい! イっちゃいそうだよぉ♡」
「早く、イけよ!」
そう言って、謙也は自分がされたように、ペニスの裏筋に舌を当てる。喉奥まで届くほど長くはないので、代わりにストローのように思いっきり吸い上げた。
「っ♡ ぁあああああぁぁんっ!!♡ 」
真礼は一際高い声で鳴き、びくりと身体を仰け反らせる。少し後に、謙也の口内にびゅっ!と吐精した。
「ん……♡ はぁ♡ あぁ……♡ イっちゃったぁ♡」
「っゲホ……ゲホ……」
「あれ……謙也ぁ、大丈夫? ごめんね、お口に出しちゃったぁ♡」
「いや……まぁ、俺がしたことだし……」
謙也は思いがけず初めてのフェラ、そして飲精まで経験してしまった。
真礼もイったし、口の中がなんとも言えない状況なので、謙也は口を濯ごうと身体を起こすと、真礼の細い脚が腰に巻き付いた。
「おい、もういいだろ……授業始まっちまう……」
「でも、謙也ぁ、また勃ってるよぉ……♡」
「…………」
自分の腕の下で乱れる真礼は想像以上に艶かしく、謙也のペニスにまた力を与えてしまっていた。
謙也は流石にこれ以上は、と断るが、真礼は絡みつけた脚に力を込めて、身体を密着させてくる。
「ねぇ♡ 謙也、僕のこと使っていいよ♡」
「は? 使うって、どういう……」
真礼は再びベッドに身体を預けると、謙也に絡み付けた脚を解く。
持ち上げた足を両手で抱えると、細い指先で、ゆるく立ち上がったペニス、睾丸、会陰をなぞる。
そして、ついにアナルへと到達すると、少し膨らんだ縁を、もったいぶるように指先で撫でた。
「僕の“ココ”に、謙也のおちんちん、入れて欲しいの……♡」
********
1限の時間などとうに過ぎているだろう。
801号室に差し込む明るい光は、ベッドで縺れ合う二人を照らす。
汗や涙や涎、そのほかいろいろな体液が、キラキラ、テラテラと反射していた。
「あっ♡ あっ♡ ああんっ!♡ はげしっ♡ んん! そこ、いいよぉ!♡」
「はっ! はぁ……! くっ」
ばちゅばちゅばちゅばちゅ! と、激しい水音が響く。
もう二人とも何度出したかわからない。
真礼の腹の上は自分の精液でドロドロだし、腹の中も謙也の放った精液で満ちていた。
ピストンの度に掻き出されたもので、ベッドシーツもぐちゃぐちゃだ。
「っはぁ……まひろ、大丈夫か?」
謙也は一度腰を止めて、真礼の様子を伺う。
真礼はメスイキの余韻でびくびくと身体を震わせながら、体液まみれのぐちゃぐちゃの顔で、ニコッと微笑んだ。
「うん♡ でも、いっぱいイっちゃったから、ちょっとだけ疲れちゃったぁ」
ふぅ♡ とため息をつくと、真礼は両腕を謙也に向かって広げる。
「謙也ぁ♡ キスハメしよぉ♡」
「……キス……」
「うん、僕たち、まだキスしてないでしょぉ?♡ これで最後にするから、お願い♡」
真礼の少し掠れた甘え声が、謙也の耳をくすぐる。
謙也が、ずっと頭の中で妄想していたことが、今日全て現実になっていた。
この小さく可憐で、淫蕩なルームメイトを、メチャクチャに犯したい。
恋人のように唇を合わせ、身体中を舐め回してやりたい。
真礼斗真と同室になってから、ずっと意識の外で望んでいたことだ。
「僕ね、謙也と同室でよかったよお」
「え……」
唐突にそう言われ、謙也は驚いた。
「謙也はさぁ、僕と普通に接しようとしてくれたから……お世話してくれるし」
嬉しかったんだぁ♡ と柔らかく微笑む。
いまだにアナルに謙也のペニスが挿入ったままだが、真礼は真摯な態度で感謝の気持ちを述べた。
「僕、こんなんだけど、謙也はすぐに手ぇ出したりしなかったでしょ?」
「それは……お前は男だし、恋人でもない……俺たちは、ルームメイトだから」
本当はずっと犯したかったなんて、口が裂けても言えなかった。
「へへぇ♡ そういうとこ、僕好きだよ♡ ……でも、最近、謙也あんまり元気ないでしょぉ?」
「……気付いてたのか」
「わかるよぉ、僕、ルームメイトだもん♡」
そういうと、真礼は広げた両手を謙也の背中に這わせる。
自然と繋がり深くなり、二人の距離はゼロとなった。
「僕が、こんなんだから、ムラムラ溜まっちゃたんだよねぇ?」
「それは……」
「謙也の真面目なところはいいところだけど、我慢のし過ぎは良くないよぉ……だから、今日謙也とセックスできて、僕嬉しんだぁ♡ いつもお世話してくれる謙也の欲求不満、解消できたかなぁって♡」
真礼は謙也の唇に軽く口付ける。謙也にとってはファーストキスだ。
お互いに飲精していたため、口内に変な風味が広がったが、そんなのは細かいことだった。
欲情とは違う甘やかな気持ちが、謙也の胸に広がる。
「あっ、ちょっとおっきくなった♡」
「……仕方ないだろ」
「うん♡ 仕方ないよぉ♡ キスもセックスも気持ちいもん、ね?」
「…………ん」
今度は謙也から唇を重ねる。真礼の柔らかい唇を押しつぶすように押し付けると、ぬるりとした舌で歯列をノックされる。
素直に薄く口を開くと、今日ずっと謙也を翻弄してきた真礼の舌が飛び込んできた。謙也も負けじと舌を絡めに行くと、真礼の舌は巧みに謙也の舌を愛撫する。
「んっ……!ぅん……」
「はぅ♡ んちゅ♡ はぁ……♡」
ピチャピチャとした水音が響く。
二人の腰もそれに合わせてゆるゆると動き始め、しばらくすると謙也が激しく真礼の奥を突き上げていた。
「んん゛っ♡ む゛ん゛〜♡ お゛っ! あぁ゛っ!」
「んく゛っ! はっ、もう、イきそ……」
「きて♡ 出して♡ やっ! チューして!♡」
「んっ……っ!」
「ん゛ん゛ん゛ぅ♡♡!!」
謙也が最奥に放った後、今日一番の深いメスイキをした真礼のペニスからも、とろりと精が溢れた。
「はぁ……♡ はぁぁっ……♡」
「まひろ……」
謙也はびくびくと身体を痙攣させる真礼から萎えたペニスを抜き、愛おしそうに頬を撫でる。
それすらも甘い痺れとなる真礼だが、とろけるような笑顔で、謙也を見つめる。
「まひろ、ごめん、無理させた」
「……いいよぉ。大丈夫だからぁ♡」
「……まひろ、俺……お前のこと、好き……」
「……ん♡ 嬉しぃ……♡ これからも、ルームメイトとして、よろしくねぇ♡」
そう言うと、真礼は眠りに落ちた。
謙也は真礼の言葉に確かに傷ついたが、この奔放で淫蕩な小悪魔のルームメイトという、ある意味貴重な立ち位置を享受しようと気持ちを切り替え、早速甲斐甲斐しく腕の中でスヤスヤ眠る真礼と、ぐちゃぐちゃになった801号室を綺麗にするのであった。
FIN?
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