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第28話 エイジの願いと長い指。2

 ハァッ… ハァッ… と射精した衝撃で荒い息をはくマキを、コロリと転がしうつ伏せにした。  腰を持ち上げ相模はマキの膝を立てさせて足を開き、獣の交尾姿勢を取らせる。 「ああっ…! んんっ…? 待… 待って… エイジさん! まだ… んんっ?!」  ふう――っ… ふう――っ… と息を整えようと、マキがゆっくり深呼吸をしている最中に、背後から蜜壺(みつつぼ)をクチュッ… クチュ… と淫密(いんみつ)で濡れた音を立てながら、再び指で開かれ、熱くて硬い何かをピタリと押し当てられた。  ググッ… と圧をかけてマキの中に、硬いそれが… ズブズブともぐり込んで来る。 「エ… エイジさん? ああっ! ふっうううう… んっ… 苦しいっ…!!」 <あ、これ… エイジさんのペニス…? さっき見た時、すごく大きくてビックリした… あのペニス?!>  マキと相模の体格差もあるが、アルファの特徴も加わった、とんでもない長さと太さを兼ね備えた性器をチラリと見た時は…   本当に自分と同じ人間のものなのか? とマキは自分の目を疑った。 「このまま力を抜いてマキ… 今みたいに、ゆっくり呼吸をするんだ!」  相模がマキのお尻をギュッとつかみ、耳元で苦しそうに命令する。 「んんん――――っ…」 <ああああ、こんなに大きなペニス… 本当に入るの?! で… でもエイジさん何故かさっきまで怒っていたし… 僕にペニスが入れられないと、また機嫌が悪くなるかも?! どうしよう、すごく怖いよぉ――っ!!>  白いシーツに頬を押し付け、苦痛のうめき声をもらしながら、マキは本気で怯えていた。 <あああ、痛いっ!! 苦しい!! 全部なんて、絶対入らないよ! 無理だよ! 嫌だ! 怖い… 怖い…!!>  痛みと恐怖で涙がにじみ、シーツをギュッとにぎりしめた手がぶるぶると震えだし…  マキの怯えに気付いた相模は、耳元で囁いた。 「愛してる、マキ!」 「・・・っ!?」  普通なら愛の告白を受け、心がとろけてしまうところだが、この状況では… カッ… と腹を立てて、マキは一瞬で怯えも痛みも頭から吹き飛んだ。 「愛してる!」  もう一度囁き、相模は耳にキスを落とす。 「こ… こんな時に… 言うなんてっ…!」  涙声でマキは、文句を垂らした。 「君はアルファの執着を、甘く見ている、自分が手に入れたは、けして簡単に手放したりしないし、独占したいのさ! マキを愛しているに決まっているし、言って何が悪い?」  敏感なマキの首まわりを、味わうように… チュッ… チュクッ… と相模は順番に甘噛みを加えながら、キスを落としてゆく。 「ええ?! 僕は… 僕は… 何時からエイジさんのだったのですか?!」  嫌味を込めてマキがたずねるが、恐怖と痛みを味わった後では、余計(とが)った口調になる。 「残念だけど… 私のものになる前に、ギリギリで君は私から逃げ出した…」 「・・・っ」  ハッと息を呑み、マキが放った嫌味に対する、相模の意外な答えに、言葉を失った。 「だから再び君から連絡が来るのを待った! 私から君に干渉しないと、バカな約束をしたから… でも、君からは2度と連絡は来なかった…」  身体と首をひねって、無理やり見上げるマキに、相模は自分を嘲笑していた。 「あの時… 僕は子供過ぎたから、すぐに不安になって…! でも…」  相模と連絡を絶ってから、何度も、何度も、後悔したマキは、もう1度関係を修復したいと思っても…  自分が放った暴言の数々に、自分自身がたじろぎ、再び相模に連絡を取る勇気が出なかったのだ。

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