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エール5-17

「何してたのかなあ?」  三十分遅れた密紀の手を引いて聖堂に戻った千秋に、半笑いで細くした目を向けながら水野が意味深に言った。  水野の言葉に含まれた別の意味は無視して、千秋が橋野と元宮のことをザッと説明する。 「団服をこんなにしてしまったこと、本当に申し訳なく思ってます!」  密紀が団員の前で深く頭を下げる。水野が「うーん」と唸った。 「ロッカーに入れて、ちゃんと施錠した。これ以上何かやりようがあるか?」  水野が二階堂を振り向く。二階堂はいつもの笑みを崩さないままだ。 「こじ開けた時点で器物損壊だからねえ」 「タバコまで吸っていたとはな」  二階堂のあとに続けたのは眉間に皺を寄せ、腕を組んだ可南だった。 「吸うならもっとうまいことやらんと」  そう続けた鳥越に全員が無言のツッコミの目を向ける。 「冗談やんか」  鳥越の乾いた笑いを無視して、水野が密紀に破れた団服を脱げとジェスチャーする。

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