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第47話 可愛いって言って
はぁっと熱っぽく息を吐き出して、快楽の隅へ持ってかれないように耐えた。
「ここ、触って欲しい?」
「……ぅん……っ」
さっきから焦らされ放っておかれている欲望が辛すぎる。
僕の体は、この数日ですっかり律の手に従順になってしまった。
恥を捨てて涙目で頼み込むが、呆気なく却下された。
「まだダメです」
「え……やだっ、触って」
今すぐ触ってくれないとどうにかなりそうなのに、律はくすりと笑うだけでそこに爪の先も触れようとしない。
痛いくらいにそこがジンジンして、太ももが震えてくる。
僕が辛いと知ってわざと触らない律はドSだ。
やはりエッチモードの律は普段と違う……なんてことを冷静に考えていたとき、今度は反対に首筋を舌先で優しく撫でられ、乳首をぎゅうっと摘まれた。
「───……っ!」
僕は自分の手の甲を口に当てて、ビクンビクンと腰を跳ねさせる。
大きな動作はしたくないのに、体は全然言うことを聞かない。
「ん、や……あっ」
下着を押し上げているものの先端がじわりと滲んで濡れていくのを目にした僕は足を閉じようとするが、ますます大きく割られてしまう。
熱い顔でいやいやと首を振る。
律はいつも、部屋を暗くしてくれない。
下着をずらされると、蜂蜜でも塗ったみたいに濡れて艶めいた先端が見えていやらしい。
「……可愛い」
ポツリと呟かれて、涙で滲んだ目を薄く開けてると、ハッとした表情の律と目が合った。
律は戸惑った様子で僕から目を逸らす。
「すみません。可愛いだなんて」
苦笑した律は、あれほど焦らしていたのにすんなりと僕の昂りを手のひらで包み込んできた。
軽く擦られただけでどんどん硬さを増していく。
「ん、ん……」
内腿を震わせながら考える。
僕が可愛いと思ったと、律が5年前に言ってくれたから僕は『何かあってもいい』と、誘ったのだ。
可愛いと言われると、僕の心は暖かな気持ちになる。
今ももっと言って欲しい。
だけどもう、可愛いとは言われなかった。
その代わりに、手のひらで僕を快楽の隅へと追い込んでいく。
あの時の情景が蘇った僕はまた、律に懇願した。
「……律、も……一緒に、しよ?」
あの時みたいに。
ぽわんと上気した顔の僕に、律は笑顔で即答した。
「冗談」
「………っ、ん、ん……でもっ、りつ、も」
「千紘がイくのを我慢出来たら、考えてあげてもいいですよ?」
「え、我慢って……あっ! や、あぁ……っ」
ゾクゾクッと強い刺激が来て声を上げた。
律が先端を濡れた親指でクルクルとこねくりまわして、ジュッジュッと扱き始めたのだ。
激しい手淫に頭が蕩かされていった。
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