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きっかけ 8
そんな様子に気が付いたのか、和樹はニヤリと口角を上げると、下着の上から緩々と扱き始めた。
「……は、んん……っ」
布越しのもどかしい刺激にどうしようもなく腰が揺れ、自然と鼻にかかったような吐息が漏れる。
「マッスーってほんとエロい身体してるよね」
「そう思ってるのはお前だけだろ」
実際、他のヤツにそんな事を言われた事は一度もないし、そういう目で見られた事も一度もない。
和樹の目がおかしいのだ。そう言いたいのに、もどかしい刺激を与えられ、口から出るのは艶っぽい吐息ばかりで。
「そうかなぁ? じゃぁ、このピンと尖ったコレは何? シャツから透けてるんだけど。こんなやらしい乳首晒してさ、誘ってるんじゃないの?」
「っ、コレはお前がいつも……っぁ、んんっ」
言い返そうとした途端にシャツを捲りあげ強く吸われて言葉を遮られてしまう。そのまま舌で舐られ歯を立てて甘噛みされると痛みの中に快感が生まれて、あられもない声を上げそうになり必死に奥歯を噛んで耐えた。
「……はっ、我慢しなくていいのに」
「……っ、ふざ、けんなっ」
「ふざけて無いよ。俺はいつだって本気」
そう言うと、和樹は透のズボンとパンツを一緒に掴み一気に腿の辺りまでずり下ろした。あっと思った時にはもう遅く、勢いよく飛び出した自分のソレを見て恥ずかしさに頬が熱くなっていく。
「……っ、おまっ」
「マッスーってさ、恥ずかしがる割にはこういうプレイ好きでしょ」
「ちがっ……」
「違うの? 俺に裸見られて勃起してるくせに」
「っ……」
和樹の言葉にすぐには反論できず、透は顔を真っ赤にして唇を震わせた。確かに、こうして身体を見られるのは恥ずかしい。けれど、それ以上に興奮してしまう自分がいるのも事実で。
「素直じゃないね」
和樹はクスッと笑うと枕木にある引き出しから取り出したローションを掌に垂らして温めて、剥き出しになった透の尻の間に指を這わせた。
後孔の周りをくるくると円を描く様に撫でられれば、これから与えられるであろう快楽への期待でヒクつくのが自分でもよくわかった。
「っ、はぁ……っ」
ぬぷりと侵入してきた長い指が、内壁を広げる様にぐるっと回される。
何度か抜き差しを繰り返してから二本に増やされた指がバラバラと動かされ、ある一点を掠めた瞬間、ビリッと電気が走るような快感に襲われて透は思わず背中をしならせた。
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