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第42話 その後。ーENDー

 ――――――5ヶ月後。  本家主催で行われたマキとエイジの結婚披露パーティーで… マキは図々しくあらわれたカズヤを見つけ、夫に宣言した通り問答無用で金蹴(きんけ)りをかました。  ギャッ!! とさけび声を上げて、青い顔で(うな)りながら股間をおさえるカズヤ。 「このバカ息子、さっさと親のすねかじりは止めて、自立しろ!!」  トドメを刺す為に股間をおさえたカズヤの手の上に、マキは再度、蹴りを入れた。  ギャッ!! 「2回僕を襲ったから、2回やるに決まっているだろう?! やられたら、やり返さないとね!!」  満足そうに、良い仕事をしたと、微笑むマキの隣で… 相模は口を押さえブルブルと震えながら、下品に大爆笑しないよう我慢するのに苦労した。 「おやおやエイジ、私はどうやらお前に面倒な苦労をさせたようだね?」  その様子を見ていた、相模家当主が… 「その通りです兄さん、お願いですから身内だからと、私に押し付けるのは止めてください」  何とか笑いを引っ込めて、礼儀正しく兄と話す。 「それにしても元気が良いオメガだね? エイジの奥さんは」  弟嫁を面白そうに見つめる兄。 「マキは頼りになるんですよ、なんせ社会経験を積んでいますから、カズヤなどより何倍も有能です」  さりげなく惚気(のろけ)と嫁自慢をする弟に、当主の兄は、おやおや珍しいと笑った。 「ああ… こら、こら、マキ! あんまり暴れると… 腹の中で子供が驚いて引っくり返るぞ?」  妻の肩を抱き寄せて、外国暮らしが長かった夫は、人の目があっても当然のように妻の頬と唇にキスをした。 「それもそうだねエイジさん… ゴメンね、赤ちゃん!!」  愛情深い夫のキスを、妻は何の躊躇(ちゅうちょ)も無く受け入れる。  マキは愛し気に(ふく)らんで丸くなった自分の腹に、夫の大きな手を添えて、一緒になでた。  予想通り、最初の発情期でマキは妊娠していた。  マキとエイジの子は…  赤ん坊ながら父親によく似て、切れ長の目をした、とてもハンサムな男の子だった。  - E N D - ここまで読んで下さり、ありがとうございます! ちなみに… 「アルファ初恋に~(相模氏、友情出演してます)」のセンリとヒロキが働いていた会社は、このお話のマキが就職した相模の会社と同じです。 時系列的にこちらのお話の方が、先になります。 またどこかで、お会いできれば幸いです☆彡

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