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「今度は急に笑ってどうしたんだよ」 落ち着いた頃、ぽつぽつと言った。 「⋯⋯一人暮らしだから、自分でどうにかしないといけないと思って⋯⋯。けど、起き上がることさえ億劫でどうしようと思っていたんだ。⋯⋯来てくれて、ありがとう」 「あぁ⋯⋯それは、どういたしましてだな⋯⋯」 照れくさそうに頬をかく黄丹に、何だか調子が狂う。 気持ちが落ち着かない。 「⋯⋯病人に喋らせているな。おかゆ食って、薬飲んで、寝てな」 「⋯⋯うん」 続けて、おかゆを食べさせてもらい、市販薬を買ってきてくれたようだ。それを飲んで、布団に潜り込んだ。 空になった丼を持って、台所に行く黄丹の後ろ姿をぼうっと見つめていた。 熱は辛いけど、仲直りするきっかけにも、少しでも満たされた気持ちになったから、なって良かったと思った。 泡立てる音、次に皿を洗う音を聞きながらウトウトとし始めていた、その時。 「⋯⋯っ!」 腹部が雑巾絞りをされているかのような激痛が走った。 これはもしかすると。 こんな時に限って⋯⋯っ! 「⋯⋯ふ⋯⋯っん⋯⋯」 無意識に身を捩り、逃れられない苦痛に呻き声を上げていた。 トイレに行きたい所だが、今回も例に漏れず、熱も相まって、先述言ったように起き上がることさえ億劫なこの状況で行けるはずがなく、ベッドの上で身悶えるしかなかった。 それと、もう一つ。この激痛から解放されるためには今回も産むしかない。 「志朗。俺、そろそろ帰る──って、おい、どうしたんだ!」 藤田の異変に気づいた黄丹が慌ててやってくる気配を感じたが、見る余裕もなく、シーツを強く掴んでいた。 「もしかして、腹がいてーのか? なら、トイレに行くのを手伝ってやろうか。ほら、つかま──っ!」 震える手をどうにか黄丹の手首辺りを掴んだ。

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