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きっかけ 7
ちゅっ、ちゅっ、と音を立てながら何度も触れるだけの優しいキスを繰り返す。そのうちに、どちらからともなく舌先が触れ合い絡め取られていった。
徐々に深くなっていく口付けに夢中になって応えていると、和樹の温かい手がスウェットの裾から忍び込んで来る。
脇腹をそっとなぞられ、身体の奥底がカッと熱くなった。
そのままするすると上へと移動していく手の動きに期待して、無意識のうちに呼吸が上がっていく。胸元の飾りに指が触れた瞬間、思わずビクッと身体が跳ねた。
「……ぅっ、あっ」
そのまま親指の腹でぐりぐりと押し潰すように弄られると、ゾワゾワとした快感が広がって行く。
もっと触って欲しくて無意識のうちに自ら押し付けるように身体を捩らせると、それを待っていたかのように和樹が乳首を口に含んだ。
熱い口腔内で転がされ、時折甘噛みされる度に下腹部にじわりと重い快感が蓄積されていく。
「……っん、はぁ……っ、あ、んっ」
もう片方は指先で摘ままれて捏ねる様に転がされると、腰が浮き上がるほどの強い快感が走った。
「マッスーめっちゃ気持ちよさそうじゃん、そんなにイイの?」
意地の悪い聞き方をされ、羞恥で顔が赤く染まる。
「……っ、うるさ……っ」
「あれ? 否定しないの? ハハッ、まぁ出来ないか。ちょっと弄っただけでココ、こんなにしちゃってるんだし」
「っ、んぁっ」
不意に股間を膝頭で押し上げられて思わず高い声が出て、慌てて手の甲で口元を覆って何とか堪えようと試みるが、身体は正直なもので、一度火のついた欲望は簡単には収まりそうにない。
「マッスーって結構Mだよね。虐められると感じるタイプっていうかさ」
「……な、に言ってんだ」
「普段生徒に接してる時は余裕な感じだし? Sっぽく振舞ってんのに、本当は焦らすように責められたり、言葉でいじめられたりするのが好きだろ?」
耳たぶを食まれて囁かれる言葉に、図星をつかれたようにドキリとする。
「お前は普段へらへらしてなんも考えて無さそうなのに、こう言う時だけSぽくなるけどな」
言われっぱなしは何となく悔しくて言い返すと、「それは褒めてんの?」と笑われてしまった。
「褒めて無いだろ馬鹿」
「ははっ、ひっど。でもさ、実際そういうの好きなんだろ? だってほら、ここもすっかり元気になっちゃってんじゃん」
そう言うと、和樹は透のモノを服の上からもわかるくらい膨らんでしまったそこの形を確かめるようにゆっくりとなぞって来た。
布越しに擦られる感覚がもどかしくて身を捩れば更に強く押されて刺激が増して行く。
その先を期待してしまう自分に浅ましいと思いつつも腰が揺れ動いてしまうのを止められない。
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