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16話 ※玩具

 更に肩で呼吸を繰り返す諒馬。 本当に今のは気持ち良かったのであろう。 そして薄らと瞳を開け京平や玲音の方へと視線を向けたのだから。 それはまるでネコがタチの事を誘っているように見えるのは気のせいであろうか。  虚ろな瞳と言っても快楽で酔ってるような瞳の方なのかもしれない。  流石は京平という所だろう。 これがもし諒馬だったら京平の事をここまで気持ち良くさせて上げる事なんて出来ないのだから。  京平は玲音の方にと視線を向けると、 「玲音ちゃんは、玲音ちゃんの中に玩具を挿れて欲しかったんだよね?」 「え? あ、そう……」  少し間が空いてしまったからであろうか。 玲音の方は少し間を置いたような寂しかったような感じで答えるのだ。 「本当にコレを中に挿れて欲しいの?」  そう玲音の耳側で甘く囁くように言う京平。 そしてそのまま玲音の耳までも舐めるのだった。 「はぁあんっ!」  それだけでも玲音の場合には気持ちいいのか、可愛い声が上がる。 「ふーん……こんなのを玲音ちゃんのココに欲しいんだ……これを、この中に挿れたら玲音ちゃんはどんな感じになっちゃうのかな? 気持ち良すぎて色っぽく喘いでくれるのかな?」  そう言いながら京平は玲音の目の前で、さっき玲音が手にしていた玩具のスイッチを入れるのだ。  京平が玩具のスイッチを入れたもんだから部屋内には、その玩具特有の機械音が鳴り響く。 「玲音ちゃんがもしかして、この音だけで体中が疼いたりして……そんなに玲音ちゃんの体はエッチな体してんだねぇ……ま、私的にはそんな玲音ちゃんの事、大歓迎だけどね……」  そこで、京平は一旦間を置くと、 「玲音ちゃんはこれを中に挿れて欲しいんだろ? なら、どんな格好で私におねだりするのかな? コレが欲しいんだったら、それなりのおねだりの仕方っていうのがあるよね?」  その京平の言葉に目を丸くする玲音。 京平が今までこんなにもなった事があっただろうか。 そんな京平でもいつもにように愛が籠っているような感じで言っているのだから安心出来る所なのかもしれない。  きっと今日の京平のキャラというのはそんな感じなのであろう。  確かに普通の俳優さんに比べたら、演技力なんてもんはいらないのだが、AV男優と言う位なのだから、多少は演技力が必要という事だろう。  だからなのか京平の場合には毎回キャラを変えて来ているのかもしれない。  その京平の言葉に玲音の方も演じ始めたのか、今日はいつもより可愛く見せようとしているのか、こう体をもじもじとさせながら京平の事を見上げ、 「え? あ、だから……」  そこまで言うと、

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