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山吹の腕を引き、ベッドに上がるよう催促する。山吹はすぐに立ち上がり、ベッドの端に腰掛けた。
大きなパンダのぬいぐるみを抱きながら、山吹はモジモジと恥ずかしそうに縮こまっている。どうしたことだろう、なにも言われていないのに、ただただ可愛い。
「あ、っ。課長……っ」
桃枝は山吹の肩を掴み、すぐにベッドへと押し倒した。依然としてシロを抱いたままの山吹は、真っ赤になっている。
「眠かったんじゃ、ないんですか?」
「眠くはない。『このまま寝てもいいか』とは思っていたがな」
「それって、眠かったってことなんじゃ……?」
細かいことにこだわり始めた山吹の寝間着に、桃枝はすぐさま手をかけた。すると、山吹は羞恥心からかなにも言えなくなり、すぐに黙り始める。
以前、山吹は『寝るときは短パンやジャージを着る』と言っていたが、困ったものだ。色気もなにもないジャージを穿いている山吹を見ていると、妙な性癖に目覚めそうだった。
ジャージを掴むと、山吹は黙ったままそっと腰を浮かせる。どうやら、脱がされることに同意らしい。あえて『腰を浮かせたな』などとは言及せず、桃枝は山吹の下半身からジャージを剥ぎ取った。
下着姿の山吹は、恥ずかしそうに視線を彷徨わせている。下着の中では既に、山吹の逸物は反応していたようだ。
「さっきは俺のことを敏感だなんだって揶揄ってたくせに、自分はどうなんだよ。俺はまだ、お前を押し倒しただけだぞ」
「やっ、イジワル言わないでください……っ。もっと、コーフンしちゃいます……っ」
「なんでだよ」
下着が、濡れている。桃枝は濡れている部分を指でなぞり、無意識のうちに山吹を辱めた。
「直接が、いいです。下着も、脱がせてください……っ」
「なら、シロを放せ。万が一汚れたらどうする」
「シロが汚れちゃうほど、激しく抱いてくれるんですか? ……想像しただけで、イッちゃいそうです……っ」
「お前は俺を煽る天才だな、マセガキが」
オーダー通りに下着を脱がすと、山吹もシロを床に下ろす。
晒された山吹の逸物が、ピクピクと震えている。まるで、触られることを強請っているかのように。
……困った。桃枝にとって、初めての感情だ。……男のブツを見て『可愛い』と思うなんて。
「えっ、課長っ? 待って、なんで顔を近付けて──あっ、や、やだっ!」
だから桃枝は、奇行に走ったのかもしれない。山吹が戸惑うのも、道理だ。
──桃枝はなにも言わずに、山吹の逸物にキスをしたのだから。
桃枝が、逸物に口淫を施すなんて。初めての行為に、なぜか桃枝よりも山吹の方が戸惑い始めていた。
頭上で慌てている山吹は一旦放置し、桃枝は山吹の逸物に舌を這わせる。すると、さすがに山吹の中のなにかが限界を迎えたらしい。
「だ、だめっ、課長……っ。舐めちゃ、いやです……ん、っ」
山吹が、桃枝の頭をグイッと両手で押しのけ始めたのだ。
言わずもがな、桃枝にとっては不服極まりない状況だった。
「なんでだよ。お前だって、俺のを舐めたことあるだろ」
「ボクは、恋愛対象とかそういうの、こだわりがないから……っ」
桃枝は顔を上げて、山吹を見る。
「でも、課長は……別に、男性が好きってわけじゃ……ない、ですよね?」
ボソボソと言葉を紡ぐ山吹は、脚を閉じようとしていた。
嫌悪感からではなく、善意からの行動。恋人から向けられた情に思わず、桃枝はため息を吐いてしまった。
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