6 / 6

ep.

 あれから、依弦はサークルを辞め、キッカケになったクラスメイトとも距離を置いた。 『万が一、サークルの奴らとか飲み会で会った人と何かあったら嫌だから』 と裕輔が言ったのが決め手ではあったが、依弦自身も飲み会やパリピの集まりが苦手だったので問題なかった。さすがに大学を辞めるつもりは無かったため、一人暮らしをしていたマンションを離れ、裕輔の部屋に同居することにしたのだった。 「いづ、掃除終わった?」 「裕輔! うん、なんとか」 「じゃあ、スーパー行くか。今日のバイトはないんだろ?」 「ないよ、裕輔が作ってくれるの?」 「大したもんは作れねぇけどな。チャーハンでいいか?」 「十分」  二人は玄関で靴を履き、顔を見合わせてどちらからともなく目を閉じてキスを交わす。唇が離れると笑いあって、ドアを開けた。 End

ともだちにシェアしよう!