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第39話
「俺さー、燈人を初めて見た時から思ってたんだけど、うちの幹部のリーダーに似てるね」
「浅羽の幹部のリーダー?···ああ、早河ってやつか?」
「え、早河知ってるの?」
コトを終えてベッドの中。
ゴロゴロしているとふと早河を思い出してそういえばーってそんな話になった。
「ああ、浅羽組の早河は有名だろ」
「そっかー、俺たちもさ浅羽組の幹部って言われるはずなのに”早河のところのやつ”なんて言われることあるくらいなんだよね。そりゃ有名だよね」
「冷酷非道ってな」
「···まあ、そうかも」
俺たちの前ではそんなことはないけれど、真面目な仕事になると一気に雰囲気は変わるし確かに怖い時がある。
「で?俺が早河に似てるって?」
「うん。見た目もなんとなく···なんだけど雰囲気がね」
「ふーん···」
「あ、性格は違うよ?早河の方が堅い、頑固オヤジかって思う時あるし。あ、でもたまにすごい優しいよ、特にみっ···、やっぱ何でもない」
何故だか、燈人といるときにみっちゃんの話はやめようって思えて口を閉じた。不思議そうに見てきた燈人だけどそれを聞こうとはしなくてちょっと助かる。
「何時に家出るの」
「あー···8時くらいじゃねえかな」
「そっか。」
どうやらその仕事ってのは朝頃まで続くみたい。ちょっと寂しいなーって思ったけど仕方ない。燈人は若頭な訳だし、いずれ組のトップになる男だ、俺のわがままで「行かないで」なんて言えるわけがない。
「気をつけてね」
「ああ」
額にキスを落とされる。幸せな時間。
────この幸せが続くと、思ってた。
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