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賭け —与える―
グレイは俺の部屋ではなく、浴室の隣に設置された部屋に入った。確かここはジェイスの部屋でもない、使われてないはずの部屋だ。
中はバカみたいにデカいベッドがただ一つだけ……もしかして、ヤり部屋か!!?
グイグイと手を引っ張られて、ベッドへ一歩近づく度に心臓が跳ねた気がした。
ベッドの側までくると、グレイは俺の肩を掴んでベッドに押し倒した。
「僕とセックスする為に準備したんだよね? すごく愛しいよ!」
「うっ……それは」
そうあけすけに言われると……!
「もっとベッドの真ん中にいってごらん、ここじゃ落ちちゃうよ」
グレイに促されるまま後ろに下がった、あぁ、俺なんで言うこと聞いちゃってるんだろ……。
俺が移動している間に、グレイは待ちきれないとでも言いそうな具合に服を脱いでいく。
ひとつ脱ぐ度に、甘い顔に似つかわしくない逞しい体が現れて、今からこの体に抱かれるのかと……そう思ったら、心臓が壊れそうなほどバクバクした。
「これが今から洸也の中に入るよ、触って」
手をグレイの性器に持っていかれて、熱く脈打つそれに触れた。デ……デカい……改めて手で触ってもデカい! これが本当に俺の中に入るのか!?
いや、入ってた……二回も入ったんだから、三回目も入るに決まってる。
「ジェイスに入れてもらえなかったから欲しいでしょ? 足開いて」
人を淫乱みたいにっ……! しかし、グレイが止めなかったら、確実にジェイスとヤッてたっていう罪悪感はある。
後ろめたさからグレイに言われるがまま足を開くと、腰に枕を突っ込まれて尻の位置が高くなった。
グレイに抱かれる準備が着々と整っていくのに、心臓がずっとドキドキしっぱなしだ。
「中、確認するよ?」
「あっ……グレイ」
ローションが足されて、グレイの指が二本同時に入ってきた。上側を指で撫でられると、さっきまで感じていた快感が熱を取り戻すようだった。
「あぁっ!」
「うん、すごく柔らかいね、気持ちいい?」
「気持ちいいっ……!」
ぬぷっと指が抜かれて、グレイが俺に覆い被さってきた。
あぁ、俺今からグレイに抱かれるのか。
「洸也のここ、僕を欲しがってるみたいだよ……すごく嬉しいよ! たくさん愛してあげるね」
「――っ!」
額に、左右の頬にキスをされて、最後に口にキスされたかと思ったら、グレイの性器が俺の中に入ってきた。
「んっ――! んんんっ!」
太くて熱いのが俺の中をいっぱいにしていく! グレイのを誘い込むように、グッと力を入れたら、ぬるんっと一番奥まで入ってきた。
「んうぅっ! 入ってる!」
「洸也……今、すごく上手だった! あぁ、気持ちいい、天国みたいだよ」
これ以上は入らないというのに、グレイは更に腰を進めて、もっと入りたいとでもいうように奥にぐりぐりと押し付けてくる。
「ふうっ!? グレイっ……も、入らないっ!」
「入るよ、慣れてきたらこの先にも入れようね」
この先っ!? ゾワワっと背中に快感が走った。俺、グレイの手でこれから開発されていくのか……!? あぁ、どうしよう男に戻れなくなる……!
グレイの性器が前後して、俺の中を擦っていく感覚に体が震えた。腰を掴まれてスイングされると、宙に浮いた俺の足はされるがままにゆさゆさと揺れた。
「んっ……ふぅ!」
思わず指を噛んだら、グレイに取り上げられた。ベッドに手首を押し付けられて、ゾクゾクして自分が興奮しているのが分かった。
「ジェイスの前ではすごくセクシーだったのに、僕には聞かせてくれないの?」
「あっ……! 恥ずかしっ……!」
聞かれていたのが、本当に恥ずかしい……! ジェイスとはちょっと気分が盛り上がっちゃっただけだから!
「僕よりジェイスの方が好き?」
「ちが……ぅっ!」
「ジェイスより、僕の方が洸也を愛してるよ」
「アッ! あぁっ! 激しっ!」
パンッパンッと叩きつけられる音がして、体全体を揺すられる。優しくするって……言ったのに!
「グレ……イっ! もっと、ゆっくりッ! あっ! あ゛ぁぁっ!」
ゴリッと前立腺を潰されて、背中がのけぞった。そこは……ダメだ!!
「あ゛ぁぁんっんんっ! ダメっ、ダメっ! そこっ……!」
「ジェイスには気持ちいいって言ってたでしょ」
どこから聞いてたんだお前はっ……! そうは思ったけど、さっきからジェイスに嫉妬しているようなグレイは少し可愛い。
「んっ……気持ちいいからっ……!」
グレイの腰を掴んで動きを止めようとしたが、グレイは興奮した様子で余計に腰を打ちつけてきた。
「あっ! まって……! グレイッ……話したッイッ!」
「僕の方が洸也のこと大好きなのに!」
両手でバンッとベッドを殴りつけたグレイにギョッとした、ポロポロ泣き出して、まるで感情が抑えられない子供みたいだった。
思わず両手で抱きしめて、その頭を撫でた。そんなに激しい感情を持っていたのに、さっきはジェイスを殴らなかったんだな。
俺がダメだって言ったから、それを守ろうとしたって事だよな?
「落ち着けよグレイ……俺の恋人は誰なんだ? お前だろ? ジェイスの話ばっかりするなよ」
「こー……や?」
それは仮にも今だけは恋人関係にあるグレイに、後ろめたさがあったからかもしれない。
グレイの顔を両手で掴んで引き寄せるようにキスすると、よしって言われた犬みたいに、嬉しそうにむしゃぶりついてくる。
「洸也がキスしてくれた……! 嬉しい!」
その高い鼻をぐりぐりと俺に押し付けてきて、胸の奥がキューンと締め付けられる気がした。
「お前、そんなに俺の事好きなのか?」
「I love you…洸也、君をすごく愛してる」
あっ、おう……生アイラブユーだ! 流石にそれは俺でもわかるぞ。
「僕には君がとても必要なんだ! あぁ、日本語で表現なんて出来ないよ」
ヤバイ……もしかして、こんな調子でずっと口説かれ続けるのか!?
『君は僕の全てだ、君のためなら何を失っても構わないよ』
甘い声で耳元で何か囁いてくるけど、俺にはさっぱり分からない……が、多分口説かれているっていうのはわかる!
ぐっ、ぐっと俺の中で動き出して、その切ない声と相まって甘い快感が体に走った。
「グレイッ……俺、英語わかんな……アッ!」
『洸也、君に出会えたのは僕にとって最高の幸せ、どうしても君を僕のものにしたい』
チュッと軽くキスしてきながら、俺の中を探るように動かしてくる……! イイところ探されてる!
『もっと僕が知らない君を見たいよ……全部見せて?』
「アッ、わかんな……アッ、ああんっ! あ゛っ!」
「ここだね、大きくなっていじめて欲しがってるよ」
あぁっ、前立腺見つかっちゃった! 責められる……! おかしくされちゃう!!
期待した通り、グレイがカリで引っ掛けるようにそこを擦ってきて、頭の中は真っ白で、もう気持ちいい事しかわかんなっ……!
「あ゛っ!!! あ゛ぁぁぁぁっ!」
「イイね、すごくいい声だよ……気持ちいい?」
「気持ちっ……イっ……イイッ……! あぁっ……そこばっか!」
「じゃあ奥もする?」
ぐぐっと奥まで入ってきて、腰がガクガク震えた。奥まで入れられると圧迫感がすごすぎる、太いので突き刺されて……俺、女にされちゃうっ!
「あぁぁっ、グレイ……いっぱい入ってる! 広がっちゃう!」
「すごく気持ちいいよ、洸也っ……! 中でもいっぱいキスしようね」
俺の頭をホールドして、キスしたり、舐めたり、舌を絡ませながら……中の一番奥にキスとは言いがたいほどの凶暴さで突き刺してくる!
「はぁぁっ! あ゛ぁっ! おかしくなる……グレイっ……!」
「――ッ! 洸也、こーや……っ! すごいよ、すごく気持ちいいよ!」
「あ゛ぁぁあっ……グレイッ」
瞑っていた目を開けたら、切ない表情が目の前にあった。眉を寄せて、必死で我慢してるその顔に、愛しさが込み上げてくる。
キュッと下腹をへこませるようにして締めあげると、うっ……と感じてる反応が可愛くて仕方ない。
ずっとそんな表情で俺の事抱いてたのか? 最初の時も、二回目も……今よりずっと口数が少なかったのは我慢してたのか?
「……洸也っ! きちゃうよ!」
「気持ちいいか?」
「〜〜っ! 洸也が先にイくんだよ!」
ギュッと前の性器を握り込まれて、上下に扱かれたら……! お前、それ反則っ!
「あっ!? あっ! ――っ!!!」
「嬉しい、洸也と恋人同士のセックスしてる……最高だよ! 夢みたい!」
また、そんな可愛いことをっ……! 前も後ろも同時に責められて、気持ち良すぎる快感を逃そうと口を開ければ、喘ぎ声が止められないっ……!
「あぁっ、あっ……グレイっ! イく!」
自分から求めるように腰を振ったら、バチンバチンと肌が合わさる音にゾクゾクした。
「はぁっ……洸也の中に出したいっ、僕の赤ちゃん産んでよ、お願いッ!」
あぁっ、ゾワゾワするっ! 俺の男の部分を扱きながら、俺に孕めって言うのか!?
「っ……イイっ! 出して、俺に出してっ……!」
「洸也っ!!」
孕ませて欲しい……俺を女にして! お前に種付けされたいっ……俺の一番奥に注ぎ込んでくれ!
激しくなる動きに、グレイも限界が近いのを感じる。あぁっ、奥をズンズン突かれるのめちゃくちゃ気持ちいい! 興奮しすぎておかしくなりそうだ!
「あ゛ああぁぁぁっ! イぐっ……イッ! ――っ!!!」
ドプッとグレイの手の中に吐き出したら、足が痙攣して頭の中にチカチカと星が飛んでるみたいだ。
「――っ、洸也っ抜くよ?」
ズルンと太いのが抜かれて、俺の精液がついたままの手でぐちゅぐちゅと自分のを扱いたグレイは、俺の腹の上に出した。
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