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第17話 快感のその先

 佐野の声が遠くから聞こえる。俺、今どこに居るんだろう。 「……………………りょう、りょう。抑制剤飲もう、はあ、はあ、はあ、はあ……俺も、飲む、から……」  佐野が俺を抱き抱えて、口元にペットボトルを添えている。佐野の右手には薬が握られているようだ。佐野はどこから抑制剤を持ってきたのだろう?  頭が回らない。とにかく抑制剤を飲まなければならない。いつも発情期が始まる前に抑制剤を飲んで抑えているが、あまりにも突発的に発情期が始まってしまったので、全身で発情期の影響を受けてしまっている。  佐野にペットボトルから水を飲ませてもらい、少し落ち着いてきた。目の前がクリアになるに従って、佐野が俺よりも辛そうにしているのが目に入った。 「さ、佐野……大丈夫か?」 「だい、じょーぶっ……はあ、はあ…」  全然大丈夫そうに見えない。佐野のためにも早く薬を飲まなければ。  佐野の右手から抑制剤を受け取り、口に入れようとしたその時、ドンッと佐野に両手を押さえられながら押し倒された。その衝撃で、抑制剤がどこかに飛んで行ってしまった。 「さ、佐野……?どうした…?」  佐野の目が据わっている。こちらの呼びかけにも一切反応しない。 「佐野、聞こえてるなら返事っ…んっ!」  ガツっと歯が当たる音をさせながら、佐野が唇を押し付けてきた。  佐野の舌は乱暴に自身の口をこじ開け、口腔内全てを舐めとるように、激しく動き回る。  ——クチュ、クチュ、クチュ、クチュ、クチュ…  糸をひくほどに互いの唾液が混ざり合い、内の深い部分までトロトロになる。発情期中の接吻は、いつもの何十倍も気持ちが良い。 「あっ、はぁっ、さ、佐野……も、もう、やめてくれないと……止まらなく、なる…」 「ごめん…俺はもう、止めらんない」  佐野はそう言うと、乱暴に衣類を剥ぎ取り、俺の全てを露わにした。 「やっ!な、なんで?抑制剤を飲むんじゃなかったのか?」 「発情期のりょう…きれいすぎる。全部見せて」 「お、おい!人の話をっ…ひゃあっ!」  発情期でより赤くなった1つのつぼみを口に含まれ、もう片方のつぼみを指で弾かれた。今まで感じたことのない快感が押し寄せる。佐野のたった一触れでこんなに感じてしまうなんて…このまま続けられたら、どうなってしまうのだろう。  そのまま、佐野の唇は前の屹立に触れた。 「あぁっ…やめっ…ど、どうにかな…っちゃう…やぁっ!」  愛欲にまみれた屹立が、佐野の口腔内で転がされる。裏筋に舌が這い、愛液を垂らす先端に到達すると、小さな欲望が爆発する。 「すんごくエロい…ピュッピュッて、潮吹いてる。たまんない……」  佐野はそのまま、後ろの窄まりに左手を伸ばしてきた。 「ふぁっ…ぁぁんっ」 「いじってないのにぐちゃぐちゃ……」  佐野は俺の身体を半回転させてうつ伏せにし、お尻を突き出すように促した。 「クパクパ開いて中まで丸見えだよ…エロすぎ」 「うぅ…そ、そんな見ないで…ひゃっあぁぁぁ!」  佐野はヒクついた窄まりを見つめた後、口付けをした。佐野の舌が中に侵入してくると、全身の鳥肌が立ち、屹立の先端からまた潮が吹き出した。  佐野は3本の指を一気に窄まりに挿入し、大きく広げて中を観察し始めた。窄まりはグポッ、グチュッと音を立てて喜んでいるように感じる。 「発情期中の中って、こんななんだね」 「だから…見ないで……」 「もう我慢できないよ」  振り返ると、佐野の目はやはり据わっていて、黙々とゴムを付けている。この状態の佐野に身を委ねたら、俺はどうされてしまうのだろう。  俺はド変態だ。恐怖と同時に、期待も膨らむ。このまま佐野にされるがまま、快感のその先に行ってみたい。だが…… 「さ、佐野。やっぱり抑制剤を飲も…」 「なんでそんなこと言うの?」  佐野を見ると、目が笑っていない。恐怖の方が勝り、背筋に嫌な汗をかく。  佐野は無言でポケットからハンカチを出し、俺の両手を上にあげて縛り始めた。 「な、何して…佐野!なんでまた、こんなっ…ひゃっあっ!」  佐野がまた窄まりに指を入れて掻き回し、何か別のものが入ってきた。グポッ、ゴポッと音を立てながら、次第に下腹部に圧を感じる。  後ろを覗くと、先ほど佐野が抑制剤を飲むために差し出してくれたペットボトルの先端が、窄まりに挿入されていた。 「抑制剤飲むんでしょ?直接飲ましてあげる。まず水全部飲んで」 「いやっ、も、もう、いっぱい!お腹いっぱいだから、抜いてぇぇぇ!」  ペットボトルの中の水が、全て窄まりの内側に入っていった。タポンタポンと下腹部の中で水が揺れ、その圧力が前立腺を刺激し、妙な快感が屹立にも伝わってくる。 「うわー、すごい。中、水でパンパン。すごい眺めだよ。でもまだクパクパして何か求めてる感じだね」 「あっ、あっ、あぁ…出したい、中…おね、がい……」 「ダメだよ。抑制剤飲まないとだもんね。奥にしっかり入れるからね」  佐野はそう言うと、教室の端に飛んで行っていた抑制剤のシートを取りに行き、1粒取り出した。 「ま、待って…もう、これ以上、何も入らない゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛…あっあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ…」  佐野はためらうことなく、その抑制剤を窄まりに押し込んできた。奥へ奥へ押し込むように、何度も何度も佐野の指が出入りする。  ——グボンッ、クポンッ、ゴポッ、ゴポンッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ…  佐野の指が入ってくるたびに、内壁側から水が精のうや射精管、前立腺を圧迫し、尋常ではない快感が全身を覆い尽くす。  ——ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ、ゴポッ 「何かっ、何かがクる…ひゃっあん!あっあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛!」  叫び声と共に、窄まりから勢い良く水が噴き出した。俺は潮と水を噴出しながらイッてしまった。体中の水分が抜け切ってしまったような喪失感と、快楽の頂点を同時に味わう。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」 「りょう、すごくエロい。エロすぎてかわいすぎて…もう本当に我慢できないよ」  そう言うと佐野は、真っ赤に熟れた俺の窄まりに自身の高まりを挿入した。 「ひゃっあ!き、気持ち良すぎ、て…おかしく、なりそっ…」 「おかしくなってよ、りょう。もっとエロい姿見せて」  ——バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ、バシャッ…  佐野が腰を振る度に、バシャッと水が弾ける音がする。まだ窄まりの中に水が入っているのかと思ったが、そうではなく、俺が潮を吹き続けていることに少し経ってから気づいた。  俺の快感は、もう止められない。イキ続ける。 「ねえ、りょうのうなじ、妙に食べたくなる…食べてもいい?」  まずい、佐野はアルファだった。オメガのうなじを噛んで、番になろうとしているのだろう。 「待って、噛まないで…」 「なんで?さっきからなんでダメって言うの?俺はりょうが本当に、本当に大好きなのに……」 「やっんっ!は、激しっ!佐野っ!つよ、強すぎっひゃっあっぁぁぁっん!」  佐野の高まりが強く何度も内壁をえぐり、また俺は途中で意識を失ってしまった。

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