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11話 ※エロスタート
そうやって現場の撮影は進められて行くのだ。
玲音と諒馬は京平がいるキングサイズのベッドへと上がる。 そしてそのまま四つん這いの格好で京平の元へと向かうのだった。
カメラの位置から、その四つん這いの姿というのは、ミニスカートの下から下着が見えるか見えないかで、それがまた視聴者をそそるような演出だ。
人間見えるようで見えない位が丁度いい。 見えないのだけど見たい……だけど、しっかりと見えてしまうと、そこで終わってしまうという感じがしてしまうからであろう。
しかし玲音は本当に女装姿になれているのか、それとも演出が上手いのか、玲音が四つん這いの姿で歩く度に、そのふわふわなスカートは揺れ、これもまた視聴者を誘っているようにも見える。
玲音と諒馬が京平の側まで向かうと、玲音の方はいつもプライベートで京平に甘えているかのように、
「京平……私、本当に京平の事が好きなんだからね……」
そう甘い声で完全に京平の事を誘うかのように言うのだ。 きっと玲音の場合には京平に対して普段からそう甘えているのであろう。
「本当に、そうだったんだね……」
そう言うと京平は玲音の肩に腕を回し引き寄せ、額へとキスを落とす。 そして何でか今日は玲音に負けじと諒馬の方もそういうモードに入っているのか、
「京平……私の方も見てよ……私も京平の事が好きなんだからね……」
諒馬は今度京平の顔を自分の方へと引き寄せ、諒馬にしては珍しく京平の頬へとキスをするのだ。
確かに、今日はそういう設定なのだから京平の事を十分に誘ってはいいのだが、やはり、諒馬は何か境界線みたいなのを作っているのか例えキスをしたとしても流石に唇にはしなかったようだ。
「ん……諒ちゃんもそうだったんだね……」
京平はちゃんと諒馬の演技や台詞に乗っかったのか、諒馬にもそう返したのだ。 そうそして今日は玲音も諒馬も女性アイドルという設定なのだから、玲音はわりとそのままで呼んでも問題は無さそうなのだが、流石に諒馬の場合には完全に男性的な名前なのだから、京平は諒馬の事を諒にしたようだ。
「んで、今日、二人は私に何をしてくれるのかな?」
そうニヤけて言う京平。 そこも演技なのであろう。 京平は横になりながら玲音と諒馬の事を交互に見つめる。
玲音も諒馬もそこに気付いたのか急に視線を合わせると、玲音の方はニコリとし今度京平の方へと視線を向けると、
「そりゃ、決まってるでしょー。 今日は……京平に僕達の事抱いてもらって、どっちが京平の恋人に相応しいのか決めて欲しいんだけどな」
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