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第26話 誤解。
チュッ… チュッ… チュッ… チュチュッ… と、軽く吸いながら… 何度も角度を変え、相模は唇に触れては、離れてと… 焦 らすように繰り返した。
「んん…っ!」
キスをするのに夢中なマキは、いつの間にかワイシャツのボタンを全部外されていることにも気づかず、焦れて首を伸ばし相模の唇に自分から吸いついた。
大きな手で、お腹から胸へとスルスルとなで上げられ、マキは自分が半裸にされてしまったことにようやく気付く。
唇を離し相模が顔を上げるとマキのシャツを開き、触れることなくなめらか肌を上から順番に視線で犯す。
「エ… エイジさん…っ」
小さな声で名を呼び、マキは自分がとても恥ずかしがっていることを伝えるが…
「ダメだよマキ、全部見せてくれないと…」
パンツのホックを外し、ファスナーをジジジッィ… とゆっくり下げる音が、生々しくマキの耳に届き…
「自分で… 脱ぎます!」
<恥ずかし過ぎる! ううっ!! でも脱がないと… エイジさんを受入れられないし…!>
真赤になり震える手で、パンツと下着を一緒に太ももまで下ろし、足から引き抜くと…
残った靴下も脱いで、相模の前でマキは裸をさらし、恥かしさに耐えられず目を閉じた。
<ううう~っ! 下着を脱ぐ前からMAX勃起してたペニスが恥ずかしい!! ヌルヌルに濡れてるし――っ!!>
「マキ… ネックガードは外してはくれないのか?」
「え?!」
パッ… と目を見開き、視線を上げると… 緊張した様子の相模と目が合う。
「エイジさん… それは…」
<“童貞を捨てる” そこまでしか考えていなかった… でも… ええええ――?!>
「君は、私を番 にしたくはないのか?」
鋭い視線に圧を掛け相模はマキにたずねた。
「僕がエイジさんの… 番ですか?」
<だって僕とエイジさんでは、立場があまりにも違い過ぎるし…>
社会人になり相模の会社に入ると、“相模エイジ” がどんな人物かを嫌と言うほど思い知り… マキは昔の自分がどれだけ怖いもの知らずだったのかと、今は自分の態度を反省するばかりだ。
家柄も、能力も、社会的地位も、何もかも… 大人になり現実的になったマキは、“相模エイジ” は雲の上の人なのだと知っている。
「嫌か?」
「僕をエイジさんの愛人にするのですか?」
「・・っ!!!」
相模は黙りこみ、静かに瞳を閉じて… フゥ―――ッ… フゥ―――ッ… と、深呼吸を始めた。
カッ… と、相模が瞳を開いたとたん… マキの目に相模が激怒する姿がうつる。
「あ… あの、エイジさん…? 違ったらすみません? ええっとぉ~ 恋人ですか? それとも一夜限り?! セックスフレンド?!」
「・・っ!!」
温和な相模にしては珍しく、眼をむきマキをにらみつけると、オメガをねじ伏せるような、濃厚なアルファのフェロモンを放つ。
「エイジさん?!」
「・・・・・・」
有無を言わさず相模は、マキのネックガードに手をのばし… 小さな金具を引き千切るように外すと、憎々し気にベッドの下へ放り投げた。
「あの… エイジさん?」
「覚悟しろよ、マキ! 今度は絶対に、逃がさないからな!」
自分の服を乱暴に脱ぎ捨て、相模は瞳をギラギラ光らせながら、おしげもなく美しく鍛 えられた裸体をさらす。
涎 を垂らしそうな顔でたくましい裸体をながめていたマキは、普段はネックガードで隠れた敏感な首筋を… 瞳を獣のようにギラつかせた相模に、痛みを感じる一歩手前の強さでいきなり噛まれ、ビクッ… ビクッ… と腰を跳 ねさせた。
「ああっ! エイジさん! んん…っ?!」
大きな手でうなじを揉まれ、ビリビリと電気が走るような刺激が、背筋を通りお尻の奥がジンジンと疼 く。
「先に私のものにしてから、誤解は解いてやる!! これ以上は耐えられない!」
「ええ? 誤…解… ああっ…!」
唇を塞がれ乳首をキュッとつままれる。
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