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 山吹のオーダーを聴いた桃枝は、その数分後。 「──す、ごいな……ッ。ゴムがないだけで、こんなに変わるのか……ッ」  珍しく、二人を隔てる物を付けずに山吹と繋がっていた。  山吹が『ナマがいい』と言い、当然ながら桃枝は悩んだ。  ただでさえセックスは山吹の体にかかる負担が大きいと言うのに、わざわざ負担を増やすなんて……。山吹を過保護なほど大事にしたがる桃枝には、考え難い行為だ。  だが、これは【ご褒美】という名目を掲げている。突っぱねてしまえば、山吹を必要以上に落胆させてしまうのは自明の理だ。  悩み、対話を重ね、それから……。山吹は、粘り勝ちをした。  いつも以上に『山吹と繋がっている』という実感を得て、桃枝は快楽に眉を寄せている。そんな桃枝を見上げて、山吹は瞳を蕩けさせていた。 「課長の、感じている顔……カワイイ」 「やめろ馬鹿。比べるまでもなくお前の方が可愛い」 「あっ、うぅ……」 「なんで照れるんだよ、今さらだろ」  一言『可愛い』と言っただけで、よく締まる。後孔の締め付けが増したことにまた感じながらも、桃枝は山吹にキスをした。 「ボクも、白菊さんのがスゴく気持ち良くて……。頭が、ふわふわしてます」  唇が離れた後、山吹は桃枝の腕に触れる。 「いつも、白菊さんの体に見惚れてはいたのですが……こうしてナマですると、より強くドキドキしちゃいます。『ボク、こんなにカッコいい人に抱かれてるんだ』って」 「……ッ」 「んっ。課長の、ビクッて跳ねました……? えっ、どうしましたか?」 「分かれ、馬鹿ガキ……ッ」  なにかがお気に召したらしいが、肝心な理由が分からない。山吹は目を丸くしつつ、桃枝の腕を撫でた。 「今日は、ナカに出してください……っ。課長のザーメン、お腹にいっぱい注いでほしいです……っ」  奥まで挿入されて、それだけで山吹は達してしまいそうだった。いつ理性が焼き切れてしまうか分からないほど、今の山吹は快楽に溺れてしまいそうで。  この口が言葉を紡げるうちに、してほしいことは全て伝えよう。そう思った山吹は桃枝の手を取り、手のひらにキスをした。 「ッ。煽るんじゃねぇよ、馬鹿ガキが……ッ!」 「ぁ、あっ!」  すぐに、桃枝が山吹の体を支える。掴まれた腰は、奥を突きやすくするためにほんの少しだけ浮かされた。  奥を突かれ、桃枝の熱い逸物が山吹の弱いポイントを擦る。山吹は視界がチカチカと明滅するような錯覚を覚えつつ、無意識に首を横に振った。 「はっ、あ、ぅ。やっ、だめ、やぁっ」 「こら、山吹。ナカに出してほしいんだろ? だったら逃げんなよ」 「ぁあ、っ! 腰、押さえ付けちゃ、や──んあッ!」  いつもより、桃枝の逸物が熱い。形がハッキリと分かり、どこをどう愛そうとしているのかが分かってしまう。  何度も何度も、桃枝の劣情が山吹を犯す。そうされる度に、山吹の頭の中にある理性が剥ぎ取られていくようだった。 「ダメです、課長っ。腰、そんなに強く掴まないでぇ……っ!」 「奥に欲しがったのはお前だろ。こうした方が、お前の好きなとこを突きやすいんだよ」 「ふ、あぁッ、んッ! そこはっ、そこはそんなに乱暴に突いちゃ──やぁ、あッ、んんぅッ!」  この行為を強請ったのも、深く愛されたがったのも、全部全部、山吹自身が望んだこと。  それなのに……。 「やぁ、あ……ッ。射精、止まんな……ん、あぁ……っ」  尻を犯されて、こんなに呆気なく射精してしまうなんて。山吹は瞳に涙を浮かべながら、羞恥で顔を真っ赤にした。

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