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第86話 オーディション in アメリカ

アメリカでのオーディションを迎えた Strong Hiはオーディションに参戦した オーディションを受けなくても盤上に上がる権利はあると言うのに、オーディションに応募して来たのだった アメリカでのオーディションは2日間行われる イギリスと同様 100人を半分に割り2日掛けて行われる 烈はこの日 宗右衛門の着物を着ていた 斯波家家紋の入った宗右衛門の着物を敢えて着た アメリカオーディションの審査員は ユニバーシェルスタジオの代表 ジョシア・ギルバート 役者のエドワード・ミッチェル 映像作家のルアン・ロドリゲス 映画監督の ノア・ジャクソン 世界的漫画家 ルーカス・キング コメディアン セオドア・ウィルソン 此れに鳳城由香里が入り7名となる 今回も審査員のギャラもテレビ局側が持ち 【R&R】に全面協力して貰う事となる 神野達はGW以来、また烈に連絡が着かなくて心配していた 公園で寝てるの配信を見た煌星と海が泣き出し、事情を聞いた戸浪海里も泣きながら「今直ぐに家に来てくれて構わないから!」と言ってくれた 蔵持善之助も「烈、大丈夫なのかい?最近は真矢さん達も家に帰ってないのか?淋しいよ 公園で寝る位ならば私の家においで!」と申し出てくれた 神野は「俺んちに泊まって構わない!」と泣きながら留守電に入れてあった 須賀も「烈、私の家においで!君が公園で寝てるなんて………耐えられないよ」と泣いた 柘植は「烈………苦しい時は言ってよ!」と泣いていた 相賀は「この年寄の処で良ければおいで!」と言ってくれた 皆の想いが暖かった 皆の想いに支えられてるんだって想う 兄達も泣いていた 北斗も和希も和真も永遠も泣いていた ごめん………横にケントいたから……とは言えない 連通連夜30通夜の試練は実質 野外で行われる 自給自足 寝る場も作り食料の確保をしながら一ヶ月やり過ごす それより公園で一晩寝るのなんて楽勝だった なのに………YouTubeで配信しちゃったから大事になっちゃった オーディション会場に逸早く駆け付けたStrong Hiのボーカルは「烈君!傷大丈夫だった? そして家がないなら俺の家に来いよ! あ、変な意味じゃないからな!」と言ってくれた 烈は「家がない訳じゃないのよ………常に狙われてるから……ずっと住んでた家は手放さなかきゃいけなくなった……… そして兄達は学校にも通えなくなった………… そして今度も家を嗅ぎ付けられ……ドアを爆破され押し入られそうになったからね 帰る方が家族には迷惑になるのよ!」と言う ボーカルは言葉もなかった 「何で………そんなに命を狙われているんだよ………」 「事情を知れば………貴方も聞いた瞬間から狙われるわよ!だから知らない方が良い事もあるのよ!」 ボーカルは言葉もなく…………泣いた 竜馬がやって来て「リーダー、始まるっす!」と開始を告げた 烈はニコッと笑うと手を振り、その場を離れた そして顔を引き締めると凛として前を見据えた 敢えて宗右衛門の着物を着て来たのか?解る気がして竜馬はやるせなかった 「リーダー、公園で寝るのだけは止めて欲しいっす!」 「あれはね、本当にホテルがダブルブッキングしちゃったからなかったのよ だから少し狙ってみたのよ……でもカユくて…… ボクはホームレスは向いてないって思ったわ!」 「俺……帰ろうかと思ったっす!」 「ボクにはケントも付いてるしクーもいるのよ あ、クーたん蚊に食われたのよ! ビックリじゃにゃい?りゅーま!」 話題を変えるなら竜馬はそれに乗ってやる 「え?クーって地球外生命体なんじゃ?」 竜馬が言うとクーが「俺をエイリアンと同列に扱うな!」と怒った 竜馬はクーを撫でながら審査員席へ向かう クーは真っ白な猫になり審査員に座る烈の膝の上に乗る 【R&R】のメンバーも審査員席に座り、その時を待つ 飛鳥井翼がマイクを持つと「此れよりアメリカ選抜オーディションを開始致します!」と告げた 翼は公園で寝てる………のニュースを見て卒倒した そして有給を使い雇用主を心配してアメリカまでやって来たのだった で、烈は翼がいるなら司会をやらせよう!と想いステージに翼が立っているのだった 翼は「本日50名、明日も50名の2日間のオーディションとなります! 一人持ち時間5分なのは変わりません 審査員の皆様 【R&R】のコンセプトに合った存在の発掘にどうか御協力下さる様お願い致します!」と堂々とした姿を皆に知ら示した 50名のオーディションは始まった 観客席にはRODEOÑがわざわざ見に来ていた この日ラストはStrong Hiが入っていた 観客達はイギリスでサプライズがあったから、またアメリカでもサプライズがあるんじゃないかって………想っていた 烈は今日のオーディションの名簿を見て、明日のオーディションの名簿を見ていた そしてその中に榊原真矢・榊 清四郎の連名での名を見付け「ばぁたんとじぃたん………」と呟いた 竜馬は「ブッチギリで予選通過したみたいっすよ!アメリカでの知名度は結構あるんすね! 人気投票は断トツでした!」と説明した 烈も竜馬もメンバーも厳しい目でオーディションを見て採点をしていた こんなタレントいたの?と想える光る存在は、無名で市村翔太と謂う青年だった ホームレスみたいな風体で出て来たのに、ステージに立つと洗練された動きに………言葉を失った 「汚かったのに……汚さ払拭した………嘘………」 烈の呟きにメンバーも竜馬も頷いていた そして次に目に着いた存在は、物凄く身長の高い男性………下手したら咲楽我空より高い 無名の青年で名は エリオット・高崎と謂うハーフなのか?整った顔をしているのに……… 何処か存在感の薄い………イメージだった その彼がステージに立つと軟体動物の様に柔らかく踊る 中国雑技団ばりの柔らかさに………烈は「スゴイわ!」と呟いた そしてお笑い芸人として名があるスクリューズの片割れ 早瀬頼朝が参戦した 彼は………自己主張が強くて……アメリカでコメディアンとして仕事をするならば光るモノがあるだろう…………が、【R&R】のコンセプトにはかけ離れていた 50組中 高得点を取ったのは中村翔太とエリオット・高崎だった そしてラストを飾るのはStrong Hi 彼等は血反吐を吐く練習を積み重ねステージの上に上がって来た 全員演目を終えて審査員達は審査に入る 烈は審査員席のマイクを持つと 「RODEOÑ、ステージの上までおいでよ! Strong Hiとのバンド対決に突入する前に仲良く演奏しちゃってよ! 神野の横に隼人も来てるから、今日は仲良く演奏しちゃって!」と言い審査員達は控室へ移動した 指名を受けたRODEOÑ達はステージの上に上がると楽器が用意されていた その場に一条隼人も参戦して夢のコラボとなる 飛鳥井翼は「RODEOÑからはお気に入りの曲を一曲、Strong Hi側も一曲、ボーカルを一条隼人を入れ一曲、お願いします!そして観客の皆を魅了して下さい!」と告げた RODEOÑのボーカルのアーネストはお気に入りの曲を選びメンバーに目配せする メンバーは頷き演奏を始めた アーネストの声が客席に響き渡る その曲はRODEOÑがアメリカへ進出する時に作った歌だった だが………認知度は低く………あまり売れなかった歌だから此処で歌って昇華してやる気だった 何処かで自分たちの歌は絶対に売れる なんて傲っていたのかも知れない……… アメリカ進出を粉砕され心も折れた だけど怪我を負い、命を狙われている【R&R】のリーダーを見ていたら……… それでも立ち上がり前へ前へと立ち向かう姿に… こんな所で挫折なんて出来るかよ!と思った そんな想いを込めて歌う リーダー、貴方にこの歌は贈るよ! RODEOÑが歌い終わると観客は静まり返っていた やはり知名度が低いと………駄目かと想っていた矢先にスタンディングオベーションが巻き起こった その勢いでStrong Hiも演奏し歌う そして演奏を終えると一条隼人と共に歌う Strong Hiは………今まで味わった事のない一体感に………無我夢中で歌っていた 隼人もアーネストも本当に嬉しそうに歌っていた 3曲終えると歓声と拍手が惜しみもなく送られた そして迎える審査発表 翼は合格者の名の書かれた紙を受け取ると 「事前に申さねばならない事が有ります Strong Hiの参加は決定事項なので敢えて発表者の名を呼び上げません! 貴方達にはイベント当日の対バンで頑張って戴くつもりです! 後でリーダーから【お題】が出されるのでコンセプトに合う楽曲に仕上げておいて下さい! では今回の合格者は中村翔太 貴方はステージの上に立つまでは汚いオーディションにそぐわない存在かと想いましたが、ステージの上に立つ貴方は誰よりも存在感があり輝いてました!とリーダーの言葉です エリオット・高崎 貴方は【R&R】のメンバー満場一致でした リーダー曰く中国雑技団ばりの柔らかさである貴方を使うのが楽しみだと言う事です! 後 鳳城由香里からダンサーに育てたい子を発表します!」と数名の名を告げ終えると コメディアンのセオドア・ウィルソンがマイクを持ち 「早瀬頼朝、貴方はコメディアンだとお聞きした 【R&R】の今回のコンセプトは貴方のパフォーマンスとかけ離れていたが、貴方は光るモノがありました! 貴方さえ望むならばアメリカで修行しませんか? 絶対にこの修行は貴方の糧となる筈です! オーディションが終わったら返事を聞かせて下さい!」と言った 烈は「皆 光ってて 皆 存在感がある方達ばかりでした! コンセプトがあるので今回は使えませんでしたが、また機会があるならば、オーディションに参加して下さい! 貴方達と繋いだこの縁(えにし)は繋がり何時かまた出会える日があると信じています! 今日は本当にありがとう御座いました!」とご挨拶をした オーディション一日目は無事終了した 烈は神野達のグループラインで「オーディション関係者とは、オーディションが終わるまで逢えないのよ ばぁたん達にもそう伝えておいてね!」伝えた 須賀は『烈、今夜は寝る場はあるのかい? オーディション終えたら逢っても良いのかい?』とラインする 柘植も『烈、動画を見た久遠先生がかなりポリポリしてたから怒ってました…… 私も………心配だよ?』と送信 神野は小鳥遊が『泣いて使い物にならないから逢ってやってね 小鳥遊 』とラインを送って来た 相賀は『烈、逢えるならば……それて良い 君の兄さん達も心配していたよ?』と送った 烈は「たかなち、覚える?約束?」と聞くと 小鳥遊は『あれ?本気でしたか?』と問う 「ボクは本気じゃない事は口にしないのよ! 由香里が頑張ってるからね、あきましゃ喜ばせてやってよ!」 『ならば全力で………佳き日を迎えたいと想います!』 「で、柘植は?マキちゃんと結婚式挙げられそう?」 『はい、バッチリ………と謂うかこんなに本気で口説き落とした事はありません! 誠心誠意伝えて………やっとスタートラインに立てました!』 と涙のスタンプと共に送られて来る 「それは良かったわ、なら明日逢いましょう!」 そう言い烈はラインを終えた するとサコッシュに仕舞おうとするとラインが届いていた 母からだった 開いてみると『烈、明日のオーデション、見に行くかんな!』との事だった 「母しゃん テツと共に動いてくれたかしら?」 『あー!準備万端だぜ!』 「にゃら安心ね!」 『明日は思い切り頑張れ!オレと伊織はオーディションの最中は裏方でお前に手を出されない様に気を付けるつもりだ!』 「母しゃん………」 両親の思いに烈は涙ぐんた 竜馬がそっと烈を抱き締めた オーディションを終えた烈はアメリカ軍の特殊部隊の隊員にホテルまで護衛され連れて来られていた 其のホテルは軍の施設の中に建つ来客用の宿泊施設だった 軍の訓練風景を見学に来たり、体験したりする人達の為に在る宿泊施設だった 大統領は飛鳥井烈を絶対に護りなさい!と指令を出していた このアメリカの地で………彼に血を流させる事は絶対に在ってはいけない事だから! 絶対に許してはいけない事だと捉えなさい!と大統領権限で発令を出した アメリカ滞在中、オーディションの期間中、イベントの最中は、護られる事が約束されていた ヤラセ無しのオーディションで選出されるのだから、文句は謂わせる気はなかった オーディション二日目 この日は榊原真矢、榊 清四郎が連名でオーディションに応募して通過していた アメリカの映画監督ならばアカデミー 衣装デザイン賞を受賞した熱き想いの俳優二人と謂う事もあり、興味津々だった 真矢達は中盤で出番となった 榊原真矢と榊 清四郎は和服を着ていた 深々と頭を下げた後に持ち時間5分精一杯使い、舞う この日の為に訓練してくれたのは花柳隆悦と花笠 宗家家元夫妻だった 悦郎の件が片付き四十九日も過ぎ、宗右衛門に檄を飛ばされ弟子達に教室の再開を告げたばかりだった 真矢と清四郎が日舞に通いたいと言うと花柳流を紹介したのは康太だった その日から厳しい訓練を受けて、訓練して来たのだ 二人は息がピッタリ合って圧巻とも言える舞を披露した 舞を終え舞を台去る時も深々と頭を下げ、凛として前を向き去る姿は…溜め息が出る程に美しかった 竜馬は「真矢さんと清四郎さん仕上げて来たっすね!ねぇリーダー、清家とあの二人を使い踊らせたらどうです? きっと素晴らしい絵が描けれるっすよ!」と言う 烈は「審査員と一般人投票が決める事だから、何ともボクは言えないわ!」と言った 竜馬は……リーダーに無名の者を使いイベントしよう!と言った時………… 同じタレントしか使わないって謂われてる!と言ってしまったから……… 少しだけ気に病んでいた 怒っても良いのに……何も言われなかった だから余計気にする オーディションも終盤に鈴原健人と謂う倭の国の俳優が登場した 5分の時間を使い彼は…………自己満足なダンスを披露した 烈は眉を顰めた 「どうして………此れが通過してるのかしら?」 と想わず言う程にお粗末なダンスだった 名簿を見ても……「名前載ってない!!」と気付いた時、ステージの上の鈴原健人は烈に銃口を向けて嗤っていた トリガーを弾き………銃弾を烈に向けて発射した 銃弾が烈目掛けて飛んで来る 烈は嗤っていた 「そんな手が何度も通用するとは思わないでよね!」と言い クーが飛んで来た銃弾を「ヨイショッと!」と言い鋭い肉球で弾き飛ばした 烈へ向けた銃弾は、銃口に再び戻され……暴発した バァァァァァァーン!と銃声が響き渡った その時間、5秒にも満たない時間だった 銃声に気付きアメリカ軍の特殊部隊が駆け付けて、血だらけになりのたうち回っている犯人を捕まえて、ブルーシートで隠すと、何事もなかった様に後片付けをした 飛鳥井翼は動じる事なくステージが片付けられるのを待っていた そして綺麗に元に戻るとオーディションを続けた ラストにアクションタレント シェリー・レイが登場して見事な剣捌きを披露した 此れにてオーディションは終了した この日 烈は審査員席には行かず、自分の結果と評価は竜馬に託してステージの上に上がった 【R&R】のメンバーや竜馬は審査員控室へ向かった 烈は「由香里!」と呼ぶと、鳳城由香里はステージの上に上がった タップの板を敷いて貰うと二人はタップを披露した 由香里は笑顔で烈とタップダンスを踊っていた 本当なら由香里がクルクル回るんだろうけど、由香里が烈をクルクル回して、スリットから出るスラッとしたお御足を惜しげもなく披露していた 二人はタップダンサー顔負けの踊りを披露する 余興の時間は皆笑顔になり、先程の衝撃を忘れる程には笑顔になっていた 由香里は烈を「おらよっと!」と高く放り投げ、一人でクルクル回りキャッチする 動くたびにスリットが捲れ上がり綺麗な足がスリットから見えるのだ 烈は「足見えてるわよ!」と怒るが由香里は笑って「誰も見ねぇよ!」と豪快にタップを踏む 余興の時間が終わり、烈は審査員席に戻った 由香里も審査員席に戻ると【R&R】のメンバーや他の審査員が戻って来て席に着いた 司会の飛鳥井翼に当選者の名の書かれた紙を渡す 翼はそれを広げ名を読み上げた 「それでは審査員の票、一般参加審査員の票を集計し【R&R】のコンセプトに合う選ばれた人は次の人です! 榊原真矢・榊 清四郎 アクションタレント シェリー・レイ 以上の二組です! 途中 お見苦しい場面を見せてしまいました事を心よりお詫び申し上げます! 【R&R】 アメリカ オーディションは此れにて終了致します! 皆様 有難う御座いました!」 翼は深々と頭を下げ謝意を伝える 烈も客席に深々と頭を下げ謝罪した、そして顔を上げると 「Anata ni aete ureshikattadesu Let's definitely meet again!」と言った ファン達は歓声を上げてスタンディングオベーションで想いを【R&R】に贈った 烈と竜馬と【R&R】のメンバーは、特殊部隊に護衛されつつ控室へと向かった 控室には両親が…………血だらけで立っていた 「よっ!烈!お疲れ!」 烈は卒倒しそうだった 「かぁしゃん!とぅしゃん!どうしたにょ?」 康太は「お前この上にラグナロクの戦士一個団体呼び寄せてるやんか! でもラグナロクの戦士押され気味だったかんな、オレ等も闘ったんだよ! んとによぉ爪のヤツ二匹もいやがったから少し傷したんだよ!」と説明した 「二匹もいたにょぉ〜?」 声が裏返ってしまった でも仕方ない、二匹もいるとは思わなかったから……… 特殊部隊の隊員が即座に医師に連絡をすると、軍医が駆け付けて来て、康太と榊原の治療に当たった 物凄い手際の良さて消毒をする 康太が消毒されるたびに「It fucking hurts!(クソ痛い!)」を連呼していた 榊原は静かに消毒され手当されていた 軍関係者が何故に怪我したのか?詳しく話を聞く 康太は英語で総てを語って聞かせた 特殊部隊の隊長は二匹?二匹!!!と何度も聞き直し頭を抱えていた 烈は軍関係者に「神野達をボク達の宿泊施設へ一緒に連れて行って欲しいのよ!」と言うと 「必ずやお連れ致します!」と約束してくれた 烈と竜馬と【R&R】のメンバーと康太と榊原は特殊部隊の隊員達に宿泊施設へと連れて行かれた 烈達は監視がし易い軍の中の宿泊施設で寝泊まりしていた 特殊部隊の隊長は部下に、神野達を連れて来いと命令をした 部下達は即座に動き神野達と真矢と清四郎と隼人を連れてやって来た 神野達はまさか………軍の隊服を着た者達に連れて行かれるとは思ってもいなかった ハラハラ・ドキドキとしながら連れて来られた場所に烈と竜馬とメンバー達がいた そして康太と榊原もいてホッと安心して安堵の息を吐いた 烈は「今夜の宿泊所は此処なのよ!明日帰るまで此処で寝なきゃ駄目にゃのよ! だから美味しいディナーも食事も用意は無理なのよ……その変わり帰ったらおもてなしするわよ!」と言う 神野は「おもてなしなんて良い!お前が無事でいてくれれば………」と泣いた 烈はニコニコ笑って「さてと逝くわよ!」と言った 神野は「え?何処へ?」と聞く 「ボクは約束は護る男なのよ!」とニャッと嗤う それで神野と柘植は納得した ラインで『今回の渡米は伴侶同伴よ!直君は出産近いから来ちゃ駄目よ!』と言う 須賀は『私だけでは駄目ですか?私も行きたいです!』と訴えた 「なら奥さんは実家に送り安全体制取ってから構わないわよ!」 と謂れ奥さんを実家に送り届け、安全体制取り、やっとの想いでアメリカへ来たのだった 康太と榊原は今回の事は知っていたから、家族は留守番で二人だけで来たのだった 烈達は護送車に乗せられ………何処かへ連れて行かれた 柘植は「此処は?何処なんですか?」と尋ねた 烈は「ボクは約束を守る男なのよ! そして今回の渡米は伴侶同伴で!って言ったじゃない!さぁ由香里頼むわよ!」と笑顔で言う 鳳城由香里は事前に待機していたのか、烈の言葉に姿を現し 「おー!任しとけ!準備万端だ!」と言い小鳥遊を見つけると引っ張って行った 「さぁマキたんも、行くのよ!」 「烈ぅ〜スリスリさせてくれねぇのか?」 「スリスリはアメリカでは禁止よ! さぁ誰よりも美しい花嫁になるにょよ! ボク、マキたんの花嫁衣装見たいのよ!」 「おー!了解した!ならば誰よりも美しくなって来るかんな!」 と白石真紀は嗤う その笑み………少し悪どかった 「おーい!真紀早く来い!」と由香里に呼ばれて真紀はスリスリするのを諦め向かった 康太は「あんな女優顔負けの顔して男前だよな………」とボヤいた 「まぁ大人しい女はボク達の周りにはいられない………って事なのかしら? ボクもそろそろ…………大人しい淑女見たいわよ」 康太は苦笑して「それ無理そうだな………」と言った 烈は少し恨みがましい瞳を母に向けた 「せめて……夫を蹴り飛ばさにゃい………妻が良いわ………」 烈の虚しい言葉に……誰も返す事はなかった 榊原が「無理なので虚しい事を言うのは止めなさい!君は康太同様、淑女なんて縁がありません! 熟女ならば君は大人気じゃないですか!」と笑い言う 「とぅしゃん…………熟女………それは嫌なのよ…… ボクは若くてピチピチにゃのに………」 その言葉に康太は爆笑した! 真矢は烈を撫でて慰めた 【R&R】のメンバーは言葉もなく……… そう言えば由香里と言い、飛鳥井の女性陣と言い……男前しかいないな……と心の中で男前を描き想う おほほほほ!よりガハハハハハハッと笑い飛ばす率多くね? 烈は「ボクは絶対に三歩差が出て夫に尽くすおなごを選ぶにょよ!」とふんふんと鼻息荒く呟く なのに榊原は「無駄な足掻きです!」と一蹴する 康太はひたすら爆笑していた 控室からは小鳥遊の「そんなの履けないってば!」の叫び声が響く 「うるせぇ!観念しやがれ!小鳥遊!!」 と怒声が響き渡る 「脱がせないでぇ〜」 「言う事聞きやがれ!」 そしてその声の後に真紀の 「苦しいって!死ぬぅ〜」の声が重なる すげぇ事態になってますがな………と想いつつ気を取り直して 康太は「それより聞きそびれたが、此処は何処なのよ?」とやっと聞く事が出来た すると烈は 「今回ボクはユニバーシェルスタジオの代表 ジョシア・ギルバートと対談したのよ その時プライベートな話も休憩中にしてね ボクは友の結婚式を挙げるつもりだから、何処かに良い式場ないかしら?て!聞いたのよ そしたらジョシアが、ならスタジオを貸してやるよ!と言ってくれ貸してくれたのよ!」 と説明した ならば此処はユニバーシェルスタジオの中という事か……… ちゃんと神父を呼び寄せ結婚証明書も用意させたと言う 須賀の妻も着せたがったが、何せ 今 妊娠中で………何時生まれるか解らない周期になってるし、養子にした子の世話もあるし、で駄目と言ったが、どうしても!と謂われて妻の安全確保したら良いわよ!と言い、約束を守った須賀が見届人になる事になった事も話した 暫くは康太と榊原と烈とで盛り上がり話をしていた それに竜馬や隼人やメンバーが加わり爆笑しまくりのトークが炸裂した 其処へ何処から見ても美しい花嫁が連れて来られた 白石真紀はとても美しかった 小鳥遊も負けずと美しかった 神野と柘植もタキシードを着て式場へと移動する 式の見届人もスタジオのセットの式場へと移動した 神父の前に花婿が立つ 榊原と須賀が呼ばれバージンロードを一緒に歩いてくれ!と頼まれた 榊原は小鳥遊、須賀は真紀と共にバージンロードを歩く事になった 神野は信じられない想いで一杯だった 柘植もこの日の為に信頼を得て、話をさせて貰い、やっと友達になれ………交際を始めさせて貰えた 彼女は立派な自立した女で、モノでは釣れない 悪戦苦闘して自分を曝け出し、泣きながら懇願した こんなみっともない自分じゃ……貴方の横には立てないですね………と諦めようとした 泣きながら………全てを失う絶望を痛感させられていた なのに真紀は「本気なんだな!」と確かめて来た 柘植は「本気です!」と言う 「なら何で手も繋がねぇんだよ!」 「え?………繋いで良いの?」 「交際してくれ!言ったのに手も繋がねぇならば、好かれているとは思わないじゃねぇか!」 そう言う彼女を抱き締めて………口吻けた その日からは当たり前の恋人同士になり、何時しか互いを求め合い………激しい夜を送る日も………あった そしてプロポーズした 彼女は「浮気は絶対に許さないからな!」と言う  「しないよ!君だけを見るし、一緒にこの世を去る瞬間まで一緒にいて下さい!」と言うと涙を浮かべながら「はい!」と返事を貰った 柘植恭二 一世一代のプロポーズだった 彼女を愛し 彼女と共に行きていく もう他は見ない 共に行きてくれる人の手を取ったんだから! 真紀は「私は仕事は辞めないぞ!」と前もって言う 「辞めなくて良いよ! 君の手を必要としている患者さんがいる だけど僕と生活を共にして欲しいんだ 家事は時間に余裕がある僕がやるよ 浮気はしない………したら烈に見向きもされなくなるからね………それは嫌だし、僕は誠実でいたんだ!君に対しては本音も隠し事もなく生きていたいんだ!」 本音を曝け出し言う 真紀はそんな誠実でいようとしてくれる柘植と今日 この日に式を挙げ共に生きる事を心に決めた 二組の花嫁と花婿が新婦の前に立ち 結婚の誓いの言葉を述べる 誓いを立て、口吻けを交わし 指輪の交換をし 婚姻証明書にサインして、婚姻は成立した 挙式が終わると写真撮影をした そして花嫁と花婿は二人して式場を出て皆の前に姿を現すとライスシャワーで二人を祝う Congratulations on your wedding! と言い沢山の花弁とライスシャワーを幸せな2人に降り注ぐ 康太達は幸せなカップルを写真に沢山収めた アメリカの地で神野と小鳥遊、柘植と真紀は結婚式を挙げた 神野はずっと泣いていた 柘植もずっと泣いていた 二人は幸せな涙を流し、幸せを実感していた そしてその夜は宿泊施設に戻り、夜が明けるまで祝賀会が開かれた 烈は早々に寝ちゃったが、大人連中とクーは何時までも、何度でも乾杯して盛り上がっていた 康太と榊原も幸せな瞬間に立ち会えて本当に良かったと想っていた そして翌朝 烈は倭の国へ、竜馬と【R&R】のメンバーと由香里はイギリスへと向かう 翼はオリヴァーが逢いたいと言ったからヨニー©イギリスへ行き、数日滞在する事になった 空港では別れを惜しむ竜馬の姿があった 竜馬は「烈、またラインするからね!」と別れを惜しみ恋人同士かよ!と言う程に別れを惜しみ………メンバーに引き摺られてイギリスに向かう飛行機に乗り 烈は両親と神野達と倭の国へ行く飛行機に乗り込んだ 挙式の日の花嫁衣装は由香里とメンバーとで結婚祝いだ!とプレゼントされた 神野は「ならば我が子に着せて繋いで逝くよ!」と約束してくれた 柘植も「私も我が子に託して行ける様に頑張るよ!」と言い妻の手を強く握った  そして倭の国へ到着すると慎一がバスをレンタルして向かいに来てくれていた  真紀は「総合病院まで送ってくれ!患者が待ってるから仕事するわ!烈が医療ビル建てたらその中で働くし、そしたら時間に余裕持てるけどな!」と笑って言う 総合病院へ先に向かい下ろすと、職場へと向かって行った そして慎一は家族を飛鳥井記念病院で下ろすと、バスを返しに行ってしまった 真矢は「私達は自宅へ帰っても良いのかしら?」と問い掛けた 康太は「あぁもう大丈夫だろ?だけど今日は一緒に過ごしましょうよ!」と言った 清四郎は「一緒にいられるなら、いたいね!」と言い共に逝く事を決めた 飛鳥井記念病院の横のマンションへ入って逝く そしてエレベーターを素通りして、こんな通路知らないよ?って所へ出て………裏手に回る すると裏手には………真新しいビルが建っていた そのビルの中へ入り自動ドアのロックを解除すると中へと入る そして玄関のドアを開けると「お帰りなさい!」と翔達が出迎えてくれた 神野は「え?此処は何処?」と不思議そうに言う 康太は応接間へと入りソファーにドカッと座る そのソファーは飛鳥井の家にあったモノだった 倉庫に運ばせたモノを幾つかの倉庫を経由して、目眩ましを続け、やっとこの家に入れたのだっ 康太はソファーに座ると皆もソファーに座った 烈の前に兄達が薄めのジュースを置いたりしていた 勿論両親や神野達の前にも、慎一が淹れてくれた珈琲や紅茶を置く 康太は「この家は立体駐車場を作った時に、職員用の駐車場も整地してビルを建てていたんだよ 職員用の駐車場だから病院の裏手にあるし目立たねぇからな、隠れ家として宗右衛門が建てていたんだよ! オレも宗右衛門が何処に土地を持ち、何をしてるのかは?知らねぇかんな 今回、あのビルを知られて引っ越さねぇとならなくなって、この隠れ家へ越して来たんだよ 烈はアメリカで目眩ましの様に配信しまくり、倭の国にいないアピールしていたのは、その為なんだよ!」と説明した 自分を囮にして………標的の目を自分に向けさせ、その間に家族を無事な所へ避難させ引っ越しさせていたと言うのか? 榊原は「今後は定期的に幾つかの家へと転々として引っ越すでしょう! それも………2年後、この近くに越して来る日の為です!」と言った 康太は嗤い「宗右衛門が建てる家はからくり屋敷さながらのトラップありまくりの家だろうからな 建つのも期間が掛かるんだよ! 本当ならば半分の期間で建つ家でもトラップ仕込むとなると倍はかかるんだよ そしてその家には誰も手出しは出来ねぇ家になるかんな!それまでの辛抱なんだよ!」と謂う 須賀は「この様な家が幾つも在ると謂うのですか?」と問い掛けた 「土地転がしの天才を駒にしてる宗右衛門だからな、土地を持ち、家を建て、ビルを建て、繁栄を齎す宗右衛門の仕事だかんな! いざと謂う時の布石など幾つも打ってあるんだよ!」 学園にも近くなり、兄達は中等部へ通い始めた 烈もイベントの後は通うつもりだった 清隆達は総ての車を売り飛ばし、国産の安い車に買い替えた 榊原も妻からのプレゼントの車を売り飛ばした そして8人乗りのベルファイアも売り飛ばし、安めのワゴン車を買った 病院の送迎とかで使われるマイクロバスタイプの車だった その車は病院の立体駐車場に停めてあった 立体駐車場には関係者用のスペースが有る 一階は関係者用のパスがないとゲートが開かない だから病院に来た患者はスロープを上がり上へと駐車する 医者も専用スペースが2階に確保してあるから、其処へ駐車する様になっていた 飛鳥井の家族の車は皆 一階の関係者用に入れてあった 真矢は「こんなに近くなったのね!」と喜んでいた 烈は「ばぁたんちの2階のこれは非常階段よ!と言ったスペース在るじゃない?」と話し始めた 清四郎は「ええ、非常階段だよと言ってましたね!」と思い出し謂う 「あのスロープを下がると薬局を通り越して地下に出られるのよ! で、その地下通路使うと、病院の横のマンションの非常口に出るのね そのドアを開けて出ると、この家に来られるわよ!」とニコニコと謂う 清四郎は此れが宗右衛門マジックなのかと痛感した 榊原は「因みに桜林学園の温室に出られる通路もあるので、翔達はその道を通り通学しています!」と言った 柘植は「この家は安全なのかい?」と問い掛けた 黒いジャガーが狙ってて大丈夫なのか?と思ったのだ 翔が「その対策も宗右衛門ですから、してあります!」と答えた 榊原は「今夜は飲みますよ!」と言った 皆で客間へと向かった 家の作りは何処が飛鳥井の家に似ていた 飛鳥井の家とマンションの家を足して二で割った様な懐かしい家だった 慎一が腕によりをかけて作り上げた料理を食べて宴会へ突入する その夜も楽しい時間となり……夜明けまで楽しい声が響き渡った 久し振りに家族が揃って、皆が来て楽しい時間が送れた夜になった 翌日 真矢と清四郎は久し振りに家に帰宅した 飛鳥井の新しい家は5階建てのマンションだった 一階は玄関があり、その横にシューズクロークが備わっていた 応接間と応接間横にはワン達のサンルームもあり、廊下を通って奥へ行くと客間と茶室とキッチンと源右衛門の部屋もちゃんと用意してあり、仏壇は源右衛門の部屋に戻した 源右衛門の部屋は前より広く作られていた 源右衛門の部屋の隣には総代の部屋があり その横には玲香の部屋と清隆の部屋もあり、部屋は別々で寝室とリビングがありバス・トイレが着いていて前より広くなっていた 2階は総代の部屋 瑛太夫婦があり 前の家との違いは瑛太夫婦の部屋は京香、瑛太、それぞれの個室があり寝室とバス・トイレが着いて少し広めのリビングがあった 子供部屋はその横にあり、瑛智、柚の部屋はぞれぞれあった 瑛智の部屋はすっかり子供らしい部屋になっていた そして足の悪い悠太と聡一郎、そして一生と力哉の部屋もその階に入っていた 二人の部屋はそれぞれ独立していたが中扉で何時でも出入り出来る様になっていた そしてバス・トイレと洗濯機が置けるスペースもあった そして悠太の製図部屋もその階にあった 3階には慎一 隼人 北斗 和希 和真 永遠 凛 椋 レイの部屋がある そして洗濯室と浴室とトイレが作られていた それぞれの部屋はやはり他の部屋同様 寝室とリビング付きの大きく息の詰まらない空間を創り出させていた 隼人の部屋は2部屋あり、俳優だから服も多いからクローゼットを大き目のウォークインクローゼットにしてあった 東堂御影の部屋も今は此処に作られていた 4階には翔 流生 音弥 太陽 大空 烈の部屋がある 翔達の部屋も寝室とリビングと切り離して作られていた そして洗濯室があり、飛鳥井の家にあったドラム式洗濯機が配置されていた 少し大きめの浴室洗があり、兄弟全員入っても有り余る風呂が有り、その横にトイレがあった バス・トイレは2階まで各部屋に設置してあった 3階と4階は大きめの浴槽と、混雑を考えて3個ずつトイレを用意してあった 5階は康太と榊原、そしてワンやにゃん達の運動する場が作られていた そして窓一面に流生の温室があり広いベランダが広がっていた 烈の野菜はこのベランダで作る予定だった 烈は父に「父しゃん 島忠でお野菜買いに行かなきゃ!」と言った 引っ越す時 流生の名のある薔薇以外は処分したからだ このビルの上には屋上はあるが、太陽光パネルが敷き詰められ外には出られない様になっていた 流生の薔薇は運び込まれ、流生はまたお世話をする様になっていた そして5階には茶道と華道をする為の部屋も作られていた そしてこの家には階段の横には小さいがエレベーターが着いていた 康太と榊原は5階まで上がるのはしんどいから、エレベーターが付いてて良かったと思った この新居にお引越ししてる最中は、飛鳥井の家族すら知らないで進めていた 烈がせっせとアメリカで配信してる最中に荷物を倉庫に幾つも経由して移動して後を着けられなくなるまで巻いて運び込ませていたのだ そして公園で寝てた件で、すっかり烈は飛鳥井の家には帰ってはいない………イメージを植え付ける事に成功した 飛鳥井の家に帰って来ても、烈の配信は止まらない わざわざスカイツリーじゃなく、東京タワーが窓の外に見えるホテルで動画を撮り 隼人のプロモーションビデオの撮影に携わる為に沖縄入りして碧い海を背景に生配信しちゃったりした 沖縄の海で隼人は日焼けした体を隠す事なく披露……… 「しちゃぁ駄目よ!」と烈が言うからパーカーを着てチラ見せしながら撮影 表情とポーズの見せ場を熟知した宗右衛門は、雑談し隼人はリラックスしてる所を右手を上げたらシャッターを切れ!と指示してカメラマンを待機させていた そして海辺はガルとガブとルシが頑張り、隼人に戯れる ワンと戯れる隼人は優しい顔をしていた ついでに海を知らない小虎がビビり、ニャーニャー鳴きまくると抱き上げて、連れて行く姿も撮らせた 神野に「どう?写真集出せそうかしら?」と聞く 神野と小鳥遊は烈にフルーツを差し出して 「最高なのが撮れそうだよ!」とニコニコで言う 何故そうなったかと言うと、「沖縄に行くのよ、ボク!」と言う烈のラインを見て小鳥遊が 『え?沖縄?何をしに行くんですか?』と尋ねた 「ボクはイベントに向けてと言う名目で、各地で生配信するのよ! それが家族を護る為だからね!」 『ならその沖縄旅行の、費用は持ちましょうか?』 「え?ボク施しされる程落ちぶれちゃいにゃいわよ?」 『いやいや、施しじゃなくて隼人の写真集の手伝いをして貰えませんか? 此処数年出してないんですよ! 康太に頼んでも『映像は宗右衛門の専売特許だかんな、オレはもう手を出す事はねぇよ!』と言うから写真集を撮ってないんですよ! だから沖縄に行くなら、隼人の写真撮って下さい!そしたら食事は勿論、ヘルシーなの用意しますし、旅費とコテージ代も持ちます!』 「ボク体小さいから大きなカメラなんて持てないわよ?」 『カメラマン同行させます!』 「なら条件があるから飲んでくれるなら良いわ!!」 『何ですか?』 「ガルたん親子と虎親子を沖縄に連れて来て欲しいのよ!」 『え?何でですか?』 「隼人は動物好きだけど、我が家の動物を見る時の顔は滅多としないのよ! だから動物を添えるなら、飛鳥井の家のじゃなきゃ駄目なのよ!」 成る程!小鳥遊は納得した 犬と戯れ駆けてゆく姿は時々逞しく割れた腹筋をチラチラ魅せて良い構図となった カメラマンは目を輝かせ「流石宗右衛門です!御一緒に仕事出来て光栄です!」と感激していた 烈はワン達のストレス解消を兼ねて、沖縄までやって来て思いっ切り走らせてやりたかった………だけなのだけど…… あれから週に3回 ワンの散歩をするバイトを雇った 志津子がバイトにワン達を頼み行かせるから、烈関係の犬だとは思わないだろう……… しかも金太郎も込でみ散歩に行かせるのだ そして新しく飛鳥井の家族に加わった犬も入れれば、烈の犬だとは思われない筈だ あれから烈はRODEOÑのボーカルのアーネストに黒と白のウィルッシュコーギーをプレゼントされ貰った リーダーんちはテリアとシュナウザーがいるんだって?と聞かれ、ワン話に花が咲いたからだ そしてコーギーは亡くなった話をした その時、アーネストは「うちの犬が子を産んだからプレゼントするよ!」と言ってくれたのだ 竜馬がこの前倭の国に来た時に渡してくれ、まだ家が安定していないから一ノ瀬動物病院に預かって貰っていたのだ そして晴れて飛鳥井の家にやって来て、黒の助と名付けられ家族に加えられたのだった 最初 烈は黒に白が混ざった子だから、葬儀の幕みたいだから、ソーギちゃん?と名付けようとした それを大空が「その名は絶対に駄目よ!」と止めたのだった で、なら黒の助ね!となったのだ! 家族は………ならって?……どうしてそうなった??? だったが………黒の助は家族の一員になったのだった が、黒の助はまだ子犬だから沖縄まで来るのは無理だから留守番だった ついでにチャンピオン犬の金太郎も留守番になった チャンピオン犬の首輪してるのなんか、撮影に使えば何処の犬か解ってしまうからだ ガル達が戻るまでは散歩へは出られなかった 何故 金太郎がチャンピオン犬になったかと言うと…… つい最近 美緒がドッグコンテストに出ると言うから、玲香が「ならば我は金太郎をエントリーさせて出ようかのぉ〜」と物凄く軽い気持ちで言ったのが始まりだった 軽い気持ちでコンテストに参加した所、金太郎は見事に優勝しイオリが着けていた優勝者の首輪を嵌める事となった まるでイオリが生きているみたいで……… 兄達はせっせと世話を焼くのだ 優勝した金太郎を見て………どんだけ世話焼かれておるのじゃ?と思ったのは言うまでもなかった 美緒は「………金太郎はイオリのコピーみたいじゃな………」と残念がった だがキャットコンテストでは美緒が貰い受けた虎之助の子が優勝したのだ 高価な猫に混じりトイガーが頑張った 逆に気が引けたのは言うまでもなかった まさか…トイガーが優勝するとは……想いもしなかった だから美緒は「小虎はコンテストに出さぬのか?」と問う 「烈はそう言うの全く興味がないのじゃよ! あの白い猫の首輪みたかえ? 大層高価な石が入ってると真贋の康太の目が見定めたのじゃけど……烈にとったら『此れで見分け付くわね!まぁ元々プーたんはフォルムがプーさんだったから着けたんだから………見分けはついてたわよ!』と言っておったからな、烈にとったらどんな高価な首輪でも、見分けが付けば良い程度の首輪でしかないのじゃよ! そしてチャンピオンであろうが、なかろうが家族なのじゃよ!」と謂う それを聞き美緒は「何か…血統に拘っておった我が愚かに想えるではないか……」とボヤく 玲香は静かに笑っていた そんなほんわかとする話題も烈のラインに兄達から届けられ、烈もニコッとなるのだった 撮影は順調で、烈の配信も順調に届けられていた 隼人の写真撮影が終わる頃、須賀と柘植と相賀が沖縄にやって来た 「烈ぅ〜!!」 沖縄の離島のコテージに泊まり込み、連日撮影をする隼人と烈は日に焼けて黒くなっていた 食料を大量に買い込み夜は宴会をしたいのが見え見えの荷物だった 須賀は「うちのタレントは写真集は誰一人出してませんから羨ましいです!」と言う 柘植も「うちは清四郎夫妻の写真集が未だに売れていますが、他は全くです……」と残念がっていた 「直くんとこ夏蓮の水着とか写真集にすれば良いにょに……」 「水着ですが?売れますかね?」 「際どいハイレグとかじゃ駄目よ! スクール水着より可愛く、少しセクシーさをアピール出来る位の水着着せて、若い青春のおかずにするんじゃなく、女の子にあの水着着たい!とか、あの水着良いわね!的に興味を持たれると、同性のファン獲得出来るわよ! 同性のファンって必要よ!」 とアドバイスする この日の烈は背中に虎模様の猫を貼り付け、頭にもその小さい版をへばりつけていた 須賀は「アドバイスお願いします!」と言う 柘植も「ならば私の所もお願いします!」と言う 烈は「なら三社共同事務所で写真集だしたら? 夏らしい海に行きたくなる写真集出したら?」と言う 神野は「なら烈がそれを手伝ってくれるのかよ?」と聞いた 烈は「良いわよ、だけどもう直にボクはアメリカに行くからね、帰って来たら協力するわよ!」と言う 須賀は「それは心強いです!」と言うと柘植も「はい!楽しみです!」と言う 「なら写真付きのプロフィール揃えてよ! ボク、沖縄にいる間に見るわよ!」 「「直に揃えるよ!!」」 須賀と柘植は事務所のスタッフに直ちに写真付きのプロフィール用意して送れ!と告げた PCへ送って貰いプリントして作成する! それに小鳥遊もちゃっかり加わり書類を作成する! 書類の作成が終わる頃 撮影も終わりを迎えた 撮影 全工程総て終えると撮影スタッフは機材を車に詰め込み帰って行った 烈達はその夜は泊まり明日帰る事にした 美味しいフルーツを沢山食べ、ご飯も食べお腹一杯だった 神野やクーは宴会に突入していた その夜、烈は三社共同事務所の若い女性タレントの顔写真付きの名簿を眺めていた 直接に目にせねば解らないが、少し手を加え磨けば、テレビ映りの良い子はいる 烈はペラっペラっと確かめながら捲る その中で烈の目が一人の子に釘付けになり、手が止まる子がいた 視てると気持ちが悪い気分になる………… 何?これ?………… この写真に呪詛でも仕込んであるの?  烈はその名簿をベリッと破りクーに飛ばした 烈は崩れ落ちて………意識を失った 神野と須賀は慌てた 柘植は救急車を呼ぼうとした が、クーが「救急車は呼ぶな!」と言う 「取り乱すな、絶対に異変を悟らせるな! 良いな、お前等は烈の荷物とワンとにゃんを連れて朝になったら横浜を目指せ! ワンとにゃんは志津子に連絡して渡してくれ! 飛鳥井の家へ行くならば………慎一に連絡しろ! 俺は烈を連れて行く! その紙は………時空に飛ばしておくから、お前等はこのタレントとの接触を図るな!良いな!」 と念を押された 4人は頷くと、クーは烈を咥え姿を消した 4人は取り敢えず落ち着く事にした 小鳥遊は「ワゴン車にワンとにゃんを乗せて、空港に着いたら飛行機に乗り込み、東京で降り横浜へ向かいましょう! 横浜に近付いたら志津子さんに連絡してワンとにゃんを渡す!今はそれしか考えない様にしましょう!」とクーの言葉を思い出し言う 須賀は「そうですね!朝になったら取り敢えず横浜へ行くしかない! 横浜に着いたら志津子さんにワンとにゃんを渡し、慎一に連絡取りましょう!」と言う 神野と相賀と柘植は頷き、烈の荷物をワゴン車に入れ始めた そしてお酒を抜く為にお茶を飲み……長い夜を只管祈って過ごす事になった そして朝になるとワンをレンタカーに乗せ、にゃんをゲージに入れ固定した 烈が心配で堪らなかった だが誰にも気取られる訳には行かないのだ! 神野はレンタカーに隼人とワンとにゃんを乗せ、空港へと向かった 柘植も須賀と相賀をレンタカーに乗せて、その後を追う 一体  何が起こったのか? 解らずにいた 須賀も神野も柘植も相賀も責任を感じていた……… そしてタレントの中に…………何やら悪意を仕込まされたのか?と想った 神野達はレンタカーを引き渡し 飛行機に乗り込み東京へと向かう 小鳥遊は東京に着いたら事務所の人間を呼び出して車を持って来て貰う様に手筈を整える 柘植は「この事……康太に知らせなくて大丈夫なのか?」と小声で聞く 神野は「病院に着いたら………で良いだろ? 誰が聞いてるか?解らねぇからな!」と言う 皆は頷いた 想いは………烈を想う どうか……無事でいて…………

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