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接触 —恋人—

 そうだ、こいつは最初からグレイの共犯だったじゃないか。 「そんな顔で見るなよ、悪いことしてる気分だ」  悪いことしてんだろおおおがああああ!!  追加でローションが垂れてきたかと思ったら、ずぷんと……俺の中に深く、グレイの性器が打ち込まれた。 「あ゛ぁぁぁっ……! ――ッ!」  足を広げられたまま、押し出されるような射精感。ズンッズンッと奥を突かれる度に、溢れ出すように、触られてもいない俺の息子が精子を放っている。  最悪だ……入れられただけでイくなんて。  越えちゃいけない壁を越えてしまったようで、惨めで、情けなくて、泣きたくなった。  全部出たと思って、恐る恐る目を開けると……俺の股の間にはジェイスの顔が。  その、顔にたくさんついてる白濁した液体は……もしかして、いや、もしかしなくても俺の……。  ジェイスはその液体を指でぬぐって、わざとらしく指を舐った。 「たくさん出たな」  が、がっ……顔射っ!!!!!!!  自分の股間がピクンと反応した気がした。最悪だ! 男に顔射して息子が反応するなんて!  グレイの顔面のインパクトに薄れていたけど、ジェイスだって鼻筋の通った彫りの深いイケメンだ。  その額や頬、綺麗な金髪に俺の出した体液が絡みついていて……! 「洸也、僕に集中して」  ずぐんっと奥まで突かれて、足を抱えられたまま体が揺すられて……! 「や゛ぁぁっ……! あ゛ぁぁぁっ!」  強烈な快感に足が痙攣する……! グレイの性器が抜き差しされるところを、ジェイスが間近で見ていて……見るなよ! 見るなあああっ! 『はぁっ……疲れた、ジェイス』 「Yes sir…」  俺の足はようやく下に置かれたのだが、股の間にジェイスが居るせいで閉じれない。  ジェイスが服で簡単に顔を拭ったかと思ったら、グレイが下ろした俺の足を、今度はジェイスが持ち上げて肩に担いできて……!  より接合部を近くで見られて、恥ずかしさで脳みそが沸騰したように頭の中が真っ白だ!  ジェイスがその接合部を指で撫でて……っ、カリカリと尻のひだを爪で刺激して! 「ヒィッっ!? やぁぁッ……!」 「しっかり奥まで入ってて、気持ち良さそうだな」 「――っくない! 気持ちっ、よくっ、な゛っ!」  大きく引かれたグレイの性器が、乱暴に俺の中を再度抉った。 「そう……気持ちよくないの」  その声は低く、ゾクゾクッと背筋に寒気が走った。ヤバイ……怒らせた……! 「ジェイス、イかせないで」 「Yes sir♡」  ジェイスの皮肉めいた返事は、さっきとは打って変わって嬉しそうになっていて……!  俺の足を肩から下ろして、ジェイスは子供でも抱えるように、俺の脇を掴んで抱き起こした。 「あ――ッッ!」  勢いよくズルンと抜けた性器に、体が勝手にビクビクと跳ねる。  ジェイスが俺の脇腹あたりにタックルするように抱きついてきて、バランスを崩してジェイスの背中にしがみついた。  それはグレイに向かって尻を突き出す事になっていて……! 腰を掴まれたかと思ったら、ズグンと奥まで……っ! 「――ッッ!!!」  グポン、グポン、グポンッ 「や゛っ! あ゛っ! ぁぁぁああああっ!」  激しいっ……! 出る! 内臓が尻から出るッッ!!!!  俺の下に入り込んだジェイスは、弄ぶように俺の性器の先っぽを指で刺激してくる。  それでも気持ちよさより、激しく犯されている苦しさで生理的に涙が溢れた。自分の体なのに自由がない、俺はされるがままに、犯されることを受け入れなきゃならないんだ……。  心が折れた気がした、いっそ受け入れた方が楽になるんじゃないだろうか。 「ゔっ、あ゛っ……やっ……やさしくッ、して!」  体に力を入れることも出来なくて、ジェイスの背中に体を預けて、ぐったりとしたまま鼻をすすった。 「……気持ちよくして欲しい?」 「ん……う、気持ちよくしてほし……」  半べそかきながらぐずぐずしていると、グレイが俺に覆い被さるように後ろから抱きしめてきた。  そのまま体を抱き起こされて、顎を無理やりグレイの方に向けられると、角度的にうまく触れ合えないキスをした。 「んっ……♡」  急に優しくされたのが嬉しくて、自分でも驚くほど甘い声が出た。 「ジェイス、洸也の足持って」 「はぁー……、俺もヤりてぇんだけどなぁ」  肩につくくらいの長い髪をかき上げながら、ため息をつくジェイスにドキッとした。グレイだけでもいっぱいいっぱいなのに! 二人相手とか無理!  グレイに言われるがまま、ジェイスが俺の両足を持ち上げると、また接合部を眼前に晒すことになる。 「うっ……やぁっ!」 「ジェイスも洸也とセックスしたいの?」 「こんなの目の前で見せられたらな」  二人は俺抜きで会話しているのに、二人して俺に迫ってくるから、まるで口説かれてるみたいな状況に、過呼吸になりそうだ。 『このビ○チ!』 『褒め言葉だな』  えぇっ、男に対してビ○チって使うの!? グレイがジェイスに対して言ったその汚い言葉にビックリした。 『洸也のでも舐めてろよ』 『はいはい、了解マスター』  とすんとグレイの膝の上に乗せられたけど、足はジェイスに開かれたままで、ぐりぐりと奥に入ってくるようにグレイの性器が中で動いた。 「ンふううぅっ……!」 「洸也、気持ちよくしてあげるよ」  手が空いたグレイが、今度は俺の乳首を両手でこね回してきて……! つままれながら首筋を舐められたら、腰が勝手にビクビクと跳ねた。 「あぁっ、グレイ……!」 「気持ちいい?」 「きもち……ッ、あ゛ぁっ!?」  グレイが動き始めて、下から突き上げられる快感に震えていると、俺の性器が温かいぬめるものに包まれて……! 「あっ、ジェイス……っ!?」  俺の足を抱えたまま、ジェイスが俺のを咥えてッッ!!!! 前から後ろから責められて、頭の中が快感で侵食されていく……! 「あぁぁぁっ、ぁぁんっ! イく! イくっ!」  自分の口元がだらしなくよだれをたらして、されるがままの快感に酔った。もうイきたい、気持ちいい……! 尻もち◯ぽも気持ちいいいい!  絶頂に達そうと気持ちを昂らせていたら、ジェイスは俺の足を肩に担いだ。頭を上下に振っていやらしい音を立てながら、俺の性器にしゃぶりついてユサユサと揺らしてくる。 「ひああっ! あぁぁぁっ! イくッ!」  両手で性器が突き刺さってる尻を揉まれて、指でグリグリと尻穴をいじられて……!  死ぬっ……! 快感で死ぬっ!!! 「――ッッ!!!!」  もう出る! 出る! ジェイスの口の中にッ……!  射精して楽になろうと思った瞬間、くぱっと尻穴が広げられて、まるで蓋をされたように射精出来なくなった。 「ッッ!!!??? ヤッ、イきた……ッッ!」  射精したくて、必死で尻穴を窄めようとするのに、ジェイスに広げられたまま俺の穴が閉じない!  お腹だけがベコッベコッと虚しくへこむのに、強烈な敗北感を感じた。 「やだぁぁっ! イきたい! イきたいいいい!」  俺がイきたくて泣いているのも構わず、グレイは開かれた尻穴をズポズポと突いてくる。  ぐちゃ、にゅぼっ、ちゅぼっ、ブプッ……と、空気が混じってひどく下品な音が部屋に響く。 「あ゛ぁぁぁっ……ごめんなさい! ごめんなさいっ! 言うこと聞くからぁぁっ!」 「洸也、きみは最高だよ!」  ひどく興奮したグレイが、速度を上げて俺を突き上げてくる。 「死ぬッ……死んじゃう! イかせて! おかしくなるからッッ!」 「洸也、僕の恋人になって……ここにいる間だけでいいから」 「ッッ! なる……っ! なるから!」  俺の腰を掴むグレイの腕をギュッと握った。握った腕はそのまま前に伸びてきて、俺の体を強く抱きしめた。 「イッていいよ」  グレイからの許可が出て、ジェイスが広げていた指を弛めた。 「あぁっ! あぁっ!! イっぐううう!」  ギュッと中にいるグレイの性器を締め上げて、ジェイスの口内に射精した。  ああああっ……気持ちいいっ! 出るの止まんない……ッ! 「んうううううっ!」  グレイに突き上げられて、中に残ってる精液も全て出し尽くした。 「いけない、僕も出そう」  苦しそうなグレイの声が後ろから聞こえてきて、その声の切なさに可愛いなんて思ってしまった。  中出しされる! グレイに種付けされちゃうっ……! ゾワッと期待のような高揚感が湧き上がって、キュウッとお腹の奥が締まるような気がした。 「あぁ……洸也っ!」 「ふぁっ!?」  ぬるんっと、俺の中からグレイが出ていって、抜かれた性器の先端を、そのままジェイスが口に咥えた。  俺の肌に接触している熱い性器が、ドクンッドクンッと脈打って、ジェイスの口内に精液が注がれているのがわかる。 「ふぁー……洸也、最高だったよ」  後ろにペタンと手をつけながら、グレイが今にも寝っ転がりそうな勢いでくつろいでいる。  前を見れば、ジェイスがこれ見よがしにグレイの精液を飲み込むところだった。ごくんと喉を鳴らして、舌なめずりして……! 「二人分、ごちそうさまだな」  お、俺のも飲んだの!??? カァァッと顔が一気に火照るのが自分でもわかった。 「グレイ、コーヤは中に欲しそうだったぞ」 「はっ!!?」  ニヤニヤしながら、ジェイスがグレイにとんでもない報告を上げた。思ってないっ! ちょっと気分がノっちゃっただけだし!!! 「洸也、ダメだよ! お腹壊しちゃうから」  後ろからギュッと抱きしめてきて、上目遣いで俺のことを見上げてくる。顔面が良いっ……!  無理矢理だったのに、俺の体調気にしてくれたりするんだな……なんて少し感動してしまった。 「お腹壊したらセックスできないよ」  俺の感動、返してくれないかな。  呆れるような、力が抜けるようなグレイの言動に脱力して、そのまま後ろにに背中を預けた。  ヤバイ……めちゃくちゃ眠い……! このまま寝たい。 「眠い? 良いよ、おやすみ洸也」  優しくグレイに頭を撫でられて、心地よさで意識が遠のいていく。 『俺のコイツはどうしたら良いんだよ』  不満そうな口調のジェイスの声が遠くで聞こえる。 『後悔させてやるって言っただろ、ほら、尻出せよ』  少し楽しそうなグレイの声も聞こえたが、俺の意識はそこでプッツリと途絶えた。

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