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第37話

*** 懐かしい夢を見てた気がする。 目を開けると涙が目尻から流れててびっくりした。夢で泣くなんて、と思って。 「はぁ···」 「起きたのか?」 優しい声がすぐそばで聞こえてそっちを向くと心配そうに俺を見てる燈人がいて。 「おはよう···」 「何の夢を見てた」 「···懐かしい、幸せな夢」 「そうか」 瞬きをするとまた涙が零れるそれを燈人が拭ってくれた。そのままふって笑ってキスをする。 「泣くほど幸せな夢か」 「うん、弟の夢で」 「弟?」 「うん···会いたいなぁ」 「会えないのか?」 「···会えないよ、絶対ね」 察してくれたみたいで悪かったと謝られたけれど、別にどうも思ってない。 「気にしないで」 頰に置かれてた手を掴んで口端を上げた。 「ねえ、さっきの続きする?それとも起きる?」 「···お前なんか無理してるだろ」 「何が。···って、もう!せっかく今そういう気分だったのに!俺起きるよ!」 ベッドを抜けてキッチンに行き、はぁ···と溜息を吐く。無理をしてるって、なんかちょっとムカつく。 「してねぇっつーの。」 コップに水を入れてゴクゴクと飲んだ。

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