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賭け —参戦—
「あっ……なんで、出してって」
言ったのに……なんて言おうとして、我に返って顔をおおった。
俺えええええ! 何言ってんだあああああっ!!!
「ダメだよ洸也……そんな誘い方されたら本気にしちゃうよ」
思いとどまってくれてありがとう……煽ってごめん。俺だって男だからわかる、出していいって言われたら出したいに決まってる! お前は若いのになんて自制心があるんだ……!
「見て、洸也と僕のが混ざったよ……はぁ、これで赤ちゃんできたらいいのにね」
そんな事を言いながら、なんの未練もなさそうにタオルで俺の腹を拭っていく。
「……お前子供欲しいの?」
それなら俺なんかじゃなくて、ちゃんと女の子と恋愛しろよ……。さっきまでノリノリで女役を楽しんでたが、俺は男だから……こればかりはどうしようもない。なんか胸がチクチクする気がする。
「まさか! 僕、子供は大嫌いだよ」
だろーな!!! お前そういうタイプだよ!
「でも、洸也となら欲しいよ……きっとすごく愛しい」
チュッと唇にキスされて、頭をヨシヨシと撫でられた。
「洸也、最高に気持ちよかったよ……ありがとう」
「おっ、おー……」
「洸也は?」
「……」
いやいやいや、そういうスイッチ入ってない時に言えねぇよ……! 日本人はお前らとは違うから!!
「……良くなかった? 洸也はジェイスの方がいい?」
「――っ! 気持ち良かった! 言わせんな恥ずかしい!」
「嬉しい……!」
また裏表のない笑顔をニコッと向けられて、すっかりグレイに絆されてる自分に頭を抱える。
元々どうせヤられるなら痛くない方がいいって、そんな打算的な考え方だったはずなのに! なんで楽しんでるんだ俺ぇっ!
「僕ね、洸也の黒い髪と黒い瞳が大好きなんだ」
「ん……?」
「その瞳に僕が映ってて、気持ち良さそうに涙が溜まってると、すっごく興奮しちゃうよ」
「――っ!!」
「シャワーと汗で髪が濡れてるのも、すごくセクシー……もっと洸也を愛したい」
そんなセリフをよくもまぁポンポンと!!! 日本語でこれなんだから、英語で口説いてる時、一体何を言ってるんだ!?
「洸也、僕もう一回したいよ……いい?」
「えっ……!?」
グレイの股間を見れば、既に臨戦態勢だ。
うそだろ!? 若さか!? 若さ故のその元気さか!? 俺はまだ全然ダメだぞ!!!?
コンコンッ
ノック音がして、ジェイスが部屋に入ってきた。
「たのむ次は混ぜてくれ! ずっと外で待ってたんだぞ!?」
その出立ちは裸に、ギンギンのブツがそそり立っていて……それを自分で扱きながら部屋に入ってくる!!!!
「コーヤの声が色っぽくて、もう我慢できない」
のしっ……と重量級の男が乗ったのにふさわしく、ベッドの片方が沈み込む。
「いやいやいや、無理だから!」
「……洸也は働きすぎて精力が落ちてるんじゃない?」
「お前、結構ストレートに抉ってくるよな」
グレイの心底同情するような表情に、こっちは心底腹が立つ!
「俺の事は放っておいてくれ! お二人でどーぞ!」
ジトッと二人を睨め付けながら、寝返りを打って枕から体を外した。
別に俺は二人がセックスしてようと、ヤキモチとか妬かないからな……好きにすればいい。
「ジェイス、これは拗ねているのか?」
「あぁ、マスター……これは拗ねてるんだぜ!」
「はっ!? 違うっ……!」
ガバッと二人が襲いかかってきて、俺はまたズルズルとベッドの中央まで二人に抱えられていく。
「大丈夫、洸也は入れられるだけだから、勃たなくても問題ないよ」
「そういう問題じゃなっ……うっ!?」
俺の頭を膝に乗せたグレイが、クリクリと乳首を弄ってくる! 俺の耳の横には熱気をムンムン放つトーテムポールが!! 近いいいいっ!!!!
「……舐めてもいいよ?」
「やるかっ!」
誰が男のち◯ぽなんぞ舐めるか! それだけは絶対にやらないからな!
「洸也は興奮すると急にスケベになるから、すごく楽しいよ」
「どっちがコーヤをスケベにするか賭けるか?」
「させた方が洸也とセックスするって事だね!?」
「俺を賭けるなああああっ!」
こいつらにとってセックスって、遊びの一環なのか!? 特にグレイ!! さっきはジェイスにあんなに怒ってたのに、俺の事平気で賭けちゃうお前の頭の中はどうなってるんだ!!
「さぁ、洸也僕とキスしよう? 洸也はキスが好きだよね?」
上からチュッとキスしてくるグレイに、正直何も言い返せない。確かに……好きだけど!!
上下が逆になったキスはなかなか上手く合わさらない、どうしても不器用なキスになって、なんかおかしくて可愛くなってくる。
何やってんだよ、あんなに無理やり俺の事犯してたのに、可愛いことすんなよ。思わずニヤッと口の端が上がると、俺の乳首に手が伸びてきて、キュッと摘んで!
「んっ! ふっ、ぁ……グレイッまっ、てぇっ!」
俺、乳首で感じたことなんてないのに……! グレイに触られると体がビクビク跳ねる!
「コーヤは俺が舐めるのも好きだろ?」
「んんんっ!??」
グレイとキスしてる最中に、足の付け根をレロッと舐められて! 足がビクビクっと震えて、ギュッと太ももでジェイスの頭を挟んだ。
「おっ! 役得ぅ♡」
金髪金眼のくせに! お前の日本語の語彙力なんなんだよ!!!
「咥えて欲しいか? 舐めて欲しいか? それともこっちか?」
お尻を引っ張って尻穴を広げられて……! 思わず体がヒクッと反応する。ジェイス、お前直接的過ぎないか!? 必死なのか!? そんなに俺の事抱きた……っ!?
そこまで考えて、うわーっとなった! さっきセックス一歩手前までやっておいて、だ。いや、一歩手前じゃないな……先っぽは入ってた。
ジェイスにレロっと性器を舐められたら、既に自分のがゆるく勃ち上がりつつある事に気付いた。
ああああっ、俺の体淫乱すぎるっ……!
さわさわと、焦らすように尻穴の周りを撫でられて、足が震えるのが止まらない!
「ジェイス……ズルくないか?」
「俺、お預けされてるんだぜ!?」
「それなら僕も……」
こ、今度は何っ!? グレイの顔が降りてきて、また普通にチュッとしてきた。キスするだけ? と呆けてると、ニヤッと笑ったグレイの顔は悪い顔だった。
「洸也……すごくすごく、愛してるよ」
「へっ!?」
「また洸也の中に入りたい、僕を天国に連れて行って」
「なっ……あっ!?」
「僕と愛し合おうよ、また体の一番奥でキスしよう?」
ゾワワっと震えた。思い出してしまう……! グレイに一番奥を突かれて、何も考えられなくなるくらい気持ち良かった記憶を……!
なのに今度は下から、尻穴を指がちゅぽちゅぽ出入りして……っ!
「コーヤ、オレに入れてっておねだりしてただろう? オレと気持ちいいことするよな?」
おねだりしたのは指だバカヤロウ! 誤解されるようなこと言うんじゃねええええっ!
こっちにはお構いなしで指がぬぶっと入ってきて、流石に背中がのけぞった。
「んんんんっ……!」
なんで俺……男二人に嬲られてっ……! 賭けの対象にされてんのに……っ!
グレイの指先がくりくりと乳首を刺激して、ピンピンッと弾いてくる……! その度に腰がカクカクと揺れて、尻穴の指もジェイスの口内に包まれた俺の性器も、じゅぶじゅぶって音がして……!
「あぁぁぁっ! ヤダァっ! も……これ以上はっ!」
はぁ、はぁっ! と快感で涙が溢れると、目の前のグレイはすごく優しい顔で笑った。
「洸也……答えはYESだけだよ、僕とセックスしよう?」
「はっ、……ひっっ! いっ、イエスっ」
「YESッ!」
心底嬉しそうなグレイのガッツポーズ……子供かっ! 一方俺の股間を一生懸命攻めた方は、がっくり肩を落としている。
「オレはどう攻めればコーヤが選んでくれたんだ?」
「……ぁっ、明日の朝ごはん……ご飯と味噌汁と鮭にしてくれたら」
「飯かよっ!」
ジェイス……お前は分かっていないな。お前が攻めるべきは胃袋だ。
「えっ、僕ミソソープに負けちゃうの!?」
意外とショックを受けているグレイが可愛くて、思わず笑ってしまった。
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