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03

 頷いた藤崎はゆっくりと背中を向け、四つん這いになる。腕だけで引っかかっていたシャツを抜き取られ、藤崎は生まれたままの姿になった。そのまま恥ずかしくて躊躇していると、腰を掴み上げられた。 「や、やっぱり、これは恥ずかしいっ」 「俺だって死ぬほど恥ずかしいよ。初めてだし、緊張して心臓破裂しそう……」  そう言いながらも真宮は臀部にチュとキスをして、なだめるように背中をゆっくりと撫でていく。キレイな肌をしてるね、と声が聞こえ、その手がスルスルと脇腹から藤崎のペニスへとかかった。 「ふ、ああっ! 真宮く……あ、あんっ、あんまり、強く、しないで……あっあっ」  すっかり勃起しているそれを手の中で何度も擦られると、トロリとしたものがあふれ出してくる。それを潤滑剤に真宮はクチュクチュと音をたててさらに扱く。そのまま震える藤崎の窄まりに舌を伸ばしてくる。ぬめる感触にゾクゾクと肌が一気に粟立った。 「なっ! 舐めないでよっ。それは、やっ」 「いや? でもここ使うには、このままじゃ……痛くない? そのくらいは知ってるよ。それともケーキのクリーム塗る?」  抵抗を試みた藤崎は逃げ腰で暴れるが、潤滑剤にクリームを、と言われ、それを想像して顔から火が出そうになった。しかもしっかりと急所も握られ、巧みに動く彼の手にくにゃんと体の力が抜けてしまう。 「これ、気持ちいい? すごい、自分以外のこんなとこ、触ったの初めてだ。なんか、興奮する。藤崎さんのだからかな?」 「あっ、あうっ……ううっ、恥ずかしい……ああっ! あんっ」  真宮の舌がゆっくりと蕾の皺を拡げるように舐めてきた。秘部を暴かれている背徳感に藤崎は体を震わせる。舌先でその中央を突かれ、開けといわんばかりに刺激された。舐め回され吸い付かれ、ちゅぶちゅぶといやらしい音が部屋に響く。その度に羞恥と期待とが入り交じり、体はもっともっとと強い快感が欲しいと疼きを増した。 「もう、指、入るかな……」  真宮が呟き、自分の唾液で濡らした指をゆっくりと挿入してくる。 「んっ……んん、あっ、はんっ、ひっ、いた……」 「い、痛い? どうしよう、やめる?」 「い、やめないで、いい、から。す、少し……ん、いいから、も、ああ……」  痛いと思うのに、その先をもっと触って欲しいもどかしさに焦れてくる。真宮は丁寧に丁寧に、藤崎の中を探るように指を侵入させる。熱いね、と根元まで埋め込んでしまった彼がそう囁き、粘膜を探る彼の指が気持ちのいいポイントに触れる度に、押さえきれない声が洩れた。 「んあっ……! やっ、だも……ふぁっ!」 「この辺、いいのかな? 藤崎さんの声、変わるところ……」

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