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出会い編 第二話

スパイってなんだ?銃やったり、人殺したり?なんだそれ 「ええっと、混乱しているよな?」 「はい…」 「〇〇会社って知ってるよな?」 「もちろんです。ライバル会社ですね」 「その親会社の〇〇〇〇グループに行って欲しいんだ」 え?ライバル会社に行かないの?親会社なの? 「すみません、普通にライバル会社に行けばいいと思うんですけど…親会社の意味はありますか?」 「ふむ…管轄が親会社なためだ。全ての情報が親会社にあるということだ」 そうなんだ… 「んで、スパイのミッションはこうだ。まず、親会社に入社」 え、でも難しくない?親会社に入社って… エリートばかりが集まる大企業中の大企業だ 「あの…親会社に入社ってところが、もう無理かもしれないんですけど…」 「大丈夫だ。今、Ωキャンペーンというものをやってるらしいんだ。詳しくは知らんが、Ω雇用をするらしい。ま、落ちたら落ちただ」 そう言われたけど、ん~大丈夫なんかな…と不安は募っていく 「それで、敵の親会社に入社、入社と言っても、中途採用だ。社長と何とか会い、薬を使って、発情させて、運命の番だと信じ込ませる、そして秘書とかになりたーいとか言って近づき、秘密を持ち去りだ」 難しい…。嘘をつくこと自体嫌いだし。僕にできるのかな… しかも、最近できた薬を使うのもちょっと気が引ける 薬というのは、先日発売された新商品。世間知らずの僕でも、大々的にニュースでやっていて、運命の番が大量発生したり、詐欺に使う可能性があると、社会問題になるんじゃないかと言われている薬。Ωが一錠使用し、アルファと目が合ってしまったら発情してしまうというものだ メリットと言えば、家の都合で婚約させられた2人を運命の番にできるみたいな感じ どこでも、運命の番を偽ることができるが、感の鋭い人だったら徐々にバレていく 「お前は!そのために入社を許可したと言っても過言では無い!もちろん!給料もだすし、ミッションを完遂したのならば、2000万払うと上の方が仰っている」 2000万…これなら!助けられるかもしれない… 「だが!ミッションをコンプリートできなかったら、その時は会社を辞めてもらう。んで、今の仕事は誰かに引き継いでもらう」 そんな…。でも、失敗しなければいいんだもんね! でも、「引き継いだ仕事は戻った時に、僕の元に帰ってくるんですか?」 「まぁ、そうだな…」 なら良かった… 「話は以上だ。引き受けるのか、引き受けないのかは、お前次第だ。さ、どうする」 不安でいっぱい、だけど、お金は欲しいし、この仕事を引き受けなかったらもう、クビになる気がする。だから僕は「〝引き受けます!〟」と覚悟のこもった大きな声で言った 挑戦しないより、失敗した方がずっといい そして、お金のためにも!

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