38 / 242
第38話
ソファーに座ってると燈人が寝室から出てきて後ろから髪をワシャワシャ撫でてきた。
「何?」
「いや···」
「···ねえ燈人ってさ、いつも家いるけど仕事しなくていいの?」
「してる」
「うそー、見たことないんだけど」
ムッとした燈人は俺の隣に座ってテレビをつけた。
「怒ったの?」
「怒ってない」
むすっとした顔してるんだけど。それ嘘だよね?って「怒ってるじゃん」と言った。
「ごめん、俺見たことなかったからさ」
「怒ってねえって。」
テレビを見てた燈人が俺に振り返った時にちゅって軽くキスをする。燈人は驚いて変な顔になってたけど俺は満足で。
「今日の夜、仕事がある」
「···だから?」
「待ってろ」
「···うん、待ってるよ」
もう一度キスをして、ふんわりとした穏やかな時を過ごした。
「なあ」
「んー?」
「やっぱり···いいか?」
「うん、俺もやっぱりそんな気分」
燈人の首に腕を回し触れるだけのキスだったのを深いキスに変えていく、だんだんと熱くなっていく心と体。
「っは···」
「ベッド行くぞ」
「ん···」
すごく幸せだった。
ともだちにシェアしよう!