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8話

 その玲音の言葉で諒馬は思い出したのか、今日の撮影は生配信だったのを思い出す。  こう初めての試みをする時というのは、確かに一番最初が肝心なのは間違いない。 これで失敗でもしたなら次回以降閲覧者が減るかもしれないからだ。  今さっき諒馬が考えたアイドル衣装っていうのは、ウケるかもしれないしウケないかもしれない。 今はそういう状態でもある。 でも今の所、玲音にも好評なのだから、行けそうな気がするのは気のせいであろうか。 「緑と紺のチェック柄にセーラー服っぽい上着、んで、下は同じチェック柄のふわふわミニスカートでいいんじゃない? いいの見ぃつけた!」  きっと玲音は衣装部屋の中から、諒馬が言っていた衣装を見つけたのか、その衣装を見つけると嬉しそうに抱き締める。 「諒馬君側の方には? ってか、僕達の方はそれでいいんだけど……京平の方はどうしようか? あ! 学ランっぽいんだけど、僕達と同じ緑に紺のチェック柄っていうのがあるんだけどー! 勿論、京平の場合のは下はスッラクス。 寧ろ、今日は着衣でよくない? 初配信だし、露出少な目の方がいいだろうしね。 でも、声とかでカバーしないとだけどねぇ。 着衣したままだけど、大人な方に配信のものなのだから……気持ち的に大人チックにしないとだしねぇ」  本当に玲音というのは、こういう事に関して楽しそうだ。 これこそ天職っていう位なのかもしれない。  そして早速その衣装に着替える玲音。 「見て見てー! めっちゃ、この衣装可愛いんだけどー! 本当にアイドルになった気分っていうのかな? そういや、僕は髪型このままでいいけど、諒馬君はカツラ被ったままでいい?」  いきなり玲音は諒馬にそう振るのだ。 「へ? あ、玲音がそう思うんなら、俺はこのままでいいかな?」 「……って、事は? 今日、諒馬君はネコヤル気なのー?」  きっと諒馬の心の中で、今の玲音の台詞は『はぁー!?』と思っているのかもしれない。 だが本当に玲音にそこまで押されてしまうと強く言えなくなってしまうのは気のせいであろうか。 寧ろ、玲音に対して強く言えないのが諒馬の弱みな所だ。  もう今日はネコ側でいいと思った諒馬は、 「今日はこのままでいいよ……」  と仕方なく答えるのだ。 「んじゃあ、京平にはそう言っておくねぇ。 今日は二人ネコでやるよー。 ってね。 あ! 寧ろ、僕が諒馬君の事襲って上げてもいいけどねぇ。 後は、どうする? 初めて設定なのか? やり慣れている設定なのか? んー、今日の僕の気分はトコトン乱れてみたいし、気持ち良くなりたいから、やり慣れてる方かな? あ! どうしよー、売れないアイドルが事務所の社長にお願い! みたいな設定もおいしいんだけどなぁ? 諒馬君はどっちがいい?」

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