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第20話

 もうすぐ、僕とジャック様の卒業パーティが迫ってくる。ただ今のところ、婚約破棄される気配もないし、断罪される兆候もない。それでも僕は、語学の習得は怠らなかった。ただ……ここまで好きになってしまったら、もう結果が追放だったら、僕は立ち直れないだろうから、勉強しなくてもいいかもしれない。  こうして、三月。  その夜、卒業パーティが行われる事となった。僕とジャック様が並んで入場すると、人々の視線が集まってきた。やはりジャック様の隣にいると視線の量が多い。 「フェルナ?」 「ああ、いえ……みんながジャック様を見てるなぁって思って」 「どちらかといえばお前を見ているんじゃないか?」 「嫉妬してるって噂、まだあるんです?」 「違う。見惚れているんだろう。今日もフェルナは綺麗だからな。外見も、中身も」 「それはちょっと医官に見てもらった方がいい案件では?」 「雰囲気をぶち壊さないでくれ。さぁ行くぞ」  幸い、この夜僕が婚約破棄される事はなかったし、断罪もされなかった。  その後も僕らの月日は巡っていったが、僕達の関係は順調で、じわりじわりと好きの量も増えていった。喧嘩をする事もあるが、僕は隣に居られて幸せである。 (終)

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