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和樹×透 2-4
「勃ってるじゃん。嘘つき」
「あ、う……っ、そ、それは……お前が……ッ」
「俺が? なぁに?」
分かってる癖に、絶対に言わせたがるのだ。この男は。
羞恥で顔を赤く染めていると、今度は首筋に顔を埋めてペロリと耳たぶを食んでくる。
それだけで身体がビクンと跳ね上がりあられもない声を上げそうになって慌てて左手で口元を押さえた。
「ほら、ちゃんと言って? 俺がなに?」
「っ、お前が……いやらしいことするから……」
「シたくなった?」
「っ、し、仕方ないだろっ! 好きな奴に触られたら……誰だって……。っそ、それに昨日だって……」
「昨夜も……なに?」
「~~っ、だからっ、お前が全然キス以上しようとしなかったから、俺だけ期待してたみたいで嫌だったんだよっ」
言い切ってからしまったと思ったがもう遅い。和樹は目を丸くして驚いた後、嬉しそうに破顔した。
それから優しく微笑むとぎゅっと透を抱きしめた。
「あー、もー……なんでそんな可愛い事ばっか言うかな。煽ってんの? それとも誘ってる?」
少し掠れた声で囁かれ、心臓がドキドキと早鐘を打つ。
「誘ってもないし、煽ってもない!」
「無自覚かよ。マジ辛いんだけど……」
「ちょ、待ッ――!!」
「待てない」
和樹は深い溜息をつくと、再び唇を重ねてきた。
昨夜のような啄むような優しいものではなく、深くて激しい大人のキスだ。
和樹は貪るように角度を変えては何度も繰り返し、透の呼吸を奪っていく。
「ん、ふ……ぁ……っふ……」
顔を背けても追いかけて来て酸素を求めて僅かに開いた隙間から舌を差し込まれ、歯列をなぞるようにして奥へと入り込んで来た。
和樹の肉厚な舌が口腔内を蹂躙し、上顎を撫でて、透の舌を絡め取って強く吸われる。
飲み込みきれない唾液が顎を伝って零れるが、岩肌に手首を縫い留められていてそれを拭うことも出来なくて、されるがままになってしまう。
やがて満足したのか、和樹はゆっくりと唇を離すと、透明な糸を引いて離れた互いの唇を繋ぐ銀糸をぺろりと舐めて切った。
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