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エール7-10
ただ、止められない快楽の声が、ひどく淫らで、この声だけで、きっと自分がどれだけ千秋を好きか伝わってしまう。
そして自分でも、好きな人とするこの行為は、こんなにも相手を好きだと思い知らされるものなのかと感じる。
揺さぶられる度に、奥底の部分を刺激されて身体中に電流が走る。覆いかぶさる千秋の腹筋が自身の昂りに擦れて、ダブルの刺激が密紀を襲う。
過ぎた快楽に耐えられず、頬に流れた密紀の涙を千秋が唇で拭う。自分を締め付けては吸い上げるように動く密紀の内壁に、千秋自身も二度目の限界を迎えようとしている。
「密紀…」
「あっ、せんぱ…好き…好き…」
「うん、俺も…好き、だよ」
「おかしく、なる…気持ちい…先輩の…」
「俺もおかしくなりそうだよ…密紀の中、気持ち良過ぎて」
千秋の打ち付ける腰が早くなる。その度にぐちゅんぐちゅんと卑猥な音が響く。獣 のような息遣いが、夕日の差す部屋にこだまする。
「密紀、やらしいキス、しよ」
千秋が密紀の手を取り指を絡めて恋人つなぎをした。そしてその手をぎゅっと握ってから唇を重ねる。
「ふぁ…」
挿し入れられて、自分のそれと絡め合うように吸い付く千秋の舌に、口の中まで快感で満たされ、密紀の思考は完全に飛んだ。
口端から漏れる唾液はどちらのものかもう分からない。何もかもが混じり合う愛の行為。
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