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第14話

あっ......んぅっん~んっ ピチャックチュッと粘着質な水音が部屋に響く それが自分のものであることが、僕にとって耳を塞ぎたくなるくらい恥ずかしい 大きな枕を抱え込んで腰だけを高く上げた状態で後ろを念入りに愛撫される まるで、食卓に用意された七面鳥の気分だ たまに彼の舌が下着の隙間から僕のナカ挿入ってくる 内壁を軽く擦られて思わず高い声を出して背中をのけ反らせると、顔は見えないけど、楽しそうというか......愉しんでいる......絶対 閨事の本をこの前、書庫で見つけたので、少し読んでみた 受ける側は、それなりの反応を示さなきゃならないらしい “それなりの”というのが、疑問だった でも、誰にだって聞ける質問(もの)でもない 結局、そのまま放置していたのだ まさか、本番がこんなに早くしかも、自分から誘うなんて思ってもみなくて...... 覚悟を決めて、彼に聞いてみようとするものの、恥ずかしくて顔を枕から上げられない 愛撫を一旦、中止させようと自分の秘所に手を伸ばして遮る と、ちょうど花芯に指が触れて、全身を電流に貫かれたような衝撃が身体を襲った あっ!ふあぁっあぁぁぁんん まさか、まさかの展開だ じ、自分でイッちゃうなんて......僕は......淫乱じゃないかっ 小刻みに震え、荒い息を吐きだす 自分のしたことに涙が滲んでくる 「クリス......?」 心配そうな優しい声が自分の名前を呼んでくれる 「あ......ごめん、なさっ。自分で......何すればいいか分かんなくて......」 そっと頭を撫でられる 「あ......の?」 「本当に悪い、と思ってる?」 コクコクッと頷く 「何をすればいいか......?」 「う、ん」 「とりあえず、枕と仲良しするのはやめてくれないかい?」 「えっ......あっ!」 抱えていた枕が取り上げられて、パフッと床に落ちた 「いい加減、枕に嫉妬してしまいそうでね?」 「しっとだなんて......」 僕相手にすることじゃ...... 「まだ、伝わってないようだね。クリス、君は凄く魅力的だ」 「そ、んな......」 「嘘だと?......昼は無邪気な顔で笑って、夜はこうして艶やかに私を誘う。白く無垢を彷彿とさせるこのクリス(からだ)は、必死で私を迎え入れようとしている」 「い、や......そんなことっ」 彼の言葉で犯されちゃうっ 顔を隠していた両腕を解かれてシーツに縫い付けられた ゼンブミラレテル 「君に惹かれているんだ。君が幸福の花嫁だということだけではない。君自身に......好きだ」 「あっ......」 この(ひと)なら、汚れた僕を受け入れてくれるだろうか? 受け入れて......もらえたら、幸せだろうな~ 僕を魅了してやまないこの男に 「ぼ、くも......スキです。いっぱい下さい」

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