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31話 ※玩具
当初の目的を忘れる程、諒馬の方は快感に耐えていたのかもしれない。 逆に体が強張ってしまっていたのだから。 きっと京平の事だ、諒馬のそういう所にも気付いていたのであろう。 そしてクスリとすると、
「もっと快感に素直になった方がいいんじゃないかな?」
京平はそう言うと、わざとなのか再び諒馬の後ろの蕾の中にある気持ちいいポイントを指先で突くのだ。
それと同時位だっただろうか、諒馬の口からも声が上がり、
「ぁあん!」
と心なしかまだ小さな声で言っているようにも思える。
とりあえず京平はそんな諒馬に、「そんなもんか」という表情をすると、
「じゃあ、そろそろ、本格的に君達の中に、さっき選んでもらった玩具を入れてみようかな?」
未だにベッドの上に転がっていた玩具を京平は手にすると、
「太くて男性のモノみたいな玩具が玲音ちゃんで、卵型のと細い玩具が諒ちゃんだったよね? 二人同時にって、本当にこういう時にしか出来ないよねぇ?」
と京平の方は何だか本当に楽しそうに思えて来る。 確かに、今までだってこういう事はした事がないからなのかもしれない。
「ローションたっぷりと掛けなくても、君達の中には今でもたっぷりとローションが入ってるから大丈夫そうだよねぇ」
そう言うと京平は、先ず諒馬の方へと卵形の玩具を指で押し込むように入れるのだ。
「今ね、諒ちゃんの中に卵型の玩具入れて行ってるからね……」
京平はそこまで言うと、
「ここら辺かなっ?!」
その一言というのは京平からしてみたら独り言だったのかもしれない。 そして、
「ここで、スイッチを入れてしまったら、諒ちゃんはどうなっちゃうんだろうね?」
と今日の京平というのは楽しそうだ。 そして京平は玩具のスイッチを入れるのだった。
その直後に部屋内には玩具特有の振動音が鳴り響き、また聴覚をも興奮状態へと誘って来るのだ。
「ぁあああん! いやぁああ! そこっ! そこはっ!」
あまりにも気持ち良すぎて、諒馬の方は悶えてしまっているのか、こう苦しいような快感なような声が口が漏れ始める。
そして腰までも跳ねらせているのだから、これは快感で腰が跳ねているという事だろう。
それを満足そうな表情で見ている京平。 やはり京平の場合には完全なタチなのであろう。 人が快感に悶えている姿を見て楽しそうにしているのだから。
一旦、そこで京平は諒馬から離れると、今度は玲音の方へと視線を向け、
「玲音ちゃん、お待たせ……次は君の番だからね……。 流石にねぇ、指だったら二人同時に出来るけど、玩具は二人同時には出来なかったからね。 特に玲音ちゃんの方は大きくて太いから、両手で入れないと入れられないと思うからね」
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