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【僕の身体は、貴方が作る〝魔法〟で出来ている。】 学校終わり。 バス代をケチって歩く帰り道には、いつも美味しそうな香りに包まれたスイーツショップがある。 宝石みたいにキラキラしたケーキや色とりどりのマカロン、綺麗に焼けたお菓子の数々。 そして、 「こんにちは!」 「こんにちは柚紀(ゆずき)くん。おかえり」 「今日のオススメは何ですか?」 「苺のタルトかな。今旬だからね」 「うわぁ美味しそう……それにしていいですか?」 「どうぞ。ひとつでいいの?」 「はいっ」 「じゃあ準備するから、座ってて」 並んでいるスイーツに負けないくらいふわりと笑う、優しい人がいます。

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