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第2話

 *****  帝光中学バスケ部のOB会で再会したのをきっかけにして、いわゆる恋愛的な“お付き合い“なるものを始めた赤司と黒子が、交際五年目という節目に・・・これから先はパートナーとしてともに人生を歩んでいくことを決め。  ・・・が諸事情もあって、赤司の実家にて彼の父であるグループ会長・征臣も含めた三人暮らしを始める際・・・新しい家族が増えたその記念にと、征十郎の母、故・詩織との思い出が詰まった庭の一角に・・・。 この度めでたく生涯の伴侶と相なった黒子テツヤを、改めて彼女に紹介・報告したついでに、ソメイヨシノの苗木を二人で植えて。  そして。 その新しい門出の日からやがて三年余りの月日が経つころには・・・。 出入りの庭師による丹念な手入れの甲斐もあって、すくすく育った若木が初めて一つ二つと蕾を付けた早春の頃だった――・・・が。  ではいったいぜんたい、いかような苦難が順風満帆だったはずの彼らを襲い、挙句、稼業として選んだ作家としても、その真摯な仕事ぶりや才気にあふれた筆致でもって、世間に広く知られるようになっていた黒子を、失踪へと駆り立てたのかといえばそれは・・・・・・。

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