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 確かに顔は赤らんでいるが、どう見ても嬉しそうだ。満更でもない様子の山吹を見上げたまま、桃枝はさらに指摘を続ける。 「まさか、恥ずかしいことを指摘されて悦んでるのか?」 「よろこんで、なんか……っ」 「恥ずかしいことが好きで、それをちっとも隠せないその素直さも美点だな。ほら、ご褒美に乳首を撫でてやる」 「んッ、あっ、ふあ……っ」  体を震わせながら、山吹は甘ったるい吐息を吐く。実に、官能的だ。ツンと立つ山吹の乳首を撫でながら、桃枝は内心で深く頷く。  一度饒舌になった桃枝は、真っ赤になった山吹への指摘をさらに続けた。 「なんだよ、嬉しそうだな。まさか俺を癒すってのは建前で、本当はただただエロイことがしたかっただけなんじゃないか?」 「そっ、そんなつもりは──やっ、んっ! 乳首、やぁ……ッ」 「あぁ、そうだ。お前は最中にこうやって強く胸をつねって、それから優しく先端を撫でてやると──」  ──刹那。 「──もっ、もうっ! 気持ちいいんですから嬉しいのは当然じゃないですかっ!」  真っ赤な顔をした山吹が、桃枝の逸物をキュッと強く握って、反論をした。  反射的に体を小さく跳ねさせた後、桃枝はようやく我に返る。 「白菊さんの、バカ。……いじわる」  赤い顔の山吹がプルプルと震え、涙目になっているからだ。  さすがに、やりすぎたか。満更でもなさそうに見えたから続けてしまったが、過剰だったかもしれない。桃枝は慌てて、上体を起こそうとした。 「悪かった、少し調子に乗りすぎたな。もう言わねぇから、泣くのは──」 「──うぅ~っ。でも、そんなちょっぴりSっぽい白菊さんも大好きなんですぅ~っ」 「──くッ。俺は、Sじゃねぇ……ッ!」  問題ないらしい。桃枝は起き上がるのをやめて、山吹を見上げた。  すぐに、山吹と目が合う。すると、山吹が恥ずかしそうに視線を逸らした。 「白菊さん、ボク……手でいっぱい、ご奉仕頑張ります。だから、その……」 「今さらなにを言い淀むんだよ、この状況で」 「えっと、つまり……。ボクのこと、おっぱいだけでイカせてほしい、です」 「っ! そ、そう、か。……わ、分かった」  望まれたのなら、行為を続けよう。桃枝はすぐさま、山吹の胸に顔を埋めた。 「んッ、あ、っ! だめっ、いきなりそんな、強く──ん、んっ!」  喘ぎながらも、山吹は必死に手を動かす。桃枝に『頑張ります』と言った手前、自分だけが良い思いをしたくないのだろう。 「だめ、おっぱい吸われたら……ボク、イッちゃう、っ」  限界を訴えつつも、手は止めない。内容はなんであれ、健気だ。懸命な山吹の姿に、桃枝の胸は不覚にもときめいた。 「イク、イッちゃいます、んッ。白菊さん、白菊さん……ッ!」  わざと音を立てて、舐められている。山吹は律儀に体を震わせて、それから……。 「ぁあっ、あッ!」  一際大きな声を上げて、山吹は果てた。  その様子を間近で見て、堪らず桃枝も射精する。山吹の手は、桃枝の精液で白く汚れていった。  絶頂後の余韻に浸りながら、山吹は呼吸を荒げつつ言葉を紡いだ。 「す、ごい……。白菊さんの精液で、ボクの手……ベタベタに、なっちゃいました……」 「今さらそんな言葉で俺は動揺しないぞ」 「そう、ですよね。おっぱいでイカされちゃったから、ボクの下着もベタベタですもんね。……んふふっ。おあいこ、ですね?」 「……くッ」  桃枝、動揺。敗因、山吹の照れ笑いに締め付けられた胸。  勝利を収めたなんてことは、露知らず。山吹は呼吸を荒げながらも、ニコニコと嬉しそうに笑っていた。

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