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 セフレとも肌を合わせたことがない場所で、初めてのシチュエーションで、大好きな桃枝とセックスをしている。 「あっ、あ、ッ! 課長っ、課長……っ!」  いつも以上に、声が出ている気がして恥ずかしい。向き合った桃枝に後孔を犯されながら、山吹はあられもない声を上げ続ける。 「随分と好さそうだな、緋花。締め付けが強くて、食い千切られるんじゃねぇかって錯覚すら覚える」 「だってお尻っ、気持ちいぃっ。課長、もっとシてぇっ」 「耳元でなんて声出すんだよ、エロガキ」  ただでさえ耳元での喘ぎだというのに、今は声がよく響く浴室でのセックスだ。  山吹が悦んでいるという事実だけで昇天ものなのに、桃枝はまるで、どこまでケダモノになれるかを試されているような気さえした。  もっと、山吹を悦ばせたい。思うと同時に、桃枝は山吹の乳首を指でなぞった。  想像通り、山吹は悲鳴にも似た甘い声を出して善がる。それが嬉しくて、愛おしくて。桃枝は山吹の乳首を少しだけ強くつねった。 「やぁっ、やッ。課長、それやだぁ、ッ」  すると、山吹が首を横に振り始めたではないか。桃枝は乳首をつねったまま、小首を傾げる。 「どうした?」  少し痛くした方が、山吹は悦ぶ。理解はできないが、山吹はそういう男だ。桃枝は身をもって知っている。  しかし、どうやら今日に限っては違うようで。 「──痛いの、今日はイヤです、っ。今日はボクに、優しくしてください……っ」  随分と、山吹は変わった。素直に『優しくして』と口にする山吹を見て、桃枝は感慨のようなものを抱く。 「あぁ、分かった。今日はお前を徹底的に甘やかす」  山吹の体を抱え直し、桃枝は泣きそうな顔をしている山吹にキスをする。  キスが心底嬉しいのか、山吹は両腕で桃枝に強く抱き着いてきた。しばらくの間、唾液の絡まる音と吐息が浴室に響く。  それから、唇を離して。桃枝はその口で、山吹の乳首を啄んだ。 「あっ、んん、ぅ……っ! 乳首っ、吸われるの気持ちいいですっ。……ぁん、っ!」 「知ってる。舐められるのも好きだろ、お前」 「ん、好きです……っ。ふっ、あはっ。課長におっぱい、食べられちゃうぅ」 「赤ん坊扱いするなよな」 「あっ! 噛んじゃ、だめぇ……っ。優しく、してぇ。今日はボクを甘やかしてくれなきゃ、やぁ……っ」 「……っ。今日のお前、本気でヤバいな。エロすぎる」  乳首を舌で転がし、痛みを与えずにただただ甘やかす。そうすると山吹は、嬉しそうな手つきで桃枝にしがみついた。 「……クソッ。緋花、そろそろ限界だ。ナカに出していいか?」 「ナカがいいっ。奥に出してください、白菊さんっ」 「分かった。逃げるなよ」  腰を掴まれ、ズンと奥を突かれる。  まるで、星が散ったようで。チカチカと明滅でもしたかのように、視界を揺らしながら……。 「ぁあっ、あッ! んぅ、ふぅ……っ!」  山吹は桃枝の熱を感じながら、絶頂を迎えた。  荒い呼吸を繰り返し、脱力をした山吹はそのまま桃枝にもたれかかる。するとすぐに、山吹の体を桃枝は抱き留めてくれた。  ……苦難に遭って初めて、その人の節操の堅さや意志の強さが分かる。なんて。そんなことわざを、不意に思い出して。絶頂の余韻に浸りながら、山吹は桃枝を見つめた。 「ボク、課長とお付き合いして良かった。……課長と恋人になれて、嬉しいです」  心の底から幸福だ、と。そう伝えるための笑顔を向けると、桃枝からも微笑みが返された。  それからすぐに、顔が近付いて。二人は目を閉じて、キスをした。 「ん、っ。……ぁ、ふ」  唇同士を触れ合わせるだけではなく、舌を絡めて。山吹は吐息を漏らし、唇が離れてからすぐに、桃枝の首筋に顔を埋めた。 「課長、もう一回。もう一回、ボクを甘やかしてください……っ」  強請ると、ナカにある桃枝の逸物の震えが伝わってきたから。山吹は嬉しそうにもう一度微笑んだ後、再度、桃枝にキスをした。

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