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7話

 もうここまでしてくれたら仕方がないとでも思ったのか、諒馬はため息を吐くと、 「もう、分かったって……今日は、俺もこれで出ればいいんだろ?」 「うんうん! そうそう!」  諒馬の言葉に二回程頭を頷かせて嬉しそうな表情を見せる玲音。 きっと玲音の中でも満足しているのであろう。 「んじゃあ、後はヒラヒラなドレスみたいなのだよねぇ。 どうせなら、諒馬君はアイドルって言ったらどんなイメージなの? やっぱ、僕的には……赤とかピンクとかにレース柄のふわふわドレスみたいなのかな?」  そう最後の方は想像しているのか、視線を天井へと向けて言っている玲音。 「あー、それかぁ……?」  しかし一体どんなのがいいのであろうか。 諒馬の方もアイドルの衣装についてどうやら頭の中で検索しているのか天井へと視線を向けて考えているようだ。  やはりそこは今流行りの制服みたいな衣装だろうか。 それとも玲音が言うようなスカートがふわふわしたような感じだろうか。 だが、どうせ脱がされてしまうのだったら、スカートの丈が長すぎても色々とやり辛いのかもしれない。  その考えに首を横に振る諒馬。  本当に危なく今日もネコにされそうになっているのだから。  玲音が諒馬の事をネコにさせようと誘導してるとしか思えない。  いやもしかしたら玲音と京平は一緒に住んでいるのだから、家では二人でそう決めているのかもしれない。 いやこういう撮影の時、別にテーマは当日決めているのだから流石に事前に京平や玲音が決めている訳ではないのであろう。  なら玲音が一人、諒馬の事をネコにさせようとしているのであろう。 いや玲音の場合、無意識にやってるのかもしれないのだが。  いやしかし、玲音にそう質問されているのだから、何か答えなければとなってしまうのは何でだろうか。 しかも何かこう強く言い返す事が出来ないと思ってしまうのは気のせいであろうか。  もしかしたらそこは仕事と割り切ればいい話なのだから、諒馬が折れた方が楽なのかもしれない。  諒馬はそう考えると、本格的にアイドルの衣装について考え始める。  上は今のアイドルのように制服っぽくして、下は玲音の言う通りヒラヒラなふわふわミニスカートでいいんではないだろうか。 「ねぇ、玲音さぁ、こんなのはどう?」  諒馬はさっき自分が考えた衣装を玲音へと伝える。  すると玲音は手をパンっと叩き、 「いいねぇ! それで行こう! しかも、今日は初の生配信だから特別なもんだしね。 寧ろ、最初の印象が大事だしー!」  そんな風に言う玲音は本当に楽しそうだ。

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