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純愛FINAL《緋禄side》5
俺はまだガキで、
知らないことがたくさんあるけど、
でも、欲しいものは手に入った。
もう何もいらない。
望むものはもう何もない。
こうして繋がれてる手から感じる咲輝の温もりだけで、落ち着く。
何度キスしたか、
何度呼び合ったか、
何度愛を確かめたか分からない。
「忘れないよ、緋禄」
待ってるから。
「ありがとう」
何十年、何百年かかってもまた逢えるって信じてるから。
だから安心して逝けるよ。
「愛してる」
波の音を子守唄にして、二人で裸のまま抱き合って眠った。
「緋禄くん、今日から面会謝絶で本当にいいの?」
「うん、弱くなっていく俺を見られたくないから」
「そう…分かったわ」
結局、《恋人ごっこ》というゲームは終わってしまったけれど
でも咲輝と本当の恋人になれた。
それだけで充分。
咲輝を置いて逝く辛さも、
遺される咲輝が俺を引きずって堕ちることも無いって分かったから、
だから待ってるよ。
「あ…水沢ちゃん。便せんと封筒買ってきて」
「分かったわ」
「センスいいやつね」
「はいはい」
咲輝、お前に逢えて良かった。
出会いは偶然かもしれない。
でも、結ばれるのは必然だったと思う。
もし来世でこの記憶を失ってしまったとしても、
俺は必ずお前との想い出を思い出すよ。
それまで暫く先に眠るけど、
泣かないで、
悲しまないで、
忘れないで―…
永遠に俺達は恋人だよ。
咲輝、愛してる。
今もこれからも、ずっと―…
愛してる。
俺と咲輝の終わりの無いゲームは、まだ始まったばりだ。
【END】
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