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第3話 絶体絶命とはまさにこのこと

 じんわりと汗ばんできた。まだ暑さの残る9月、冷房が効いていない狭い個室に数分も入れば、汗をかくのも当然だ。  ――静かになった、…か?  ドアを少し開け、隣を確認しに行く。そっと開けると、中には誰もいない。ただ、ほのかな精液のにおいがして、自身の欲望が一気に屹立したのが分かった。 「すーっ、はー…」  深呼吸して隣室のにおいをかぐと、屹立がドクンドクンと波打ち、心臓が高鳴る。  そのまま隣室に入り、深呼吸しながらローターの電源を入れ直す。屹立を左手でゆっくりとさすりながら、右手の指を赤い内壁へ差し込む。 「ふぁっ!…んー、はぁあ!あっ!!!」  屹立の先端から熱いマグマが溢れ、内壁からはサラサラとした愛液が止めどなく流れてくる。  左手を動かすたびに、ジュクジュクと卑猥な音がし、内壁からは右手がふやけそうなほど蜜が滴り落ちて来る。  息を吸うたびに精液の香りを強く感じ、脳みそまで熱りそうなほど、身体中が熱く高鳴る。 「あっ、あー、イ…イクっ…!!!」  小刻みに身体が震えると同時に、屹立の先端から白い花火が上がった。すぐにローターを抜くと、もう一度昇天し、赤い蕾からドクドクと蜜が流れ出した。 「はあ、はあ、はあ、はあ……」  荒ぶる息を整えながら、制服の乱れを直す。もう昼休みが終わる。急いでローターをポケットに突っ込み、扉を開けた。 「えっ……」  顔面蒼白とは、まさに今の自分の表情のことをいうのだろう。目の前には、何かに困ったような表情をした男子生徒が立っていた。 「ねえ、学級委員長がこんなところでそんなこと、していいの?」 ――佐野名津(さのなつ)  クラスの陽キャ筆頭のようなふざけた奴だ。よりによって、何故こんな奴に俺の変態ぶりが知られなければならないのか。 「…なんのことだ?」  とりあえずしらばっくれてみる。 「俺とユイのセックス見て、オナニーしてなかった…?」  完全にバレている。どうしたら、どうやったらこの窮地を切り抜けられるんだ…!?

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