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純愛FINAL《緋禄side》4
「落ち着いたか?」
「―…うん」
それから俺達はキスをした。
キスだけで何十分もしたと思う。
舌を絡ませて息をきらせて。
「咲輝、抱いて…」
咲輝の温もりを感じられるのも今日で最期だから、
最期に抱かれたい。
恋人として初めてのセックスをしよう。
俺は咲輝の服を脱がせて、肌に唇をつけた。
それから舌を使って上半身を舐め始めた。
咲輝の首筋や上半身にキスマークをつけた。
キスマークは消えてしまうけど、咲輝の中から俺は消えない。
そう約束してくれたから―…
だからもう俺の不安は無いよ。
「はぁ……はぁ…」
「大丈夫か、緋禄?」
「ん…大丈夫」
さりげなく俺の体を心配してくれる咲輝は優しい。
「大丈夫。咲輝と繋がりたい」
咲輝は用意していたローションを取り出して、それをたっぷりと俺の秘部に塗り、馴染ませて指を入れた。
「あっ…ん」
ゆっくりと根元まで指を入れて動かす。
指を増やし、波の音と共にイヤらしい音が広がる。
少し慣らした所で指を抜き、台湾で購入したあのコンドームを装着しようとする。
俺はその手を掴んで引き留めた。
「咲輝…今日はゴム無しでしたい。最期に俺のナカを咲輝で満たして欲しい」
咲輝は少しだけ考えて、俺の望みを叶えてくれた。
「…辛かったら言うんだぞ」
「うん」
そして、硬くなった咲輝自身にもローションを塗りたくり俺の秘部へ押し当てた。
「あっ!」
ゆっくりと俺のナカに咲輝が入ってくる。
久しぶりで少し苦しいけど、
それ以上に感情が高ぶって何も考えられない。
初めて、何も隔てずに咲輝を俺のナカで感じれたことに酔いしれた。
愛しい。
温かい。
咲輝が好き過ぎて、何も考えられない。
「咲輝、咲輝ぃ」
俺が咲輝の名前を呼ぶと、空いてる両手に咲輝が手を重ねた。
俺はその手をギュッと握りしめた。
咲輝はキスをしながらゆっくりと俺の様子を見て腰を揺らす。
咲輝が動く度にギシギシとベッドが鳴る。
咲輝の存在が大きい。
「はあっ…ん…咲、輝…ごめ……もっと速く動きたいよな?」
「大丈夫。こうして繋がれているだけで幸せだ」
そんなの、俺だってそうだよ。
本当に優しい咲輝。全てが愛しい。
「緋禄、愛してる」
俺の耳元で囁いた愛しい咲輝の言葉が嬉しくて、俺はまた泣いてしまった。
「俺も愛してる。咲輝…愛してる」
今、心も体も繋がってる。
なぁ、咲輝
俺も幸せだよ。
咲輝に逢えて幸せだよ。
俺達は何度も何度も「愛してる」を繰り返した。
まるで覚えたての言葉みたいに、何度も。
何度言っても足りない。
でも、気持ちは届いてる。
分かってるよ、でも言いたいんだ。
「愛してる―…」
このまま二人で溶けて消えてしまいたい。
ずっとずっと、一緒にいたい。
でも生まれかわって、
咲輝が来世で俺を探してくれるというのなら、
今、お前を困らせるような言葉は言わないよ。
愛してるよ咲輝。
愛してる。
この温もりも、優しさも忘れないで持っていくよ。
ありがとう、咲輝。
「あっ…―…」
「っ―……」
そして俺と咲輝は同時に果てた。
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