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第二部 復讐鬼の目標
「う、……ぐっ、……ぅっ」
さっきから俺の上でヘコヘコと腰を振っていた男が、ううっと呻いて腹の奥に精液を排泄した。
びくびくと腹の中で性器が跳ねて、熱い粘液が腹を満たす。腹に出された精子の分、不快感と圧迫感が増した。
「ふぅ……さ、仕事戻るか」
そんな独り言を言い、自慰でもしただけかのようにさっさと俺から離れて行ったその男は、この城の下働きの男だ。
今日この男の前に俺を使った男は、城に野菜を届ける為出入りしている年老いた農夫だった。
俺が性奴隷として扱われるようになり、一か月。
初めは将軍連中や高官達が使いに来ていたが、やがて士官ども、下士官ども、兵卒どもと、やってくる男達の位が下がり、最終的に城の片隅の納屋に放り込まれ、下男どもの精液便所扱いになった。
俺を使った奴らは口々に「つまらない」「具合が良くない」「反応がない」と不満を言っていた。
当たり前だ。
下賤な強姦魔達を喜ばせる必要がどこにある。
それに、俺自身も痛いだけで全く感じていないのに反応など返せるか。
オルガは誰に使わせても「良かった、最高だった」と言われていた。
あの真性娼婦と俺は違う。
高潔な将軍の皮を被ったあの薄汚い男娼は、痛がったのは初めのたった一回だけだ。後はよがり狂い、男を求める淫乱女と化した。
まあ、俺が十分に慣らして教育したから、というのもあるだろうが。
苦痛を与え痛め付けるよりも、快楽に堕とす方がプライドを傷つけられると思いそうしたが、今の俺の状況を思えば俺と同じようにしてやれば良かった。
家畜のような扱いで、餌として出された奴らの残飯にまで精液をぶっ掛けられ、さあ食えこの豚がと嘲笑を受ける屈辱を、あのオルガ・ローレンスタに味あわせてやりたかった。
「はい……ここですが、本当によろしいので?ろくに洗いもしていないから汚いですよ……あ」
ふと、俺が放り込まれている納屋の外で話し声が聞こえた。
ガラッと引き戸を開けられる。
次の男が来たかと思ったが、いつもと少し様子が違った。
重い足音と共に、ガチャリ、と鎧の金属が擦れる音がする。
入っきたのは、背の高い大柄な男だ。
短い黒髪で、右眼に眼帯をつけている。残った左目は淡い青だ。
鎧からはみ出た腕や足が、まるで丸太のように太く引き締まっていて、中々威風堂々とした男だ。年齢はオルガと変わらないだろう。
手には、湯気の立つ桶に柄杓を突っ込んだ物を持っている。
身に付けている鎧は確かにアイルザンの紋章の付いたものだが、俺は全く見覚えがない。
胸元の階級章を見れば中将だが、中将程の位の高い軍人で顔も見た事が無い奴などいただろうか。
男は黙って俺を見下ろし、眉を顰める。そして、手にした桶に入った湯を柄杓で俺にぶっ掛けた。
「……ぅっ!?」
熱湯かと身構えたが、そう熱くは無かった。男はバシャバシャと湯をかけて俺を洗う。
納屋の床がびしゃびしゃに濡れるから勘弁して欲しい。湯が冷めれば冷えるではないか。
納屋の木の床に杭を打ち、両手足をくくられた俺は床が冷えても逃げ場はない。
「……くっ……あっ!」
無言のままで、男は俺の尻に手をやり、指で穴を開いた。ドロドロとさっき出された精子が垂れて出て行く。
ズルンッと太い指が入り、精子を掻き出した。時々湯を入れられ、中を洗われる。
「や、めろ!そんな事は止めろ!俺の中を、お!?うおっ!!」
突然、節だった指がゴリゴリと三本ねじ込まれた。衝撃に声が出る。
指は今度は中をグルグルと掻き回しては抜き、また差し込んでを繰り返してきた。
「……ぅっ……んんっ!」
指が中のコリッとした部分を擦ると、腰が跳ねた。前立腺を見つけられた。そこを抉るように抜き差しされる。
ビリビリと痺れるような感覚がその場所から生まれた。
そう言えば、指でここを弄った男は今まで居なかった。俺を使う男はみんないきなりぶち込んできただけだ。
「ふ、っ!やめ、ろ!止めろ、と、言ったぞ!く、そう!ぅうっ!」
じゅぽじゅぽと音がするほど激しく、隻眼男の手が前立腺を重点的に攻める。
太腿が震える。
腰が浮く。
感じている、この俺が、娼婦 のように。
「…んんっ!ぐ、ぅ!んぐ、ふぅっ!」
歯を噛み締めて、快感を堪える。白銀の髪が視界の端で跳ねた。身体が勝手に震えているのだ。
俺の股間の一物も、立ち上がり露を垂らしはじめてしまう。
男の手で感じさせられ悔しい。目で射殺すつもりで男を睨むが、男は訝しげに眉を顰めた表情で延々と指での愛撫を続けていた。
どれくらいそのまま弄られ続けたか。
嬲られ過ぎた前立腺が痺れはじめて、俺の陰毛が俺自身の先走りでびちゃびちゃ濡れてしまった頃、ようやく男は愛撫を止めた。
身体がひくひくして、力が入らん。
嫌だ。こんなのは嫌だ。
オルガのように、なりたくはない。
「殺すぅっ……殺して、やるっ……」
快楽で滲んだ涙のせいで視界が悪い。それでも、俺はこの変態男を睨み続ける。
すると、男はやはり機嫌の悪そうな顔で俺の股間に顔を埋めた。
「ん、なに!?何故っ!?ふ、う!?」
熱い口の中に招かれて、困惑する。同時に指での前立腺への愛撫も再開された。
二箇所からじゅぷじゅぷと音がして、俺に二重の快楽を与えた。
久しぶりの性器への愛撫で、射精感を抑えられない。
「ぐ、う、はな、せぇ!!は、あうっ!!」
ググっと前立腺を抉られ、同時にちゅうと吸われて、ついに俺は耐えきれず射精してしまった。
一か月ぶりの射精に頭がチカチカする程感じてしまう。
ごくっごくっと飲み干す音がして、絶頂に浮かされた頭の片隅で「この変態男は何故ここまでするのだ」と不思議で仕方なかった。
「は……あ……」
弛緩した身体を投げ出し、俺は余韻に浸る。
萎えた性器をちゅるんと吐き出して、男は口を手の甲で拭い身を起こした。
「……長かったな」
やっと口を利いたと思えばそんな言葉で、去り際のオルガの言葉を思い出し恥辱に身体が震えた。
男の声は、やけに美声だった。低く甘い掠れた声は、睦言を囁けばたいていの女はイチコロだろう。
それが、言うに事欠いて長いだと。
侮辱にも程がある。
「貴様っ……わざわざ俺を愚弄する為にこんな事をしたのかっ!殺してやるっ……貴様だけじゃない、この俺を侮辱する者は皆八つ裂きにしてやるっ!」
「どうやってだ」
聞き返され、はんっと鼻で笑った。
縛られた鎖をじゃらりと鳴らし、俺は足を開く。
「ここを使いに来たのだろう。貴様が俺に乗ったら、その喉笛噛み切ってやる」
「それではオレ一人しか殺せん」
虚を突かれ、俺は男の顔を見る。隻眼のその眼からは何を考えているのか読み取れなかった。
男は自らの前を寛げて、性器を取り出す。半勃ちのそれを扱き、硬くしていく。
喉笛噛み切ってやると言われても、まだ挿れる気か。
「オレが死んだ後貴様は処分される。他の方法を考えろ」
「………なんだと?」
白い太腿を掴まれ、剛直を押し当てられた。くりくりと尖端で穴の入り口を捏ねられて、じわじわと中に入り込まれる。
「ん、……はぁっ……」
ゆっくり挿入されると、いつも感じる痛みが無くジンジンと中が疼いた。
さっきまで指で散々慣らされたからなのかもしれない。苦しさより、快感が勝る。
「ふう、う!ふ、ざけるなっ!違う、俺はっ、オルガとは、あぐ、ふぅっ!」
ずぶっと根元まで挿れられて、身体が勝手にビクビク震える。悔しくて男から顔を背け、目を固く閉じた。
ゆっくりと一旦引き抜かれ、またゆっくりと捻じ込まれる。それを何度も繰り返された。
そうされる度に、狭い入り口も男の一物に慣れていってしまう。
「ぐ、う、はぁっ」
丹念に慣らすように、緩い動きは続く。そうやって俺を穿ちながら、男は俺の乳首に手を伸ばした。
コリコリと指先で転がされ弄られると、むず痒くてジンジンする。
マクスウェルも、時々ここを舐めたり吸ったりしたがった。
当然、俺もマクスウェルの乳首を愛撫し尽くし、乳首だけでイケるまでに開発してやったものだ。
だからここが性感帯なのは重々承知しているが、こんな男に乳首を愛撫されて感じてしまうのは腹立たしくて仕方がない。
「や、めろっ!あ、ち、くび、嫌、だぁ、」
「……中が、ひくひくしている」
「ひあっ!なん!?あ、くぅっ」
両側の乳首を摘まれ、軽い痛みに身をよじる。
確かにそうされると勝手に体内が収縮して、男の性器を締め付けてしまった。
徐々に男の動きも早くなり、パンパンと肉がぶつかる音がし始める。
だが、痛みは既にない。
感じるのは、腹を掻き回される違和感と圧迫感。そして、快楽だ。
「ぐ、うっ!うあ、あー!くそ!くそぉ!いや、だ!いっ!やぁ!」
射精が近いのか、両手で腰を掴み直されより激しく突かれる。
一突き毎に快楽が強まるようだ。視界が涙で霞む。男の顔が近づいてきて、俺の額に口付けをした。
「……っ」
そして男は俺に深く挿入し、小さく息を飲んだと思うと、腹の奥にどぷんと熱い精液が吐き出された。
熱がじわぁっとそこから下腹に広がると、妙な満足感を感じてしまう。
今までの男に射精された時とは、少し違った。
「……く、っ…う、…うぅ」
その違いが悔しい。
まるで、男の行為を受け入れてしまったようではないか。
男は繋がったまま俺を見下ろし、俺の勃起した性器を指でなぞる。
「……勃っている」
「ぐっ、だから、なんだ!貴様がそうさせたのだろうが!」
「喉笛を噛み切るんじゃなかったのか」
「……っ!?き、さまがっ!他の方法をとっ」
「そうだ。どうすれば、お前の憎い人間全員殺せる?」
なぜこの男はそんな事を聞くのか。
しかし、男に手淫されながら一応考えてみる。
武器も持っていない。そもそも、俺はたいして剣は使えない。味方ももう城には居ないだろう。いればこんな扱いされる筈がない。
この身一つ。この身一つで、できること……。
「……貴様が、代わりに殺してくれないか?」
この男は、どうやら今まで俺を使ってきた男とは違う。
この男を誘惑するのはどうだろうか。
「駄目だ。そこまでしてやる義理はない」
「……ならこの鎖を外せ。なに、逃げはしない。特別に、いい思いをさせてやろう……こう見えて、男のいい場所は知り尽くしている……」
流し目で誘って見ると、男は真顔で頷いた。
男は繋がったまま、じゃらり、と俺の腕の鎖を外す。足は片足だけ外された。ずっと拘束されていた手足は鬱血している。
それでも、自由になれたのは喜ばしいことだ。
さっそく男を愛撫してやろうと手を伸ばしかけたが、やんわりと手を払いのけられる。
「できるならした方がいい。オレだけでは無く全員にだ」
「はあ?何故だ」
「……今のお前は、娼婦以下の公衆便器だ。何故かわかるか」
「……良くないからだと言われたな」
腹出しい物言いのはずだが、何故か怒りを感じなかった。
確かに、今の俺は娼婦 以下の扱いだ。
「だが、オレはすごく良かった」
「……貴様が良かったのはよく慣らしてから使ったからだろう。……だが、そうか。良かったか」
そう言われても別段嬉しくはないが、その瞬間マクスウェルに告白をした時のような天啓が舞い降りてきた。
そうだ。俺がオルガ程に男達を喜ばせる娼婦なら、奴らは俺に夢中になるだろう。
何と言っても、オルガより俺の方が見目は良いのだから。
そうすれば……誘惑して、男共をいいなりにできるかもしれない。
愛を囁いてここから助けださせ、寝首を掻いても良いのだ。
そうだ。どうせなら、オルガを超える娼婦になってやろうではないか。
「……なら、もっと真面目に娼婦をやってやることにしよう。便器扱いは嫌だからな」
「そうしろ」
しかし、疑問が浮かぶ。
この男は、この結論に俺を誘導していた。この男の目的が読めない。
俺に懸想でもしているのかとも思ったが、それなら自分で助け出そうとするだろう。
「……貴様、何故だ。何故俺に助言する」
男は答えず、また俺の身体を揺さぶりはじめた。ゴリゴリと硬い肉が体内を擦り、その度に痺れるような快感が生まれる。
情け無いが、確かにこの男に抱かれて感じていた。
今しがた決めた目標の為に、男の肩に縋り甘く喘いで見せる。
「あっ、んあ、はぁ、んんっ」
「そう、だ。リラックスして……男を、受け入れろ」
「んん、ふあ、あっ」
頷きながら、男の行為に身を任す。身体の力を抜いて男にされるがまま犯されていると、屈辱は感じるが確かに深い快楽を得られた。
「あ!くぁ、はあ!い、いい、も、浅い、とこぉ」
自分の指を軽く噛みながら、流し目の視線を送りいい場所への愛撫を強請る。
男はそれに答えて、前立腺のあたりをカリ首で擦るようにしてくれた。
そうだ。俺は何故忘れていたのか。
男は、俺の色香で思い通りにできる。
15歳の時から知っていた事ではないか。
「んぁっ!い、そこが、はぁっ!気持ち、いいっ!あーっ」
「っ、いきなり、変わり過ぎだ」
「くふ、ふふ。あ、あんっ!はぁっ、ははは、ああ、貴様が、言った、んあ、リラッ、クス、しろと、んっ」
「ああ。……すごく、いい娼婦だ」
男の動きが奥を突く動きに変わり、抜き差しが速くなる。入り口を締めて扱いてやると、ううっと短く呻いた。身体の中でビクビクと跳ねている。イキそうなのだろう。
「あん!ふ、あっ!イ、イキそう、か?ああ、中に、出してっ、貴様の、……あなたの、っんあ、精液、ちょうだいっ」
男の頬を両手でそっと挟み、できるだけ『蕩けた顔』を作って見せると、男の険しい表情が緩んだ。
ぐぶっと深く穿たれ、また腹の奥に射精される。今度は、純粋に嬉しい。
この俺の、娼婦としての振る舞いでイかせたのだ。
性処理に使われたのではない。
俺が、出させてやったのだ。
「あ、はぁ……熱……い……きもち、い」
腹筋を震わせて、うっとり呟いて見せる。
どうだ。セックスに蕩けた娼婦そのものだろう。
「お前は……イっていないな」
「ああ、イきたい……そこも、触って」
「娼婦ならちん×に触れずにイクべきだ」
「なに?あっ……お、おい、また、っあ!」
白濁塗れの性器を一旦ほとんど抜いて、また一気に深くねじ込まれた。
目の前がチカチカする。
確かに気持ちいいが、中でイケるほどはまだ慣れていない……はずだ。
「や、無理、だ!あ、あっ!」
「一日中でも一晩でも付き合う。時間をかければ、イケるはずだ」
「一晩!?ま、まて、まだ昼間……あ、嘘っ!あーっ!」
男は、宣告通り本当に一日中俺を犯し続けた。
「ひ、あーっ!あ、あっ、駄目、あーっ!ぜん、りつせ、があっ!こわ、れ、ああっ!」
正常位で延々と浅い場所を抉り続けたり。
「ンッ!あぐっ!ふか、いぃっ、はら、ああっ!穴が、ひ、空く、ンァ、ひあぁ」
上に乗らされて下からバコンバコン突かれたり。
「やあ、あ、あ、あ、っ、ふ、っあ!」
這い蹲らされ後ろから犬のように速いピストンでガンガン犯されたりもした。
日が落ちて、納屋の中が暗くなり男の顔がよく見えなくなった頃には、犯され過ぎて疲労と快楽とで頭がクラクラしていた。
喘ぎ過ぎて声も掠れた。演技で声を出しているのか、本気で善がっているのかすらわからない。
張り詰め切って少し触れただけで射精しそうな性器が苦しくて、ずっと擦られている腸壁が敏感になり過ぎて辛くて、ずっと涙が止まらない。
男はそれでも、俺を犯す。
今はまた正常位で俺の両手を握りながら激しく突いてきていた。
恋人のようなやり方に、マクスウェルの姿を思い出す。
抱かせてくれと頼まれて脚を開いた時、こんな風に手を繋いでくれた。
ああ、なんだか、マクスウェルに抱かれている気分だ。
「ンァ!あーっ!ま、くす、っ、ああっ好き、だぁ、マクス、ウェル!イく、イク、ああっあーっ!」
視界が真っ白になって、全身が戦慄いた。触れていない性器から、勢いよく精子が噴き出す。
マクスウェルを想いながらの絶頂は、意識が飛びそうなくらい深く激しい。
ずっと吐き出せなかった精を思い切り吐き出す解放感に、嬌声が止まらなかった。脚が痙攣しながら勝手に男の腰に絡んでしまう。
体内で、幾度目か分からない射精をして、男は俺に折り重なってきた。
すごく、沢山出された。
「……は、……」
しまった。
射精の余韻からだんだん冷めてくると、マクスウェルの名前を呼びながらイッてしまった事に気付く。
行為中に他の名を呼ぶなど、ひどく相手を萎えさせる行為だ。
流石に罪悪感を感じざるを得ない。
「……すまない……良過ぎて、我を忘れて……」
つい言い訳がましい事を言ってしまう。しかし、男は気にした様子もなく相変わらず険しい顔で俺から離れた。
性器を抜かれると、穴と性器の間を白い糸が伝う。開きっぱなしの俺の尻穴から、ダラダラと白濁が溢れて床を汚した。
「……時間がかかるな」
「仕方ないだろう。後ろだけでイくなど、初めてだったのだから」
「マクスウェルという男は、イかせてくれなかったか」
「……マクスウェルは関係ない」
「遅漏か?」
「五月蝿い!二度とその言葉を口にするな!!」
「……遅漏は射精の問題だ。射精せずなら早くイクだろう」
「……………なんだとっ!?」
まさか、この俺を雌イキさせようと思っているのか。
前立腺を開発し尽くし、男を覚えこませた身体は、射精をせず女のようにイくようになる。射精しないから何度でもイケるし、その快楽は通常の絶頂より激しいもの……らしい。
俺はした事はないが、マクスウェルには何度もさせた。女のように善がり狂い、立派な一物を震わせながらも射精せずにイキまくるマクスウェルは素晴らしかった。
だが、あんな痴態を晒してイくのはごめんだ。マクスウェルの為にならともかく。
「……また来る。次に練習するぞ」
「ふざけるな!おい!」
男はさっさと身支度を整えると、納屋から出ようとし、こちらを振り返った。
「……もうすぐ寒くなる。納屋では凍死しかねないから、部屋を用意させた。後で迎えがくる」
そう言って、今度こそ男は出て行った。
なんだと言うのか。
だが、納屋の寒さから開放されるのは助かる。
俺は犯され過ぎてろくに動く体力もなく、床に転がりながら思案した。
7ヶ月。
オルガが性奴隷だったのは、7ヶ月だ。
なら、俺も後半年でこの状況を打開してやる。
あの隻眼の男が、オルガにとってのディスターのような、俺の救い主であるなら話は早いのだが。どうもそうではないようだ。
部屋を用意できるなら俺をここから逃したり、あの男が囲ってしまうことだって出来るはずだが、そうはしなかったからだ。
なんの目的があるのか知らんが、利用されてもらうだけだが。
俺は暗い納屋で含み笑いをした。
目標が出来ただけで、随分と気分は晴れやかだった。
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