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橘×雪哉 5日目 夜 4
翌朝目が覚めると、隣には穏やかな寝顔を浮かべた橘の姿があった。
「……まったく、気持ちよさそうな顔しちゃって……」
少し癖のある髪を撫でながら、昨夜の出来事を思い返して思わず赤面してしまう。
昨夜はいつも以上に激しかった。しかも何度も何度も連続で求められた。おかげで身体は怠いし喉も痛い。
あまりにも気持ちよすぎるのは本当に困る。自分が自分じゃないみたいだったし、気持ちよすぎて怖かった。
「でも……嫌じゃなかったな……」
むしろ嬉しくて幸せで、もっと求めてほしいとすら思った。
「ハハッ、なんて……何言ってるんだろ。僕」
自分で言った言葉に恥ずかしくなり、慌てて誤魔化すように布団の中へと潜り込んだ。
「へぇ、嫌じゃなかったのかよ。そういや、ノリノリだったもんなぁお前」
「!」
突然背後から聞こえてきた橘の声に驚いて振り返る。
「お、おはようございます……」
「おう、おはよ」
橘はニヤリと口角を上げて笑い、布団ごと雪哉を抱きしめて来た。
「わ、ちょっ……なにするんですかっ」
「お前、朝っぱらから可愛い事言うなよ」
「っ、別に可愛くなんかないですよ!」
必死になって否定すればするほど、橘の顔が近づいてきて、二人の身体が密着する。
「ちょっと! 暑いですって」
「んー? そうか? 俺はちょうどいいけどな」
悪戯っぽく笑いながら、ちゅっとこめかみに唇が落とされて、ゆっくりと啄むようなキスが身体のあちこちに降って来る。
「くすぐったいです」
「擽ったいだけか?」
橘は首筋に吸い付きながら胸元に手を伸ばしてきて、指先で突起を摘まれた瞬間甘い痺れが走った。
「んっ……」
「ほーら、やっぱり。ここは素直だな」
「っ、も、やめてください……っ」
「なんでだよ」
「だって……昨夜アレだけしたのに……」
そう呟いた瞬間、橘は目を丸くした後、盛大に吹き出した。
「なんだよ、またシたくなっちゃった? やらしいなぁ雪哉」
橘は笑いながら耳元で囁き、耳たぶを甘噛みしてくる。
「ひゃうっ!?」
「ほんと耳弱いな。耳だけでイけるんじゃねーの?」
「ば、ばっかじゃないですか!そんなわけ無いでしょ!」
耳を押さえながら睨みつけると、橘は再び噴き出して笑った。そしてそのまま耳元で囁かれる。
「また今度試してみるか」
「えっ!?」
あんな凄い事をまた? 冗談じゃない。あれ以上やったら絶対に死ぬ。気持ちよすぎて死んでしまう。
「フハッ、まぁ安心しろよ」
「っ、な、なにが」
「お前がどんなに乱れても俺が責任持って面倒見てやるよ」
「ばっ……!」
橘の言葉に雪哉は顔を真っ赤にして口をパクつかせた。
「だから、もっと俺に溺れろよ」
チュッと触れるだけのキスが唇に落ち、至近距離で見つめられる。
そんなの、もうとっくに――。
返事の代わりに、背に腕を回して自分から強請るように唇を重ね合わせた。
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