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アキラ×拓海 アキラ視点

「もー、俺の嫁が可愛すぎて死にそう……」 翌日。アキラは昨夜あった出来事を、赤裸々に親友で同僚でもある透に話して聞かせた。 「あー、ハイハイ。ラブラブで羨ましいねぇ」 「たく、適当に言いやがったな!?」 「これ以上のコメントを俺に求めるのはやめろ!?」 聞いているこっちが恥かしくなるとボヤキながらコーヒーを啜り、透が盛大な溜息を一つ零す。 「たく、深刻な顔をして話したいことがあるって言うから、もしかして喧嘩でもしたのかと思ったのに。ただの惚気じゃないか」 「そう言うなよ。俺だって悩みがあるんだぞ」 「悩み? なんだよ。アイツが浮気でもしてた、とか?」 「まさか。ハルは俺一筋に決まってるだろ。それは無い」 キッパリと言い切るアキラに、透は呆れたように半眼になった。 「じゃぁなんだ?」 「実は……。たまにはアイツから誘ってくれないかと思って」 「……」 予想外だったのか、透の思考が一瞬停止したのが見て取れた。 たっぷり数十秒固まった後、器用に目をくるっと一回転させてからようやく言葉を絞り出す。 「お前……。脳みそ湧いてんのか?」 「何それ。酷くないか?」 「酷いのはどっちだ!? 散々惚気話を聞かされた後で、なんだその悩みは!? 」 あまりの内容に透の声が大きくなり、ハッと気づいたのか慌てて口元を手で押さえた。 「いやぁ、だってさ。ハルがチョロくて可愛いのはわかるんだけど、たまには自分から強請ってくれてもいいんじゃないかと思ってだな」 「アホか! くだらないっ」 馬鹿馬鹿しいと鼻を鳴らすと、透は空っぽのカップを持って席を立つ。 「くだらないってなんだよ。透だって自分から強請る事あるんだろう?」 「……っ聞くな馬鹿」 アキラの問いに、透は一瞬押し黙った後で苦虫を噛み潰したような表情を浮かべふいっと視線を逸らした。

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