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きっかけ6

「マッスー可愛すぎ。やべ、超好き」 クスクスと笑いながら抱きつかれ、羞恥心からカッと頬が熱くなる。 「あーもー、離れろってば」 押しのけようとするが、逆にギュッと抱きしめられて動けなくなってしまう。 「えー、だって本当だし。ていうか、今更照れる必要なくね?」 「……うっさい」 ふわりと香るシャンプーの匂いにドキドキして、心臓の鼓動が速くなって行く。 恥ずかしさを誤魔化すように、抱きついてくる和樹の頭を軽く小突いてから、透は小さく息を吐き出して口を尖らせてボソッと呟いた。 「……お前が、いつもと違ったセックスがしてみたいなんて言ったからだろうが……。物足りないのかと思ったんだよ……」 そう言うと、透はふて腐れた様にぷいと顔を逸らした。 「ははっ、ごめんって……マッスー」 和樹が可笑しなことを言いださなければ、検索することも無かったし、変なボタンを押して誤解されることも無かったのに。 そう思うと無性に腹立たしくなって、透はムスリとしたまま彼に背を向けた。 「ごめんってば」 「いやだ、許さねぇ」 口ではそう言いながらも本気で透が怒っていないことはわかっているのだろう。苦笑しながら顔を寄せて来るから、透は枕に顔を埋めてそれを避けた。 「……ごめん」 「やだって言ってるだろ」 別に本気で言ってるわけでは無い。和樹もそれがわかっててしつこくごめん、と繰り返す。そうやって遊んでいるうちに、部屋の中が甘い空気で満たされていく。 和樹が透の髪を撫でながら背けていた顔を自分の方に向かせ、優しくそっと唇を重ねた。 引き合うように視線が絡み二人の距離が縮まっていく。啄むようなキスがくすぐったくて思わず笑ってしまった透の手から枕を奪うと、和樹はそれを床に放り投げて再び透を組み敷いた。

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