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62 ☆双子リバ

「都春さん、結衣人さん、王様役の奏空さん! ありがとうございました! さーて、次、王様になるのは一体、誰でしょうか?」  翼がそう言うと、早速、そこに残っている人達はクジを引き始める。  引いて行くうちに当たりを引いたのは、 「僕ですねぇ。 普段なネコな僕が王様って事もあるんですね。 僕の方は普段、小悪魔受で売ってる、来夢と言います。 宜しくね」  そう既に怪しい笑みを浮かべながら軽く舌まで出す来夢。 「それでは、次に何番と何番にしますか?」  来夢の方は適当に番号を決めると、その番号で出て来たのは、 「おっと! これは偶然なのでしょうか? リバで売っている、未来さんと来未さんの双子組でーす!」 「へぇ、僕の相手になってくれるのは、来未さんと未来さんなんですねぇー! 双子さんなんですかぁー?」  そう言いながら、番号を言われて出て来た、未来と来未を見上げる来夢。 「一応、僕達は双子で、しかも、リバで売ってる二人になりまーす!」  と二人はノリがいいのか、双子なのだから考えている事は一緒なのか、声を揃えて言うのだ。 そして見せつけるかのように来夢の目の前で唇を重ねる二人。 「もう……王様の俺を差し置いて先にキスしないで下さいよー。 今日のルールは俺が君達に命令を出して、それから、動くっていう事なんですからね!」  そう念を押すかのように言うと、顎に手を当て、 「先ずは何をやってもらうか? 双子でしかもリバなんだよぁ?」 「そんなに迷っていたら、本当に僕達は先に先に進んでしまいますよ? うふ……」  そう何も考えてないのに、二人は声が重なるようだ。 そこは流石双子という所だろう。 「じゃあ、ここは、まず普通に、二人で長いキスっていうのは、どうなんですかね?」 「王様の命令であれば、僕達の方は長いキスでいいんですね?」  そう言うと未来と来未は、唇を重ね、二人は瞳を合わせてクスリとすると、もう一度唇を重ねる。  その直後だっただろうか、早くも部屋内には水音が響くのだ。  そう二人がいきなり舌を絡めたようなキスを始めたからであろう。 「ふぅ……ん……」  流石は双子でしかもリバで売っているだけあるのかもしれない。 色々と二人は息がピッタリなのだから。  しかも王様役になった来夢はその二人の事を呆然とした感じで見上げている。  それ程、二人は見惚れてしまうという事なのであろう。  だが、いつもの調子でやってしまっているからなのか、未来は来未の腰の辺りを触ったり、来未の方は未来の胸を触ったりしてしまっているようだ。 そこを逃す訳もなく、 「お二人さん、二人の世界に入らないで下さいよ……。 今までの方々の見てなかったんですか? 王様ゲームっていうのは、王様の命令を聞いて動くゲームなんですからね」

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