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出会い編 第三話
「じゃあ、この薬を渡す」と部長は、ポケットから一錠の薬取り出し、僕は受け取った
「さっき言った、薬だ。会う直前に飲めばアルファと目が合った瞬間に発情するってやつだ」
ほうほう…
「あ、上層部とお前だけの秘密だ。誰にも話さぬように!まぁ、頑張れ!」と言われ、僕は気合いを入れて「はい!!」と答えその話は終わった
部長が先に部屋を出ていき、僕も立ち上がって部屋を出た
部長とは別れ、部署に着くと、またコソコソと話し声が聞こえた
それを無視して、席に座ると、はるとが近づいてきた
僕の方に向かって歩きながら「あぁ~今日で七瀬くんともお別れかー!ま、せいぜい、頑張れ~」と煽られた
もう、こいつともお別れできるんだから、引き受けて正解!
はるとは僕の前で止まって、もっといじってくるかな?と思ったけど、通りすぎてトイレの方に行ってしまった
そんだけのことなら来るなよ…とか思ったけど、引き継ぎとかしなければなからないので、こんなことをしている暇はない。仕事に戻ろう
カタカタ…。
あれ?僕って今仕事してても意味ある?
明日には引き継ぎの人が仕事をしてくれる…
明日には、会社にいないも同然だ
なら、今から有給を使ってのんびり、採用試験に向けて頑張ろう
よし!直属の上司である伊藤さんに有給申請をしよう!隣にいる伊藤さんに体の向きを変えて、声をかける「伊藤さん!」
「ん?なに?」と優しくいつも答えてくれた
「僕、明日で仕事辞めるって言うか、休むので、今から有給使わせてもらっても大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫なんだけど。もしかして、クビとか?」
「はい…ちょっと…」右耳を触りながら言う
クビにはなってないけど、まぁ、クビみたいなものだし…伊藤さん…嘘ついちゃって、ごめんなさい
「うん…わかった!寂しいけど…仕方ないもんね…」
「はい…」
「じゃあ、申請しとくからね」と伊藤さんが言い話は終わった
体勢を戻して、パソコンと向き合う
自分の顔を見つめながら、もしかしたら、今日で最後の出勤か…。と思い出に浸っていた
お昼ご飯食べたり、お昼ご飯食べたり…ってお昼ご飯しか食べてないのか…
ま、でも楽しかったかな?
さ!仕事仕事!
カタカタ…カタカタ…
***
「ん~」と言いながら背伸びをする
やっと仕事が終わった
引き継ぎの書類も作り終わったし!意外とこういう、パソコン系はちょっとだけ強いんだよね!
引き継ぎの書類を見ながらふと思い浮かぶ
騙すのか…。正直言って、嘘をつくのもつかれるのも嫌いだ
自分のついた嘘はすぐ見抜かれる
でも、相手のついた嘘は見抜けれない
自分だけ損した気分になる
それと、やっぱり!付き合うんだったらイケメンαがいい!
ずっと引き継ぎの書類まとめてた時も、どんなαか想像してたし!
意地悪って言うか、性格の悪い人もいるし、優しそうな見た目の人がいいな~
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