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世界観説明 ベータ

ベータ性として、生まれてきた殆の者は能力も頭脳も運動も顔立ちも秀でたものを持たずに産まれてくる。そして、人類で一番多いのはこのベータ性だ。アルファのようにオメガ性のフェロモンに当てられなければ種を作る事ができないわけでも、オメガ性のように三ヶ月に一度の発情期があるわけでもない。何も持たずに生まれてくる代わりに、常時、生殖活動をする事が出来た。 いくらでもベータは子供孕み、産み、育てる事が可能だった。逆に言えば、それ以外に特出したものは何も無い。もし、オメガとベータが生殖活動して、子供を孕んだのなら、ベータの遺伝子はオメガの遺伝子に塗り替えられ、孕んだ子供は高確率でオメガ性を持って産まれてくる。それだけ、ベータは遺伝子的にも、能力的にも劣弱だった。 それでも、唯一の強みである時期を問わない生殖活動を通じ、数を増やしていった。 だが、数を増やす事しか出来ないベータは手厚く保護されてきたオメガ性とは違い、アルファ性が仕切る世界で冷遇されてきたという歴史があり、どの国においても、アルファやオメガ性とベータ性の居住区は分けられているのが普通で、その待遇も、国ごとに大小の差があれど、あまり恵まれているとは言えない。

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